たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

荒 波

2008年12月26日 16時04分48秒 | 雲雀のさえずり
議員らの 足らざるものを ひととはば 義勇の覚悟に 誠の心






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砂電車の冒険 (14)

2008年12月25日 18時01分56秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 2-3)

「奈美、もう大丈夫よ!」
砂千子さんは奈美ちゃんを抱きしめ、陽朗さんを見つめました。
波はしだいに高くなり、遠くの浜辺で7.8人のサーファーが気持ちよさそうに波乗りを楽しんでいます。
「グーグー」
陽朗さんはみんなの顔を見まわしました。
「パパ、お腹がへったよ~」
海人君が、お腹を押さえています。
「ママ、お弁当にしようよ!」
陽朗さんは砂千子さんを促すと、中腰になり奈美ちゃんに背中を差し出しました。
「ママ、奈美を背負わせて!」
奈美ちゃんの濡れた服のしずくが、陽朗さんの背中に伝わってきます。
「奈美、寒くない?」
陽朗さんは奈美ちゃんをいたわるように“そぉ~”と立ち上がりました。
砂千子さんも渚君の砂をはらい落とし、陽朗さんの後に続きます。
海人君とチロは、電車をつくっていた砂浜まで帰ってきました。
「あ!電車が壊れている」
砂電車は大きな足で踏みつぶされ跡形もありません。海人君は壊れた砂電車に駈け寄ると、砂を集めて直そうとしますがどうすることもできません。
「ゴメンネ~海人、パパが奈美を助けに行くときに踏んづけたみたいだな~」
陽朗さんは“ペコン”と頭を下げ壊れた砂電車をのぞきこみました。
「お兄ちゃんゴメンネ!」
奈美ちゃんは悲しそうに海人君をみつめました。
「波にさらわれなくて本当に良かったね~」
海人君は陽朗さんの背中の奈美ちゃんを見上げると“ニッコリ”笑みをうかべました。
大海さん一家は浜に道具を残し、陽朗さんを先頭にパラソルの高台に歩いて行きます。後を歩く海人君は、みんなに気づかれないよう壊れて砂電車を“そぉ~”と振り返りました。



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漁 火

2008年12月24日 16時52分37秒 | 朝の散歩
初冬の 海にかかりし 朝もやの 息たへだへに 浮かぶ漁火

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砂電車の冒険 (13)

2008年12月23日 17時19分26秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 2-2)

「パパ~、パパ~、奈美を助けて~」
叫びながら走る砂千子さんの後を渚君が追ってきます。
電車の砂をならしていた陽朗さんの耳に、砂千子さんの異様な叫び声がかすかにとどきました。
陽朗さんが海に目をやると、砂千子さんが奈美ちゃんを助けようと、今にも海に飛び込もうとしています。
「ママ、いまいくから渚をつかまえて!」
陽朗さんはスコップを放り投げ、慌てて走り出そうとして“ズズズー”砂に足がめり込む鈍い感触をおぼえました。
「パパ、どうしたの?」
陽朗さんのあまりの慌ように、後を追おうとした海人君はチロをつないだ杭につまずき転んでしまいました。
その拍子にチロのリールが外れ、チロは奈美ちゃんに向かって一目散に走り出して行きました。
“バシャバシャバシャ”海に飛び込んだチロは、奈美ちゃんを助けようと必死で泳いで行きます。
奈美ちゃんは、波間で浮き沈みを繰り返しながら、しだいに沖に流されていきます。
ようやく奈美ちゃんに近づいたチロは、服の襟もとをくわえました。
後を追って駆けつけた陽朗さんも“ザブザブザブ”海に飛び込み”グイ、グイ”水をかき分け、奈美ちゃんに近づいていきます。
「奈美、大丈夫!奈美、奈美、大丈夫?」
陽朗さんは大声で叫びながら、ようやく奈美ちゃんを両腕に抱きあげました。
チロのリールをつかんだ陽朗さんは、大急ぎで砂浜に上がると、奈美ちゃんを膝の上にのせ、背中を“トン、トン”叩きました。
奈美ちゃんは“ボォー”と瞳を開き“キョトン”とした顔で陽朗さんを見つめました。
みんなは心配そうに奈美ちゃんの顔をのぞき込んでいます。
「奈美、沖にさらわれなくてよかったね~」
砂千子さんが優しく声をかけると、奈美ちゃんは急に大粒の涙を浮かべ泣きだしてしました。

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眞子神社

2008年12月18日 17時40分28秒 | 神社仏閣
眞子さんブームの時には多くの参拝者がありましたが
今は参拝される人も少なく”ひっそり”としています。








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木ノ根神社

2008年12月17日 16時11分14秒 | 神社仏閣
子宝、縁結びに御利益がある神社





「木ノ根神社」の由来

男性を象徴した形の老松を御神体とする木ノ根神社は、子宝、縁結びなどに御利益があるとされています。

神社には、こんないいつたえが残されています。
生まれつき身体が弱く、元気のない松助という若者は、結婚すればすぐに嫁さんに逃げられてしまいました。
母親は、何とかならぬものかと八幡様にお参りすると「山の中ほどにある大きな松の根にあやかりなさい」とお告げがありました。
そこで、母親は、その松の根を持ち帰り、朝夕一心にお祈りすると、数日たって松助は見違えるほど立派な男のなり、後に五人の子供にも恵まれ、長者になったといことです。

「崖の上には樹齢いくばくかも知れぬみごとな松が・・・・その三本の松の根そのものの形が、民間信仰からこの木を神木に祀りあげた・・・」文豪ラフカディオ・ハーンは、この神社をこのように紹介しています。
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砂電車の冒険 (12)

2008年12月16日 15時03分24秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 2-1)

砂千子さんがバケツに水を汲み砂浜にふと目をやると、甘栗くらいの甲羅をした石ガニが小さな爪で砂粒を口に運んでいます。
砂千子さんは腰をかがめ両手をボールのように丸めると、“そーと”石ガニに近づき、素早くすくい上げバケツの中に入れました。
「奈美、渚、カニさんがいたわよ!」
砂千子さんは砂浜に置いたバケツの中を指さしました。
「ほら!こんなに小さなカニさん、かわいいでしょう?」
石ガニはバケツの中で“ふわふわ”浮かんでいます。
「かわいい~、奈美、ちょっとさわってみる!」
奈美ちゃんはバケツの中に手を入れ、カニさんをすくい上げました。
「カニさんかわいいでしょう、渚もさわってみる?」
奈美ちゃんが渚君の手のひらにカニさんをのせようとすると
「イヤイヤ、キライ、あっちにやって」
渚君は顔をそむけてしまいました。
「奈美、ちょっとさわらせて!」
砂にまみれ夢中で電車をつくっていた海人君は、ミニシャベルを砂の上におくと石ガニを手のひらにのせ“ジー”と眺めています。
「ママ、こんなに小さなカニさん、かわいそう、海に帰してやろうよ!」
海人君はカニさんを奈美ちゃんの手のひらに返しました。
「そぅ~ね~。かわいそうだから海に帰してあげようね!」
砂千子さんは渚君の手を握ると、奈美ちゃんと波打ち際に向かって行きました。
「カニさん、カニさん、元気でね!」
奈美ちゃんが波打ち際に手を置き“そ~と”両手をひらくとカニさんは“ちょこちょこ”と海に向かって帰って行きました。
その時、大きな波が鎌首をもたげ奈美ちゃんに襲いかかってきました。
「奈美!早く、早く上がって」
砂千子さんは大声で叫びました。
異様の叫び声に驚いた奈美ちゃんは砂千子さんを振り返ろうとして、砂に足を取られ仰向けに転んでしまいました。
「奈美、奈美~」
砂千子さんは叫びますが、大波は奈美ちゃんを包み込むように沖に引きずり込んでいきます。
とっさに渚君の手を振り払い、砂千子さんが海に飛び込もうとすると、渚君も後を追ってきます。
「渚、来てはダメ!」
砂千子さんはとっさに渚君を砂浜に押し倒しました。
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砂電車の冒険 (11)

2008年12月12日 15時53分54秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 1-11)

「お~い、遊び道具を持ってきたよ!」
陽朗さんは両手にスコップ、バケツ、クマデなどを抱えて帰ってくると、砂浜に金杭を打ち込みました。
ママ、チロをこの杭につないで!」
砂千子さんはチロのリールを金杭にむすびました。
「海人、電車づくりを始めようか?」
陽朗さんはスコップを握ると、渚君の背丈くらいの細長い砂山をつくりました。
「パパ、奈美も手伝う!」
海人君と奈美ちゃんは陽朗さんがつくった砂山を少しずつ削り、電車の形に整えていきますが、さらさらに乾いた砂はすぐに崩れてしまいます。
「パパ、どうして崩れるの?」
奈美ちゃんは陽朗さんの顔を見上げました。
「パパ、スコップ貸して!」
海人君は崩れた砂を集め何度もつくり直しますが、すぐに崩れ電車の形にはなりません。この様子を陽朗さんは腕組みしながら“じーと”ながめています。
「海人、電車つくるのを待って!」
陽朗さんは砂浜に置いていたバケツを持つと、波打ち際に向い海水を汲んできました。
「海人、砂山をつくり直すからどいて!」
海人君からスコップを受け取った陽朗さんは、前より少し大きな砂山をつくりました。
「海人、奈美、砂に水をかけるよ!」
乾いた砂山にかけた海水は、鯨が大きな口をあけて水を飲みこむように“あ!”という間に砂に呑み込まれていきました。
砂浜には陽朗さんの大きな足跡が無数に残り、白かった砂山はしだいに薄茶色へと変わっていきます。
「海人、砂がだいぶ硬くなってきたぞ!」
陽朗さんはスコップで砂を“ドンドン”たたきながら固めました。
「海人、奈美、もう大丈夫、電車を作ってごらん」
二人は薄茶色に固まった砂山を、少しずつ削り落し電車の形に整えていきます。
「ママ、砂が乾くから海水を汲んできて!」
心配そうにながめていた砂千子さんは“ニッコリ”笑みを浮かべ
「パパ、渚、お願い!」
スラックスを膝までまくり上げ素足になった砂千子さんは、バケツを持つと波打ち際に向かって走りだしていきました。

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不動明王

2008年12月08日 18時36分15秒 | 雲雀のさえずり
チンピラを かつぎし神輿 責を負ひ 肩はズキズキ 足はガクガク

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砂電車の冒険 (10)

2008年12月08日 17時51分44秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 1-10)

波打ち際に着いた海人君は、潮の香りを胸いっぱい吸いこみ大きな深呼吸をすると、後ろを振りかえり叫びました。
「パパ、渚、奈美、はやく、はやく!」
「お~い、海人~波が高いから、まだ海に入ってはだめだぞ~」
陽朗さんは渚君を両手で抱え大急ぎで走ってきました。
「海人、ママが来るまで海に入るのは待ちなさい!」
“ハァ、ハァ”息をはずませながらようやく砂千子さん着きました。
「みんな早いのね~」
砂千子さんは陽朗さんの肩に両手を置くと、倒れこむようにうつむいてしまいました。
「僕、チロを海で泳がせてみる!」
海人君はチロを波打ち際に連れて行き、海に入れようとしますが前足でふんばり梃でも動こうとしません。
「チロは海が苦手のようだな~」
海人君があきらめてリールをはなすと、チロは砂千子さんの方へ駈け出して行きました。
「ママ、チロを捕まえて!」
砂千子さんがチロのリールを掴むのを見とどけた海人君は、浜辺を水しぶきを上げながら走りだしました。
「あ!こんなところに砂時計が打ち上げられている」
海人君は手の平くらいの小さな砂時計を拾い上げました。
奈美ちゃんは打ち寄せる波の動きに合わせ、行ったり来たり走り回っています。
「奈美、さむくない、大丈夫?」
砂千子さんが心配そうに声をかけています。
陽朗さんはズボンを膝までまくりあげ、渚君の足を海につけて“チャプ、チャプ”遊ばせています。
「ママ、砂時計が砂浜に打ち上げられていたよ!」
海人君は膝までまくりあげたズボンを砂まみれにしながら、砂時計を大切そうに握りしめ帰ってきました。
「パパ~。砂遊びしようよ~」
陽朗さんは渚君を抱えながら砂浜に上がってきます。
「海人、何がつくりたいの?」
「僕、砂の電車がつくりたい!」
海人君は家で作っている、新幹線のペーパークラフトを思い浮かべています。
「難しそうだな~」
陽朗さんは少し困ったように砂千子さんの顔を見ました。
「ママ、砂遊びの道具を持ってくるから子供たちをお願い!」
陽朗さんは渚君を砂千子さんのそばにおくと、パラソルの高台へと駆け出して行きました。
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