ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

ウサギの国の危機(5)

2008-11-28 | 王子と靴磨き少年/ ウサギの国の危機
他のウサギたちは、トラ猫に連れられて、ライオンのところに行きました。

トラ猫  「ライオンさん。新しい古い仲間を連れてきました」

ライオンは、ウサギたちにゆっくりと目を注ぎました。ウサギたちは、体がしびれたように、怖くなりました。

トラ猫は、ウサギたちに言いました。
「さあ、今です。勇気を出して」

ウサギたちは、トラ猫から教えられた様に、ライオンに言いました。
「ライオンさん。自分勝手に王国を出て行ってごめんなさい。ボクたちをまた、仲間にしてください」


ライオンは、それを聞くと、ウサギたちに静かに話しかけました。

ライオン  「あなたたちは、動物王国の仲間として、戻ってきたいのですね」

ウサギたち 「はい、そうです。ボクたちは動物王国の仲間として、ここに住みたいんです」

ライオン  「動物王国には、王様がいることを知っていますか」

ウサギたち 「はい、知っています。ライオンさん、あなたが王様です」

ライオン  「動物王国に戻ってきて住むということは、わたしをあなたがたの王様として、生活するということですよ」

ウサギたち 「はい、よくわかっています。私たちは、あなたのような力強く賢い方が、私たちの王様であることをとてもうれしく思います」

そのウサギたちは、ふたたび、動物王国に住むことが許されました。


動物王国では、王様のライオンが、いつもみんなを守ってくれました。それで、みんな仲良く、平和に暮らすことができました。狼たちが襲ってくる心配もありませんでした。ウサギたちは、もう二度と、そこを出たいとは思いませんでした。

(週末は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります。)