君は誰?16

2024-10-17 15:02:23 | 日記
「ぎゃ~~!!」

二階への階段を昇る途中の踊場にたどり着いた途端、心臓が止まるかと思うほどに、凍りついた。

…向こうからも懐中電灯を持った男が現れた…と、思ったからだ。

そこには、自分たちの全身が写る鏡が置かれていた。

「鏡だよ!!」

「いきなり叫ぶの止めてくれよ!心臓が止まるよ💦💦」

「なんで、こんなとこに、鏡なんか…💦💦」



君は誰?15

2024-10-14 09:42:02 | 日記
暗闇では、何かしらが動く気がしてしまう。

何かが動いたのは、たぶん気のせいだ。

直樹は、先頭に立って二階への階段を登った。

ギシッ…ギシッ…。

嫌がおうにも踏み込む軋みが響き渡る。

「……ふん🎵…ふん🎵」

「な、なんだよ!」

突然、松田が鼻歌を歌い出した。

「なんか、怖いんだよ。気を紛らわそうと思って💦」

「…かえって怖いんだよ💦」




君は誰?14

2024-10-10 09:38:46 | 日記
「とりあえず、二階に行こう!」

正人は、空気を変えるために、少し大きめな声を出した。

「よし、もう二階行こう!」

再び廊下に出ると、長い廊下に懐中電灯を照らした。

長い廊下の暗闇にすぅっと長く明かりが差し込む。

そんなに長い廊下じゃ無いのかも知れない。

しかし、一筋の明かりが無駄に長く見せている。

「人?

「え?」

「誰かいるような気がした。」

確かに、直樹にも暗闇が動いた…様に見えた。たぶん、気のせいだ。…と、自分に言い聞かせた。


君は誰13

2024-10-07 09:29:29 | 日記
「床、濡れてないか?」

懐中電灯で照らすと、確かに濡れている。

…というより、バケツの水をひっくり返したような水溜まりが出来ている。

「こっちも。」

少し先を歩いていた松田も、床を照らしていた。

床は、水分を吸い込むタイプの素材ではないせいなのか、よく見ると、ところどころに水溜まりが出来ている。

「雨かな?」

「窓はキチンと閉まってるし、そんな事無いんじゃない?」

「最初に入った教室なんて、ほとんど扉が開いてたのに、水はたまってなかったよ」

「そうだな…」

「水…なのか?」

「え?水じゃなかったら何?」

3人とも、しん…としてしまった。



君は誰?12

2024-10-04 09:58:22 | 日記
人体模型も剥製も見えないし、あるかどうかもわからないが、とりあえず理科室に入ることにした。

ギギ…ギギ…。

引戸が渋い音を立てて開く。

机や棚が倒れていて、かなり荒らされている。

「ひどいなぁ…」

「…うん。」

「人体模型とかさぁ…あったとしても、誰か待って帰ったんじゃないか?」

「人体模型なんて、持って帰らないよ💦💦」

「持って帰ってどうすんだよ!」

「添い寝?

ぷっ!

思わず吹き出した。

「添い寝は無いけどさぁ…、ネットで売るとか」

「あぁ…あるかもな」

「なぁ…、床濡れてないか?」

「え?」

確かに…さっきから濡れている気配はしていた。