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君は誰? 94

2025-08-09 09:42:17 | 日記
二人はまた、廃学校へ向かうことに。

キャンプ場から続く道なき道を下山する。

まだ、日も高く、辺りは明るい。

明るいせいもあって、今まで不気味な雰囲気だった廃学校は、あまり怖さを感じなかった。

二人はまっすぐ例の鏡のある階段に向かった。

「え?」

かつては、荒れていた階段途中の踊場はきれいに掃除され、例の鏡は無かった。

鏡には封印されたかのような扉や鍵まで付いていたのに、取り外されたのか、形跡すら無かった。

「誰か、鏡を外したんだね…」

「うん…。だけどさ、この鏡以外は荒れ放題でそのままなのに、なんで鏡だけ…?」

「…そうだよな…。」



君は誰? 93

2025-08-05 09:02:39 | 日記
「松田の顔が、前と比べて変わってる…」

うん、確かに…。

初めてこのキャンプブログの松田を見つけた時は、とても寂しそうな顔をしていた。

ところが、今は笑顔に見える。

「このブログの主が写真を変えたんじゃない?」

…そうかもしれない。

しかし、なぜか、少し髪が伸びて若返っているように見える。

「もう一度、廃学校に行ってみる?」

「そうだな…」

二人は、再び廃学校へ向かった。

君は誰? 92

2025-08-02 06:33:18 | 日記
結局、キャンプブログの写真に写る松田らしき人物は、彼らも知らない存在だった。

その件を正人に話すと、

「そのキャンプ場、行ってみよう!」

…ということになった。

翌週、すぐに二人は山へ登った。

何の変哲もないキャンプ場で、もちろん通りすがりに偶然写り込むなんてことは出来ない。

「おい、あれ、学校だよな」

山を見下ろすと、廃学校が見えた。

写真を撮った場所を確認するために、もう一度、例の画像を見てみる。

間違いなく、ここだ。

「あれ?松田の顔、前と比べて変わってる」

君は誰? 91

2025-07-29 08:55:38 | 日記
あるキャンプのブログに、松田が写っていた。

直樹は、そのブログの主にメールをして問い合わせをしてみる事に。

「突然ですが、後ろの列の一番右にいる男性について、うかがいたいのですが…。」

「こんにちは。この画像は去年のものです。実は、この後ろの一番右の男性は知りません。私も、連絡をいただいて、はじめて気づきました。キャンプの参加者にも聞いてみたのですが、誰も知らないようです」

「キャンプ仲間と関係の無い人が、どうして、ここにいるのでしょう?」

「わかりません。通りかかっただけ…と、思いたいですが、この場所はかなり山奥です。通りすがりはあり得ないと思います。」

「このキャンプ場を教えて貰えますか?」

直樹は、キャンプ場の場所を聞き出すと、実は例の廃学校の裏側、直接行くには少し遠く、違う駅から回り込まないとたどり着けない場所だった。


君は誰? 90

2025-07-26 08:20:32 | 日記
「おい、これ、松田じゃないか?」

数ヶ月経って、正人が画像を見せてきた、あるキャンプ場のもの。

生い茂る森の中の、5人の若者の中のひとりが、松田によく似ている。

「松田だ。このぎこちない顔、松田特有の表情だよ。」

「…だけど、変じゃないか?」

「え?」

「このブログ、日付は去年だ。…だけど、松田はオレたちが遊んでいた頃の学生時代の顔に見える…。」

「そっか…、それじゃ、最近のじゃなくて、昔のものか…。……ん?だけど、この人が持ってるカバン、去年話題になった最新のモノだ…」

「…どういうことだろう…。よし、このブログの作者にアクセスしてみるよ。」