候補者5

2020-08-31 07:52:27 | 日記
「親に会ってほしい」

きたっ❗

っと、美枝さんは思った。

厳しい親で、いろいろ吟味されて、嫁失格…と、なった歴代の敬さんの彼女のようにならないように、注意しなければ‼️

田舎の、そして、年配の人が好みそうなファッション。

言葉使いや所作には、厳しく育てられたから自信があった。

あらためて親に感謝だ。


彼への実家への宿泊ツアーは、2泊3日と決まった。

彼の実家は、東北の山間部。

地方都市の駅から、ローカル線に乗り換えて1時間。

さらにバスで1時間。

最寄りのバス停からも歩いて20~30分。

まぁまぁの距離だが、旅行だと思って楽しもう。



ーーその日の夜、子供の泣き声で目が覚めた。

え?子供?…迷子?

違う…。

子供じゃない…赤ちゃんだ…。


時計を見ると、深夜2時だ…。

こんな時間に…。

近所の若いママさんが、夜泣きでなかなか寝てくれない赤ちゃんの寝かしつけのために、外に出てきたのかな?

明日、早いし、寝よう❗

無理に寝ようとしたが、泣き声が気になる。







候補者4

2020-08-30 08:01:24 | 日記
「あのね…、聞きたいことがあるの…。」

意を決して聞いた。

「敬さんは、優しいし、一緒にいると、とても楽しいし、イケメンだし…。どうして今までひとりだったの?」


「楽しいと言ってもらえるとうれしい…けど、イケメンなんかじゃないよ」

頭をかきながら照れ笑いをする。

謙遜の仕方も完璧だ。

「今まで、お付き合いした人は何人かいたけど…。真面目なお付き合いしたい…と、思うから、一年以上交際が続いたら、僕の実家に連れて行くんだけど…。何故か、ダメになるんだ」


…そうか…、もしかしたら、彼の親が面倒臭い事を言うタイプなのかも…。

厳しい親に吟味され、合格点を貰えずに、
破談になったんだろう。…と推測した。

だけと、私は大丈夫!

美枝さんは思った。

そもそも、美枝さんの親も厳しい。

それが嫌で、早めに家を出たワケだが、親がいろいろ厳しいのにも、慣れている。

すべてに満点の敬さん。

実は、暴力的な人ではないか…、

実は、浮気性の人ではないか…?

…と不安になって過ごして来た美枝さんにとって、親が厳しい…くらいのマイナス点はホッとする。


しばらくして、彼は、「親に会って欲しい」と言ってきた。


候補者3

2020-08-29 08:37:10 | 日記
「ごめん、君以外に好きな人が出来た。
…なので、別れてくれ」

「え?どうして急に?!そんなのは納得できない!」

すがり付く美枝さん。

そんな美枝さんを強く突き飛ばす敬さん。

突き飛ばされた勢いで倒れ混み、転倒して怪我を負ってしまう…が、それを気にする事もなく、背を向ける敬さん。

ーーーーー夢‼️

夢だった…。

嫌な夢…。

…というのも、

その後、敬さんとの交際は順調で、とんとん拍子に結婚が決まった。

…優しく、真面目でイケメンな敬さん。

美枝さんが不思議に思ったのは、『何故今までひとりだったのか』

…それが気になると、ソレばかり考えてしまう。

だから、そんな夢をみたんだろう。

美枝さんは、コワイ気持ちもあったけど、思い切って敬さんに聞いてみようと思った。

夢の中と同じように、

浮気(心変わり)をする人。

暴力的な人。

倒れた美枝さんを無視して背を向ける、実は冷たい人…なのか…。

夢は何かの暗示なのか、それとも、自分の心の中の不安がみせた夢なのか…。

こんな事をふつふつと考えていても埒が明かない。


ある日のデートの帰り道、美枝さんは、重い口を開いた。

「あのね…、聞きたいことがあるの…。」



候補者2

2020-08-28 08:30:58 | 日記
独身生活を楽しんでいた美枝さん。

それでも、そろそろ、真面目な出会いをしたいなぁ…と、思いはじめた頃、友人の紹介などで、数人の男性に会ってみたが、
今一つ、"この人だ!"と思えるような出会いは無い。


少しずつ不安になって来た頃、

同じ営業のもう一人の女性から、

「いい人いるから会ってみない?」…と、言われた。

二つ年下の真面目な男性、敬(たかし)さん。

会ってみると、笑顔がかわいい、イケメンで素直なタイプ。

美枝さんは一目で好きになり、お付き合いをすることになりました。

あまり、『運命の出会い』を信じる彼女ではありませんでしたが、敬さんとの出会いは、運命を感じて、彼と出会うために、今までひとりでいたんだ…とまで思ったそうです。


彼と過ごす時間はとても楽しくて、どんな時も美枝さんに気遣ってくれて、つくづく彼との出会せてくれた同僚と神様に感謝したそうな…。

だけど、何故、 こんな素敵な彼が今までひとりだったのか、不思議でした。


候補者

2020-08-27 08:10:00 | 日記
コワイ話しにお付き合い下さい🙇

お客様から聞いた話しです。




美枝さんはバリバリのキャリアウーマン。

ある大手の会社の営業を担っていました。

朝は誰よりも早く出社して、ディスク周りの掃除をして、ブラックコーヒーをいれて飲む。
これから仕事だぞ~と脳に体にGOサインを促す。

至福のひとときです。

ぼちぼち、"いい年齢"なので、上司から見合いを薦められたり…。

断りきれずに写真を見たりもしたが、気乗りがしない。

彼女の友人は結婚をしている人や子供もいる人など、幸せな話しが聞こえて来るが、それと同時に、姑の苦労や夫の浮気などなど、良くない話しも聞こえて来る。

まだまだ、結婚なんていいや❗

そもそも結婚は"縁"だし、結婚したい!と思った時に出会えたら、それが運命かも知れない❗
…と、気軽に考えていた。


会社には、若手も少なくて、社内恋愛も期待できない。

営業には女性は二人。

もう一人の女性は、結婚して子供もいて、幸せそうだ。

美枝さんは、そんな彼女に時々羨ましさを感じるが、ひとりの生活にも満足していた。