未然 21

2022-03-31 10:30:01 | 日記
真央さんが、優太さんとの別れを選んでくれたら…、傷付く人が少なくて済むし、沙友理さんに事実を告げたとしても、過去の事として、あまり傷付かずに済むのではないか…と、思った。



ーー真央さんが訪れた。
キラキラしている。
別れて、元気を取り戻しているのだろうか…。

「私、待てるタイプじゃないの…って、伝えてみました。そしたら彼、謝ってくれて、『待たせないように努力する』って、言ってくれました!」

「え?…あ、そうなの?良かった!」

また、心拍数が上がった。

どうしたものか…。

いろいろひとりで悩んで、結局物事の解決にはならずに、両方ともに元通りだ…。

本来なら『良かった!』と手放しで喜びたいたころなのに…。

二人の女性の恋人が同じ人だと知ってしまったが、何も出来ない💦

「彼、旅行に行こう!って言うんです。」

「え?旅行…?…わぁ!いいわね~!」

…沙友理さんとの旅行は、ドタキャンしたけど、真央さんとは行くんだろうか?

…ということは、優太さんの本命って、真央さんってこと?

沙友理さんは、優太さんは自分だけを思ってくれている…と思っているワケだし…ひどい。





未然 20

2022-03-30 09:37:54 | 日記
優太さんが、二股を掛けていたことを知ってしまった。

しかし、心配性で恋愛に一生懸命な沙友理さんに、知ってしまった事実を、結局は、伝えられなかった…。


真央さんは、彼との恋愛に関して、前向きでは無くなって来ている…。

ラインの返信が遅いことで、イライラを募らせて、『私は我慢出来るタイプではない…』と。
このままだったら、真央さんは、彼と別れる…という選択をするかも知れない。

もちろん、別れてくれればそれで良し…というワケではないが…、同時進行状態で、この事実を知ると、沙友理さんも真央さんも、かなり深刻になりそうだ…と思った。

私が余計なことを言って、彼女たちを不幸にしてしまうより、出来るだけ自然消滅となって、傷は少なめな展開の方がいいのでは無いか…と。

沙友理さんは、"仲直り"状態なので、とりあえずは、真央さんが破局してくれれば、とりあえずは二股ではなくなる…。



未然 19

2022-03-29 09:50:56 | 日記
嫌な予感が当たってしまった。

真央さんの彼氏って、もしかしたら、優太さんでは…?!…という、モヤモヤという不安が湧いてきていた。

それでも、"私の思い過ごしでありますように…"と思っていた。

これは、沙友理さんに報告するべきか…。

いやいや、彼女の気持ちを考えると、言いにくい…。

しかし、この、悪い事実を、なんとか伝える事ができないか…。


数日後、沙友理さんが訪れた。

私自身、彼女の顔を見ただけで心拍数が上がった。

「今日は、楽しい話を聞いてください」

「楽しい…?」

「優太さんへの誤解が解けたんですよ。」

「…え?!」

「旅行をキャンセルされて、先輩をも疑ってしまって…。私バカでした。不安に思っていたことを、直接本人にハッキリ聞いてみたんです。
そしたら、先輩の無茶振りで、当日やむを得ず、引き受けたらしいんです。
先輩のその件は、もともと内緒だったらしくて、私が直接聞いてしまったことは、戸惑ってしまったらしいんです。」

「…そ、そうなんだ…。」

「これで、心のモヤモヤがスッキリしました。早く聞けば良かったです」

「……。

「…どうしたんですか?…私、何か変なこと言いました?」

「あ、いいえ!…そうですか、それは良かった!」

本当のこと、言えなくなってしまった…💦



未然 18

2022-03-28 14:07:29 | 日記
今の沙友理さんなら、しっかり対処できるだろう…と、思ったが、それにしても、優太さんが、旅行をキャンセルした日に、友達の誕生日のお祝いに行っていたことは、私の口からは伝えることが出来なかった。



数日ぶりに来た真央さんは、元気が無かった。

「どうしたの?」

「私、待てない女なんです。」

「あ、そう言ってましたよね。また、待たされてるの?」

こくん…と、うなづいた。

「相変わらず、待たされてばかりで…。私がわがままなのはわかってますけど…、もっとマメな男性じゃないと、ストレスたまりまくりで…」

私は、ずっと不安に思っていたことがあった。

真央さんのダイビング仲間に優太さんがいること…、これは、そんなに心配する案件ではないのか…それとも…。

「真央さん、彼とのツーショット写真って無いの?見てみたいなぁ…」

言ってはみたものの、ドキドキした。

「あぁ…、私たちって、仲間で行動することが多いので、ツーショットって、改めて撮ったこと無いんですよ」

「あぁ、そうなんだぁ…」

少しほっとした。

「あ~あった!ツーショットでは無いけど、たまたま二人で撮れてる!」

見せてくれた画像は、少し小さめだったが、

……優太さんだ。

遠目で見てもすぐにわかる。

「……」

「どうかしました?」

「あ、いいえ!」

言葉に詰まってしまった。

未然 17

2022-03-27 08:31:24 | 日記
沙友理さんの彼、優太さんの"決定的な嘘"に気付いてしまった。

しかし、その事を沙友理さんに話せない…。

優太さんの嘘を、沙友理さんに教えてあげた方がいいのか…、もしくは、自分で"ソレ"がわかるまで、周りの人間は余計なことをしない方がいいのか…。


沙友理さんに思いきって聞いてみた。

「優太さんの件、落ち着いたの?」

「いいえ…何も落ち着いてないです。むしろ、前よりも不信感が強くなってしまって…。相変わらず、連絡のやりとりは、少なくなってるし、彼は嘘をつく人かも知れない…と思うと、どんどん気持ちが離れていく気がして…」

「嘘って…、旅行のキャンセルの件?」

「はい。彼は『先輩の都合で』やむを得ずキャンセルした…って言ってるけど、私は嘘なんじゃないか…と思ってるんです」

「どうして?」

「先日久しぶりに再び、また旅行に誘ったんです。そこで、『今度は先輩の件は大丈夫かな?』って聞いたら、一瞬きょとんとして、"旅行と先輩と、何の関係があるの?"…みたいな顔をして…。現実に起きていない"作り話"だから、きっと忘れていたんだと思うんです」

沙友理さんは、観察眼もあり、冷静だ。

これだけわかっているなら、優太さんが嘘をついていた件も、しっかり受け止めることが出来て、納得のいく対処が出来るんじゃないか…と思った。