未然 49

2022-04-30 08:35:28 | 日記
謎のメールの人物から突然送られてきた優太さんが女性と仲良く写る浮気画像。

優太さんがツーショットだったからと言って、必ずしも浮気とは決めつけられないところだが、優太さんは、その画像の中で沙友理さん以外の女性としっかりと手をつないでいた。

「逆光で、顔がハッキリ見えないけど…」

「優太さんなんです。間違いなく。それはわかります。」
 
「……。」

「出来たらこの画像、私と出会う前のモノ…と、思いたかったんですが、この画像の中で優太さんが羽織っているパーカー、私とお揃いで…色ちがいで買ったものなんです。」

「あ…、本当だ…💦」

沙友理さんがその日着ていたパーカーがそうだった。

優太さん、これ、すごく気に入って、しょっちゅう着てたから、私とお揃いで買ったこととか忘れているんでしょうね。

少なくとも、沙友理さんとパーカーを買った後…ということになりますよね。

複数の女性と付き合っているから、誰と買ったか…なんて、忘れてしまっているのかも…💦

「…どうするんですか?」

「…どうしましょう…。」

黙ってしまった。

沙友理さんの方は、謎に順調だったようなのに…。

「実家に挨拶…という話は…?」

そちらは進むのは難しいだろう…と思いながらも、奇想天外な優太さんなら、どういう展開になっても不思議ではないので、敢えて聞いてみた。

「喧嘩になってから、気まずくて…。謝ろうかと思っていたら、この画像を見てしまって…」

…そうだよね…。話を進めるのは難しい状況だよね…💦💦

「いっそのこと、この画像を優太さんに見せてキチンと聞いてみたら?」

「…そうですよね。私もそれしかないと思ってました。」


未然 48

2022-04-29 08:57:19 | 日記
真央さんは、彼と別れることで、気持ち的には納得出来た…と言っていた。

問題は沙友理さんだ。

沙友理さんの方は、割りと深刻に受け止めてしまうタイプのようなので、心配だ。

沙友理さんが来た。

今までになく元気が無い。

「元気ないですね。大丈夫?」

「はい。なんとか…。」

「例の謎のメールの件、進展はあった?」

「それなんですが…。」

沙友理さんは、スマホを開いた。

「これ、見てください。今度は画像を送って来たんです。」

見ると、ツーショットの画像だった。

「画像だけで、なんのコメントも無いんです。前回の人と同じアドレスからでした。」

そのツーショットは、逆光シルエットで、本当に本人なのかわかりにくい。

ただ、少なくとも優太さんのシルエットは、沙友理さんにはわかるんだろうと思えた。

「一緒にいる人は、誰だかわかるの?」

「わかりません」

おそらく、真央さんだろうと思う…。

謎のメールの人物に、よほど、優太さんは恨みをかっているのか、それとも、優太さんの浮気を知っていて、許せない!と思われているのか…。

沙友理さんに事実がバレるのも、時間の問題だと思った。




未然 47

2022-04-28 10:58:50 | 日記
それから、しばらく経った…。

それぞれが、どう過ごしているんだろう…と気にしていました。

もちろん5年間お付き合いしている…という利奈さんは、一度会ったっきりで、別れてしまったのか、まだ続いているのか…状況は全くわからない。




「ちゃんと、別れました」

真央さんが、晴れ晴れとした表情で来た。

「彼、泣いたりしなかった?」

「あのあと、私の方から会いに行ったんです。会社まで。

仕事終わりを待ち伏せして、ちょっとお茶をしました。

そこで、今後いっさい、お付き合いをやめることを、一方的に告げて、お店を出てきました。

そのあと、泣いたかどうかはわかりませんが、私的にはスッキリしました。」

「スッキリして、良かったね☘️

「そのあと、何度か彼からLINEは来ましたが、今度は私が全部無視です」

「彼からのLINEは…、別れたくない…って?」

「はい。『一方的で納得出来ない。LINEを無視してたのは、別れ話をしたくないからだ。もう一度、会って話し合いをしてほしい』…って。」

「会わないの?」

「もう、いいです。会ってもきっと、同じことの繰り返しになるのが見えてるし…。私が男っぽいんですよね」

…真央さんは、スッキリした表情で一気に話をした。

「新しい恋を探さないとね。」

「しばらくはいいかな?なんか、疲れちゃった(笑)」

いつも前向きな真央さんには、きっと素敵な恋が待ってると思えた。

未然 46

2022-04-27 09:02:17 | 日記
真央さんとは「別れたくない」と言い、沙友理さんには、親へ挨拶に行く…と言う…。
どうなってるんだろう…。

優太さんは、双子?

真央さんの方は、沙友理さんの存在を知ったので、別れを考えているというから、今後の深刻なトラブルは防げるかも知れない…、けど、沙友理さんの方は、真央さんの存在を知らない…。

この先のことを考えると心配だ。

そして、謎のメールの存在…、私と真央さん以外にも、優太さんの行動を知っている人がいるのだろうか…。



「別れ話しが、なかなか進まないんです」

真央さんが来て、開口一番につぶやいた。

「避けているんじゃないのかな?…話し合えば別れ話になることがわかっているから。」

「LINEを送っても、すぐに既読はつくけど、返信は来ない…。私は気長に待てるタイプの人間じゃないから!と、再びLINEしたんだけど、その文面さえも放置。もう上手くやっていける気がしません。」

「話し合えない…ということなら、このまま自然消滅…となるしか無いのかも知れないね」

「正直、自然消滅も嫌なんですけど、相手は逃げてばかりいるから、仕方ないです。」

「あの…ところで、フェイスブックで見かけた、彼と一緒に写る女性を知ってるって言ってたけど、メルアドの交換とかしてるの?」

「いいえ、メルアドまでは知らないです。彼女と話しをする勇気は無いです」

「あ、そりゃ、そうよね💦」

画像の主と直接話し合ってみたら?…と、提案されたと勘違いされてしまった。

とにかく、謎のメールの送り主は、真央さんでは無さそうだ。






未然 45

2022-04-26 11:06:04 | 日記
「それから、私が落ち込んでいる理由がもうひとつ…。」

沙友理さんが、不安な表情で、スマホを開いた。



…え?

真央さんか利奈さんのフェイスブックに優太さんとのツーショットが載ってたとか?

「これ、見てください」


沙友理さんが見せてくれたのはメールだった。

『アナタノカレハ、ウワキヲシテイマス』

カタカナの文面。

あなたの彼は浮気をしています…というメールだ。

「送り主は?」

「わからないです。ただ、メルアドをネットで調べてみたら、使い捨てのアドレスみたいです」

…真央さん…?ってことは無いと思う。

彼女は、こんな姑息なことはしない。

「そんなメール、無視したら?」

…としか言えなかった。

「そうですよね。なんの証拠があって、こんな…」

もしかしたら、優太さんが、他の女性と会っているのも知ってる人がいるんだと思う…。