ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

木こりの娘(1)

2008-11-11 | 花さかじいさんII/ 木こりの娘
むかしむかし、ある森に、木こりの一家が住んでいました。木こりは、朝日が登ると斧を担いで森に木を切りに出かけます。そして、木を切り倒すと、今度は枝を落とします。それから木こりは、枝を落とした幹を引きずって材木場まで持って行くのです。それは大変な仕事でした。木こりは、毎日一生懸命働きましたが、その日食べるのに足りるか足らないかくらいのお金しかありませんでした。

木こりの家には、一人、娘がいました。それは美しい娘でした。娘は、家の仕事をよく手伝って、お母さんを助けました。

ある日のこと、娘は、いつものように、森に木の実を拾いに出かけました。食べられる木の実を拾っては、背中にしょっているかごの中に入れます。娘は、熱心に木の実を拾いましたので、背中のかごはだんだん重くなりました。

木の実のたくさん入ったかごを背中にしょいながら、森の中を歩き、しゃがんでは木の実を拾って、また歩くのは疲れるものです。娘は、藪の中に入り、適当な切り株を見つけて、そこに腰掛けて、一休みすることにしました。

この切り株も、おとうさんが切り倒した木なんだ、などとあれこれ考えていると、目の前に、ふわっと何かが落ちてきました。

(つづく)


あけましておめでとう。
今年もヨロシク。
ヨナ