ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

親切なお医者さん(7)ウンチク後編

2008-10-18 | 親切なお医者さん/ 5つの指摘
つい先日、健康診断の結果、乳癌が発見された知人がいました。それを聞いて、みんな、とてもビックリしました。その人は、いつも朗らかで活動的、まさに健康そのものに見えたからです。もちろん、本人も健康だと思っていました。けれども、彼女の体の中で乳癌が進行していたのです。

体の健康がそうであるように、心の状態も、自分では案外わからないものです。

  ~新しいことを始めるのに恐れを感じる
  ~とにかく人の言葉が、心に引っかかって、不安になる
  ~本当は優しく接したいのに、ケンケンした態度になってしまう
 ~いつも人と比較してばかりいる
 ~何にもやる気が起こらない、何をしても楽しくない 
  ・・・

私たちは、その心の状態を作り出している原因がわかりません。あるいは、自分がそのような心の状態にあることに気づかないでいることもあります。イエス様は、そんなあなたの心を奥深くまで、みことばの光(聖書のことば)で照らして、問題点、その原因を明らかにしてくださいます。

それは、あなたを怒らせるためでも、気分悪くムッとさせるためでも、落ち込ませるためでも、後悔させるためでもありません。あなたが心の健康を取り戻すためです。


健康診断で癌が発見されたら、あなたはどうしますか?自分で治そうとするでしょうか。そんなバカなことはしないですよ。もちろん、お医者さんの治療を受けますね。手術が必要なら、まさに「まな板のコイ」状態、すっかり自分を医者の手に任せるわけです。

イエス様は、あなたが気づかないで持っている心の問題、生活の問題、人生の問題を、みことばの光で指し示します。あなたがその問題解決のために、自分で何とかしようとがんばっても、どうすることもできません。せいぜいできて「臭いものに蓋」くらいです。でも、あなたが丸ごとあなた自身をイエス様にすっかり任せるなら、イエス様は、あなたのいのちを回復してくださいます。


イエスはまた彼らに語って言われた、
「わたしは、世の光です。
わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、
いのちの光を持つのです。」
(ヨハネの福音書 8章12節)


次回からは、新しいストーリーです。アクセスしてくださいね。

親切なお医者さん(6)ウンチク前編

2008-10-16 | 親切なお医者さん/ 5つの指摘
今回のストーリ-は、医療関係者の皆さんから、大ブーイングを受けそうな展開になってしまいましたが、創作ストーリーということでご勘弁をいただきたいと思います。(2週続けて、言い訳から始まってますね・・)

今回のポイントは、(医療ミスとか誤診ではありませんよ)、親切や優しさをどのように受け取るか、です。

次郎医院の次郎先生は、その人が気づかないでいる、その人の内側にある問題には触れないで、気分よくさせておくことが、親切や優しさだと考えました。それで、たしかに患者さんは気分よくいるのですが、このまま行くと手遅れになってしまうでしょうね。

本当の親切や優しさは、ときには、相手がムッとしたり、ショックを受けるような内容でも、隠さないで告げることをします。(「ときには」と付けましたように、いつでも・どこでも・なんでも口にすると、とんでもないことになってしまいますからね)

太郎医院の太郎先生は、医者として、患者さんに伝えるべきことを、できるだけショックを与えない配慮をもって、伝えました。ところが、患者さんは、「オレを病人扱いするな~!」と怒り出してしまったわけです。結果、その患者さんは、その後適切な処置を受けられません。病気は悪くなるばかりです。自覚症状が出た頃には、もう手遅れ、でしょう。

皆さんは、病院の先生にはこんな失礼なことはしないですよね。かえって、「早期発見してくださって、ありがとうございます」って、言うと思います。

ところが、相手が神様となると、とたんに態度が変わります。ちょっと心に潜む問題点を指摘されたりすると、「オレを悪人扱いするな~!」と怒り出したり、「言われるほど、悪くない」とまともに取り合わなかったりするわけです。その結果、その心に潜む問題点は、どんどん大きくなって、やがては人生を完全に崩してしまうにまで至ります。

(次回は、解決の糸口をウンチクります。)


親切なお医者さん(5)

2008-10-13 | 親切なお医者さん/ 5つの指摘
それからだいぶたった、ある日のことです。次郎医院の次郎先生のところに、患者さんがやってきました。

最初、その患者さんを見たとき、次郎先生は、その人のことを思い出すことができませんでした。

この患者さんは、かつて次郎医院で健康診断を受けていることが記録に残っています。次郎先生は、その健康診断の結果に目を通したとき、その人が誰だか思い出しました。

次郎先生 「健康診断の後、お目にかかっていませんね。その後、いかがですか?」

患者さん 「ええ、健康診断のときには、お世話になりました。あれから仕事を少し減らすようにしたので、体調がよかったんです」

次郎先生 「そうでしたか。ビタミン剤は、合いませんでしたか」

患者さん 「それが、初めは飲んでいたんですが、しばらく体調がよかったので、すっかり飲まなくなってしまって、それで、再診にも来なかったんです。ところが、このところ、前にも増して、ひどく体調が優れないんです。やっぱり、どこか悪いんじゃないでしょうか」

次郎先生は、あぁやっぱり、と思いましたが、そんなことは顔に出さず、言いました。

次郎先生 「そうですか。それはお困りですね。じゃ、また健康診断をしましょう」

それから、次郎先生は、その患者さんから、もっと詳しく話を聞いて、最適の健康診断のプログラムを作りました。次郎先生は、前の結果から、問題のありそうなところはだいたいめぼしがついていましたので、その辺りは詳しい検査を入れました。

次郎先生 「じゃあ、一週間後に、結果が出ていますので。そのときに、診断結果を見ながら、健康状態についてお話しましょう。では、お大事に」


一週間後です。

次郎先生 「健康診断の結果、出てますよ。これが、その数値表です」

次郎先生は、いっぱい数字の書いてある紙を見せました。それは専門家が見れば、一目瞭然で、とても普通の状態ではないことがわかるものでした。

でも次郎先生は思いました。俺は患者さんを怒らせるような、不親切な医者じゃないって。

それで、こう言いいました。

次郎先生 「これらの数値は、平均値から見ると、かなり異常なんですよ。ただ、個人差がありますので、これだけで、なんとかの病気だとか、そういう断定はできません。体調が悪いのは、過労が原因じゃないかと思うんですが・・・・」

(週末は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります。)


親切なお医者さん(4)

2008-10-08 | 親切なお医者さん/ 5つの指摘
一週間後です。

次郎先生 「健康診断の結果、出てますよ。これが、その数値表です」

次郎先生は、いっぱい数字の書いてある紙を見せました。

次郎先生 「おおむね、平均の範囲なので、体調が悪いのは、過労が原因じゃないかと思うんですが」

次郎先生、そこまで言って、言葉を止めました。

患者さんは、次郎先生の言葉が止まったので、ちょっと緊張した顔になりました。


次郎先生は、本当は、その後、こう言うつもりだったのです。

「実は、ちょっと気になっている箇所がいくつかありましてね」

いつもならそう言いながら、数値表のいくつかの数字に丸をつけて、いくつか、精密検査をする必要があることを説明するところでした。


ところが、それを言おうとしたときに、ついこないだ、太郎先生から聞いた、困った話を思い出したのです。


次郎先生は思いました。俺は患者さんを怒らせるような、不親切な医者じゃないって。

それで、とっさに考えて、こう言いいました。

次郎先生 「体調が悪いと言っておられたので、ビタミン剤、出しときますね。これ飲まれて調子がよかったら、体質に合うということなので、ぜひ続けてください。合わないようでしたら、他の種類のものもありますから。しばらく様子を見ましょう。じゃあまた、2週間後に」

その患者さんは、自分の健康に異常がないと思って、喜んで帰りました。

次郎先生 「まあ、これで、定期的にあの患者さんと会えるわけだし。体調に以上が出たら、すぐわかるだろう。俺は親切な医者だな」

(つづく)

親切なお医者さん(2)

2008-10-07 | 親切なお医者さん/ 5つの指摘
親切なお医者さん(2)

太郎先生には、次郎先生という友だちがいます。次郎先生は次郎医院でお医者さんをしています。太郎先生は、次郎先生と会ったときに、その患者さんの話をしました。

太郎先生 「実はね、こないだ、困ったことがあったんだ」

次郎先生 「なんだい、その困ったことって」

太郎先生 「それが、ある初めての患者さんが体調が悪いって言うんで、健康診断したんだよ」

次郎先生 「で、他の人の診断結果を見せた。バカだな、おまえ」

太郎先生 「それはおまえだろ。本人の結果と平均値を見せて、いくつか異常値があることを指摘したんだ」

次郎先生 「だけど、それだけじゃ、病気を断定できないだろう。おまえの失敗だな」

太郎先生 「わかってるよ。それで、いくつかの精密検査を勧めたんだ」

次郎先生 「ちゃんとやってるな。じゃあ、何も困ってないじゃないか」

太郎先生 「話は最後まで聞けよ。そしたら、その患者さん、いきなりすごい勢いで怒り出したんだよ。

『なんだと。ひとを病人みたいに言いやがって。オレは最近調子がいいんだ。俺の体はオレが一番よく知っている。そうやって、人を心配させて、精密検査をふっかけて、高い金を踏んだくろうっていうんだろ。おまえみたいな、金儲け主義のヤブ医者の言うことなんか聞くものか。オレは、どこも悪いところなんかないんだ。オレが病気なわけないだろう』ってね。

もし俺の見立てが当たっていたら、あの患者さん、時間の問題で人工透析のお世話だな」


太郎先生と次郎先生には、その後も、楽しく話を続けました。

(つづく)