Kちゃん。10

2020-09-30 06:51:24 | 日記
次々と怪我やトラブルに見舞われるKちゃん。

まぁ、それでも、重なるトラブルを『偶然』と思うようにしていたが、
その度にKちゃんは繰り返し林檎の絵を買った日の夢を見る。

夢の中のKちゃんは、林檎の絵を買うが、骨董品店の店員さんがいない。
待てど暮らせど店員が出てこない…。

また、

林檎の絵を買って、嬉しそうに帰ると、車のタイヤがパンクする。

また、

林檎の絵を買って手に取ると、絵が異常に重くて腰を抜かす…など、

何故か、林檎の絵にまつわる夢、買った日の夢を見る。

たしかに、トラブルが起こるのは、
林檎の絵を買ってからだ…。

きっと林檎の絵に何かがあるんじゃないか…と思い始めた時のこと。。。

「かあさん?…どうしたの?……怪我?!」

Kちゃんのお母さんが怪我をした。

あわてて病院に駆けつけると、痛々しく腕に包帯をして弟に付き添われていた。

骨折だった。

「たいしたことないから、大丈夫よ~!」

と、笑う母親だったが、怪我の理由を聞いて鳥肌がたった。


お母さんは、近所の友人から箱ごとのたくさん林檎を貰って帰る途中…、林檎の重みにバランスを崩して、自転車が転倒して、腕を骨折…。

Kちゃんは、林檎の絵を手放す事に決めた。


Kちゃん。9

2020-09-29 07:08:36 | 日記
彼女、エリちゃんと横浜デートで、ある絵と出会ったKちゃん。

それは『林檎』の絵。

結局、Kちゃんは、少し迷って林檎の絵を買った。

昔からKちゃんは林檎は“縁起のいいもの”として、好きなアイテムだったので、部屋に絵を飾りたい…と思っていたのと、安かったから…が購入の理由。

なんと言ってと、林檎が「連れてってくれ~!」と言っていたそうな…。

林檎の絵を買って数日後に役者としての希望の仕事がやってきた。

「これは、林檎のおかげ?!」…と、思った。

その後も、少額だけど、商店街のくじが当たった。

だけと、いいことは2つだけだった…。

それから数日後、自転車から転倒して歯を折った。

ホテル仕事で痛いミスをして、先輩たちに迷惑を掛けた。

Kちゃんと一緒の時に、彼女のエリちゃんが、駅の階段の2、3段を踏み外して捻挫。
巻き込まれたKちゃんも怪我をした。


Kちゃん。8

2020-09-28 07:23:58 | 日記
Kちゃんにまつわる話しをもうひとつ!


怖がりKちゃんにも彼女が出来た。

同じ劇団の子、エリちゃん。

彼女はビビリの慶ちゃんとは違い、好奇心旺盛だ。


お付き合いして間もなく。。。

海が好きなエリちゃんは、Kちゃんの運転で横浜へ行くことに。

中華街で美味しいラーメンを食べて大満足して、海の見える丘公園でたっぷり日向ぼっこ。

陽も暮れて、そろそろ帰ろうとした時、古ぼけた骨董品店を見つけた。


たくさんの興味深い品物が並ぶ中、Kちゃんの目は一枚の絵にくぎ付けになった。


Kちゃん。7

2020-09-27 07:28:29 | 日記
懐中電灯で顔を照らすと
「ぎゃ~‼」
と叫びながら後輩が走り去る。

…結構イケてるかも!メイクもばっちりだし!

後輩の驚き具合が楽しかったのか、怖さを忘れて、楽しみはじめた。

去年の仕返しです。

また、明かりを消して次の後輩を待つ…。

「ギャー‼️」

後輩がしりもちをつき、這うようにして逃げて行く。

結構楽しい!

こうして、何人かを脅かして、いよいよ最後の後輩を向かえる頃。。。

…違和感を感じる。

…近距離で、もう一人の吐息が聞こえる。

当然、ビビリのKちゃんは、吐息のする方向を確認する事なんて出来ない…。

ひたすら後輩が来る方向だけを向きながら、固まっていた。

あきらかに、吐息の主は、視界の右側に居るのが微かに見える。

吐息から判断すると、若者では無さそうだ…。

息を止めてみた。

「ふぅ………ふぅ………」

息をしている…。

あきらかに自分とは違う吐息だ…。


………え?!


その"存在"は、こちらを見てる…💦💦


逃げたい……💦💦

…のだが、体が動かない…💦

金縛りなのかも知れない…、身動きが取れない。

僅かに指は動きそうだ。

…あ、懐中電灯を点けよう。

なんとか指は動いた…。

そして、自分の顔に明かりをあてた…。


偶然、そのタイミングで、最後の後輩がやって来て、悲鳴をあげたので、Kちゃんも金縛りから解け、一緒に悲鳴をあげて、転がるように、その場所を逃げ去った。

後から聞いた話しだと、絶叫して腰を抜かし、這うようにして逃げ去った後輩たちの全員がKちゃんの横の"何者か"見て怯えていた。

その"何者か"は、白髪のおじいさん。

そのおじいさん、首から上しか無かったそうです。

Kちゃんは、その次の年に幽霊役をやるのが嫌で野球部を辞めたそうです。



Kちゃん。6

2020-09-26 07:58:33 | 日記
合宿の恒例イベント、肝試し❗

なんと、今年は、本物の墓地でやると言う💦


幽霊役は、ペア組と、一人ぼっち組で…と分けられるのだが、

つくづくついてないKちゃんは、くじ引きにハズレて、

一人ぼっちで幽霊をやる事に💦

幽霊役は、それぞれにアイディアを出し合い、幽霊に化ける。

シーツを被るオーソドックスなタイプや、
かなり奇抜にメイクをする張り切りタイプなど、
結構滑稽な幽霊が出来るらしい。



慶ちゃんは、おじいちゃんの浴衣を着て、
顔には口紅で“血”を描いて、それを懐中電灯で下から照らす。これもかなりオーソドックスなタイプ。


気が乗らないわりには、自分の変装は“イケテる✨”と思ったらしい。




ーーいよいよスタンバイ。

あらかじめの決まった道順。

その中でも居心地が良さそうな場所を明るいうちに見つけておいたので、そこに潜む事に。

しかし、何と言っても、場所は墓地…。

怖がりの慶ちゃんには、居心地なんていい場所は無い…。

明るいうちに確認した場所は、比較的見通しも悪くなく、茂みなどもなく、良さそうな場所を見つけ出したハズだった…が、夜になると、さっきの『居心地の良さそうな気配』は全く無く、どこを見ても『いっさいよそ者を寄せ付けない』というような真っ暗闇だ。

懐中電灯を頼りに、目的地に潜んだ。

時計を見ると、まだ肝試しスタートには5分くらい時間がある。

一度、懐中電灯を消して気配を消して後輩を待ち、対象の後輩が目の前に来てから懐中電灯を顔下から照らす。

…という手順だが、懐中電灯を消したくない💦ギリギリまで点灯しておこう。

さっきから線香のにおいがする。

まぁ、墓地だから仕方ないか…。

それに混じって、カビ臭いにおいもしてくる。

おじいさんから借りた浴衣のにおいだろう…。
 

開始時間だ…。

明かりを消した。

『はぁ…。早く終わらないかな…』

しばらくすると、少し眠気が襲って来た….。

“いっその事、寝ちゃおうかな…”

…と思った時、一人目の後輩が現れた。