ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

ウサギの国の危機(4)

2008-11-27 | 王子と靴磨き少年/ ウサギの国の危機
トラ猫と一緒に進んだウサギたちは、無事、動物王国に着きました。

トラ猫  「さあ、ライオンに挨拶に行きましょう。ライオンの許しなしに動物王国に住むことはできません」

ウサギたち「でも、きっと、ライオンは怒っているに違いない」

トラ猫  「ええ、とても怒っていますよ。でも大丈夫。私がいっしょに行ってあげますから。そして、私が教えるようにすれば、赦してもらえます」


それでも、何人かは、トラ猫を信じないで、自分でライオンに会いに行きました。

あるウサギは、ニンジンを持って行きました。
「これは一番美味しいニンジンです。これをあげますから、守ってください」

ライオンは大きな声で一声吠えました。そのウサギは、怖くなって飛び出していきました。


あるウサギは、ライオンにダンスをして見せました。
「これで、機嫌を直してもらえましたか。なんなら、もっと踊って見せますから、守ってください」

ライオンは大きな声で一声吠えました。そのウサギは、怖くなって飛び出していきました。


あるウサギは、ライオンにこう言いました。
「ボクは、とても速く走ることができます。だから、きっと役に立ちますよ。ボクを仲間にしてください」

ライオンは大きな声で一声吠えました。そのウサギは、怖くなって飛び出していきました。

(つづく)