たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

私のアグリライフ (2011.05.24)

2011年05月24日 16時58分59秒 | 私のアグリライフ

五月の連休明けに植えた、トマト・キュウリ・ナスなどの苗が大きく育ちはじめ支柱を立てました。

昨年は大風で支柱が倒れ、せっかく生っていたトマトを腐らせてしまった苦い経験から、今年は近くの竹藪から竹を切って、それを、ホームセンタで買った、仮足場の金物で支柱の四隅を固定しました。

見た目には不細工ですが、これなら多少の大風が吹いても大丈夫だろうと自負しています。

ただし、家内には不評で

「お父さん、こんな大げさなものを作って、人がなんだかと思うなよ!!!」

「なにいっちょうだ、人のことを気にして野菜がつくれーかー」

「これなら、野菜買うより材料代のほうが高いがん」

「いいがな、いいがな、道楽だがな」

とは言ったものの、出来上がったものを眺めながら、口には出せず、内心やりすぎたな~と反省しきり。

 

支柱の出来上がり (まことに不細工な出来上がり、真似をしないでください)

ジャガイモの花が咲き始め土寄せをしました。

トウモロコシのマルチをはぐり、追肥をして土寄せをしました。

シマウリに黄色い可憐な花が咲きはじめました

裏庭に咲く純白の美しいシャクヤク

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からす天狗の恩返し (4)

2011年05月12日 18時06分25秒 | カラス天狗の恩返し

空は相変わらず厚い雪雲に覆われ、なだらかな雪原に変わった南光河原に積もった雪が、にわかに起こる、つむじ風で舞い上がって視界を遮って行く手を阻む。

 

「何のこれしき、負けてたまるか!」

 

勇翔は、つむじ風で舞い上がった雪をものともせず、腰を落とし、首をすくめ、まるでイノシシが突進でもするかのような体勢で、村を目指して一心不乱に突き進んでいった。

 

つむじ風も治まり、我に返った勇翔が立ち止ってまわりを見渡すと、いつしか深いブナの森に分け入っていた。

 

ブナの木々は、大人が、ふたかかえも、みかかえもするほどの巨木で、空を見上げると、太い枝が長い腕を伸ばし、得体のしれない怪物のように勇翔に覆い被さってくる。

 

森の急斜面に積もった雪が“ドドドドドーン” “ドドドドドーン”轟音と共に、真白な雪煙りをたてながら流れ落ちて、森の静寂を打ち破る。

 

その度に、ブナの木は“ザヮザヮザヮ”と大きく揺れ、枝に積もった雪が“ザザザザァー”と勇翔の頭の上から降り注ぐ。

 

勇翔が、ブナの森から一刻も早く抜け出そうと、焦れば、焦るほど、ブナの太く長い腕は、勇翔につかみかかるように、次々に追いすがってくる。

 

これには勇猛果敢な勇翔といえども、さすがに不気味な恐怖感を感じ、懐にしのばせていた鹿笛を堅く握りしめ、寒気と空腹に耐えながら、無我夢中で走り続け、ようやくブナの森を抜け、松林へと逃げ込んだ。

 

すると、雪におおわれた松の木が、雪の重みで弓のようにたわみ、胴中から裂け、黄褐色のささくれた幹をむきだしにして、見るも無残な姿で行く手を阻む。

 

また、幹の付け根から裂け落ちた太い枝に、小山のように雪が降り積もって行く手を遮った。

 

勇翔がこれらの難関をひとつひとつ乗り越え、ようやく大野池に近い雪原に着いた時には、体力を使い果たし、足元はふらつき、気力さえも失いかかっていた。

 

雪雲に覆われていた空からは、烈しい粉雪が、砂嵐のように降りはじめ、煙幕でも張ったように一寸先さえ見えない状態になった。

 

勇翔は、そんな悪天候の中を必死の形相で、一歩、また、一歩、消えかかる意識を奮い立たせながら歩いていると、仁翔の顔が幻のように浮かんで消えた。

 

「おじいちゃん、おじいちゃん、おじいちゃん」

 

勇翔は、まるで夢遊病者のように、吹雪の中を“ふらり、ふらり”さまよい、無意識のなかで仁翔の名前を叫び続けた。

 

突然、竜巻のような突風が勇翔に襲いかかり、勇翔の身体が宙に舞った。

 

「あぁぁぁー、おじいちゃん、おじいちゃん、おじいちゃん~、助けて~~~」

 

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私のアグリライフ 5/9 (春野菜の種蒔き、苗の植え付けが終りました)

2011年05月09日 16時08分13秒 | 私のアグリライフ

4月の後半は、強風や雨で野菜の苗の植え付けができませんでした。

五月に入ってようやく天候も安定し、トマト、キュウリ、ナス、コショウ、スイカ、アジウリ、セロリなど植え付けをしました。

これで畑の野菜は19種類になりましたが、はて、うまく生育してくれるでしょうか?

少し心配です。

 

苗の植えつけ後の風景

一昨年植えたアスパラがようやく食べれるようになりました。

野生ののウドが少し芽を出し始めました。

山からタラの木を採って帰り、畑の隅の挿し木をしてみました。

果たしてうまく生きずいてくれるでしょうか?

庭のボタン、今が満開

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からす天狗の恩返し (3)

2011年05月05日 16時22分24秒 | カラス天狗の恩返し

囲炉裏の火はすっかり消え、寒々とした洞窟の中に薄明かりが差しこんできた。

 

傍らでは、仁翔が戦いを終えた兵士のように、安らかな寝息をたてながら、死んだように眠っている。

 

勇翔は“そっと”寝床から抜け出だすと、洞窟の奥の窪みに祀られた神棚の前に立って、深々と一礼、続づけて音をたてないよう二拍手すると一礼した。

 

そして、仁翔が大切に神棚に供えていた鹿笛を懐に入れると、仁翔の寝息を確認するように覗き込み、洞窟を後にした。

 

外は鉛色の雪雲が低くたれこみ、一面、深い雪おおわれ、今にも吹雪にでもなりそうな空模様であった。

 

勇翔は食料を求めて、雪に押しつぶされた熊笹や、小木に巻きついた蔓のつるに足を取られ、何度も何度も転びながらも、必死で立ち上がり、足で雪を踏みつけ腰で雪をかき分け歩いた。

 

ようやく元谷を抜け、賽の河原を過ぎて、両壁がおおい被さるようにそびえ立つ、金門の祠に祀られたお地蔵さんの処までたどり着いた。

 

さすがの勇翔もここまで下って、疲労困憊、性も根も尽きはて、もう一歩も前に進むことができず、疲れきった体を祠にほうり込んだ。

 

勇翔が祠の岩に凭れ休んでいると、前夜の寝不足と空腹などが重なり、つい“うとうと”とまどろんでしまった。

 

すると、一人の初老のカラス天狗が、澄み切った青空に、赤々と燃えるナナカマド・モミジ・ハゼ、そして、黄金色に輝くブナ・カエデ・シラカバ、の鮮やかなコントラストに彩られた元谷の紅葉を眺めながら、大山寺から南光河原に向かって歩いている。

 

そして、南光河原を過ぎて金門まで来ると、風景は一変し、初冬の灰色の世界へと変わり、カラス天狗が金門を通り過ぎようとすると、お地蔵さまの祠の中から“オギャ~ァ、オギャ~ァ”赤子の泣き叫ぶ声がする。

 

 

初老カラス天狗は、その赤子を軽々と抱き上げると飛ぶように、賽の河原から元谷の奥へと姿を消してしまった。

 

どのくらい時間が経ったことだろう、勇翔が足元にひややかな感触をおぼえ眼を覚ますと、祠の奥の裂け目から、清水が“ちょろちょろ”湧き出し足を濡らしていた。

 

勇翔がその清水を両手で掬って、一くち飲むと“ほ~ぅと”ため息が漏れ、夢から覚めたように正気を取り戻した。

 

すると、突然、大野池で仁翔に「水伝の術」の秘伝を授かるために訪れた、幸せそうな村が脳裏に浮かんだ。

 

「そうだ、あの村に行ってみよう!」

 

疲労困憊していた勇翔が、僅かな希望をみいだし、気力を取り戻すと、今までの疲が一気に吹っ飛んだように、体が軽くなり力が蘇った。

 

行こう、あの村へ、仁翔の命を守り、恩義に報いるために、勇翔は僅かな望みと、固い信念を抱いて祠を飛び出した。

 

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