たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

舟 虫 (1)

2009年07月20日 13時56分55秒 | 雲雀のさえずり
雲の間からコバルトグリーンの青空が微かにのぞき、東の空から光の束が、眩しく海に降り注いでいる。
いつもの散歩コースを、海岸沿いまで来ると、見慣れない初老のご婦人と出会った。
「奥さん、護岸の上を走りまわちょう、ゴキブリみたいな虫、なんちゅう虫かな?」
突然の僕の問いに対し、60歳前後と思われる、細身で小柄なご婦人は、“何に!”と云うような、けげんな顔をして、歩みを止めた。
一瞬戸惑ったような表情を浮かべたが
「舟虫だぁーないでしょうか?」
「舟虫ですか」
「そうだと思いますよ」
「護岸や、岩のまわ~を、いっぱいはし~まわちょうだあもん、虫のなまえ知らだったもんで、ありがとうございました」
僕が、海岸側に高さ1.2m位の護岸、反対側は深さ0.4m位の側溝のある、コンクリート舗装の道にさしかかると、前方に、1~4㎝くらいの舟虫が数百匹、ゴマ粒のようにたむろしている。
3・4mに近づくと、舟虫は一斉に左右に散り、護岸に登ったり、側溝の水の中に飛び込んだり、中には方向を見失い右往左往、僕に踏みつぶされそうになるものもいる。
舟虫たちの中に、ボスはいるのだろうか?
実に行動が面白い。
僕が舟虫に興味を抱くようになったのはここ数日のこと。
そこのけそこのけ、人間さまが通る。
これからは舟虫を友に、楽しい散歩になりそうだ!。
これまで無意識のうちに、何十匹の舟虫を踏み潰していたことだろう。
“ゴメン、ゴメンネ、舟虫君”

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イタチと黒ネコ

2009年07月03日 11時53分42秒 | 雲雀のさえずり
梅雨の真っただ中、雲が低くたれこみ今にも雨が降りだしそうな日の出前。
いつものように海岸沿いの散歩に出かけた。
右手に護岸、左手に、トタンの屋根が錆び、今にも崩れそうな小屋を通り過ぎようとした時。
“あっ”目の前を茶色な小動物が横切った。
“イタチ!”?
その瞬間“サァ”と“黒ネコ”が飛び出し、後を追った。
“イタチ”は、四・五回身体を左右にかわし、必死で逃げようとする。
“黒ネコ”は、ヒョウのような俊敏さで“イタチ”を追い、一瞬のうちに捕え、口にくわえた。(この間わずか、2・3秒のこと)
この様子を唖然として眺めていた、僕と“黒ネコ”の目が“バッチ”とぶつかり合った。
“黒ネコ”が睨みつける、凍りつくような、鋭い眼。
“ゾクゾク”と鳥肌が立ち、血の気が“スッー”と引く。
僕と“黒ネコ”は、“グッ”と睨み合う。
睨み合いは、しばらく続いた。
“黒ネコ”は勝ち誇ったように目線を逸らし、身をひるがえすと、
30㎝近くもある“大イタチ”を口にくわえ、悠然と小屋の奥のへと去っていった。
心臓は“ドキドキ”動悸を打ち、僕は、その場に呆然と立ちすくんだ。

平成21年7月3日(金)午前5時27分の出来事である。
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