続ストーカー63

2023-07-29 11:51:29 | 日記
「これ、お前だろ?」

「………。」

「もう、やめろ。警察に通報するぞ。」

「………。」

「もう、彼女とは別れたんだろう?」

坂元は静かにうなづいた。

「もう、そっとして置いてやれ」

「………。」

坂元は肩を落としてうなだれた。

そして、小さくつぶやいた。

「画像…撮ってたんだ…」

「うん。彼女が悩んでいたようなんで、オレが勝手に仕込んだんだ」

「…そうか」

「前の彼女の時も、同じだったとか…。噂で聞いたよ」

「え?噂で…?」

続ストーカー62

2023-07-26 08:06:50 | 日記
翌日、原田は、坂元を近くのカフェに呼び出した。

「どうした?急に。何か話し?」

坂元は、なぜ呼び出されたのかを知らない。

しかも、原田が坂元を呼び出したのは、はじめてだった。

「ちょっと、見て欲しいモノがあるんだ」

「…なに?」

原田は、例の画像を見せた。

「………。」

坂元は呼吸を止め、固まってしまった。

「これ、お前だろ?」

「………。」


続ストーカー61

2023-07-21 09:50:40 | 日記
「やっぱり、ここの訪問者は、人でしたか?」

「うん。たぶん背格好からして、坂元だと思う…」

「……そうですか…」

一度は好きになった人。

それが、こんな風にこじれて…、ストーカーのようになってしまうなんて…。

原田は手際よく台所に仕掛けたカメラを外した。

そして、動画を確認した。

「………やっぱり。」

画像を見ると、やはり坂元だった。

「…明日、坂元に会ってみるよ」

「大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫。そして、こんなことやめるように話すよ」

「……ありがとうございます」


続ストーカー60

2023-07-17 08:48:17 | 日記
原田からの『大丈夫?』というスタンプ。

「心配になって、近くまで来てたんだ。」

「ありがとう、助かりました」

「それじゃ、僕は帰るけど、しっかり戸締まりを確認してね」

「あの、たけるも起きています。良かったらいらっしゃいませんか?仕掛けたカメラも確認して欲しいてすし…」

「了解。では、お邪魔します」

夜もふけて、遠くのサイレンも聞こえるくらいの静寂がやってきた。

深夜の訪問が申し訳なさそうに、原田が訪ねて来た。

「通りの向こうの歩道橋の上から、ここのアパートの通路がよく見えるんだ。そこから見てたんだけど…。」

「やっぱり、ここの訪問者は、人でしたか?」


続ストーカー59

2023-07-13 11:42:00 | 日記
ブーッ…。

「今、すぐ近くにいる。着信音出す設定にして」

原田からのLINE。


--音を出す…って、今?!

何かしら考えがあるんだろう…。

着信音が出る設定にした。

「ピンポーン‼️」

深夜だと言うこともあって、思った以上に大きな音がした。

カタン…。トントントン…。

外のストーカーは、この着信音に驚いて、慌てて帰って行った。