ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

危険がいっぱい!?(7)ウンチク後編

2008-06-01 | 危険がいっぱい!?/ 開けてビックリ
ワルオの失敗パターン、聖書にちゃんと出てきます。

幸いなことよ。
悪者のはかりごとに歩まず、
罪人の道に立たず、
あざける者の座に着かなかった、その人。
(詩篇 1:1)

まず「近寄って行き」、そして「立ち止まり」、ついに、そこに「座り込む」。ほら。まったくワルオの失敗パターンでしょ。

つまり、失敗の原因は、最初の一歩、危険!っていう方向に、歩き出すところにあるのです。


で、解決策は、というと、

悪者のはかりごとに歩まず、
罪人の道に立たず、
あざける者の座に着かなかった、その人。

この人は、どうしていたか、これが解決ですね。続きを見ると、


まことに、その人は主のおしえを喜びとし、
昼も夜もそのおしえを口ずさむ。
(詩篇 1:2)

解決策は、主のおしえ、真理のことば、聖書、これを口ずさむ。これです。

危険!なものが目に入ってくることは、どうしようもありません。問題は、そっちに近づかないようにすることです。そのために、ガイドラインとなるものを、しっかり自分に意識させることで、ついフラフラ、からだが自然に動いて、気がついたら、もうそこにいた、ということを防ぎ、進むべき方向に戻るわけです。


その人は、
水路のそばに植わった木のようだ。
時が来ると実がなり、その葉は枯れない。
その人は、何をしても栄える。
(詩篇 1:3)


次回からは、新しいストーリーです。アクセスしてくださいね。

危険がいっぱい!?(6)ウンチク前編

2008-05-31 | 危険がいっぱい!?/ 開けてビックリ
明日から6月。そろそろ、夏休みどうするモード、という感じなのではないでしょうか。みんなは、どんな計画を立てているのでしょう?

今週は、ワルオが動物テーマパークに行くストーリーでした。読みながら、「こんなテーマパーク、あったら行きたい!!」という人もあったのでは、と勝手に思い込んでいます。

ワルオの行動を見ながら、「アホなヤツ」と笑いながらも、けっこう、実は、ワルオと同じパターンで失敗しているというのが、私たちの現実ではないかと思うのです。つまり、「危険!」って言われると、なぜかからだが、自然にそっちに引き寄せられてしまう・・気がついた時には、もう泥沼(ワニ沼?)。ほら、経験ありますよね。

「からだに悪いものは、みんな美味しい。」と真剣に嘆いていたダイエット中の人に、イギリスで会ったことを思い出します。食べ物に限らず、なぜか、私たちに「害」を与えるものは、引き付けて、離さない魅力があるんですね。そう言えば、毒のあるキノコは見た目がキレイ、と聞いたこともあります。

まさに、私たちの周りは、危険がいっぱい!というところです。イルカに水をかけられるくらいで済めば笑っていられますが、サルに頭めがけて椰子の実ぶつけられて気絶したり、獰猛なワニの餌になってからでは、もう遅いのです。

(次回は、解決の糸口をウンチクります。)

危険がいっぱい!?(5)

2008-05-30 | 危険がいっぱい!?/ 開けてビックリ
ワルオは、元気を取り戻して、ドロンコ沼パークに行きました。岸辺は、草が生い茂り、どこからが岸で、どこからが沼なのかわかりません。沼にも、マングローブとか、いろんな木が生えています。その間に桟橋がついていて、そこを歩いて、沼地に住む動物を見ることができるのです。

沼には、ひょうきんなムツゴロウやハゼ、のんびりしているようで案外敏捷なカメ、スッと現れてはパッと消えるヘビがいました。

なかでも一番の人気は、ワニでした。ワニのいるコーナーの桟橋の上から、長い竿の先に肉の塊をつけて、沼のほうに伸ばすと、ワニがそれを食べるのです。ワニたちは、どれだけ肉をやっても、いつもおなかをすかせていて、ひとつの肉めがけて、たくさんのワニが襲い掛かり、肉を奪い合うのは、それはそれはものすごい迫力でした。

桟橋の上には、看板がありました。

危険!
手でワニに餌をやらない。


ワルオは、ちょっと興味を持ちました。

「危険!って、どんなふうに?・・」


ちょうど手に持ってぶらさげるのによさそうな大きさの肉の塊が目に入りました。

「・・・。」

ワルオは、しばらく考えましたが、




それを手に取り、



沼のほうに歩き、



桟橋の縁にしゃがみこみ、



肉の塊を握った手を、

できるだけ遠くに伸ばしました。


ワニたちは、いっせいにその肉めがけて襲い掛かり、





ワルオのこともいっしょに、奪い合いながら食べてしまいました。ワニたちがあまりに獰猛に引きちぎりながら食べたものですから、ワニたちが食べているのがワルオだと気が付いた人は、だれもいませんでした。

(週末は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります。)

危険がいっぱい!?(4)

2008-05-29 | 危険がいっぱい!?/ 開けてビックリ
ワルオが、次に入って行ったのは、アジアン密林パークでした。密林ですから、ジャングルとはちょっと違います。いろんな木があたり一面立ち並び、陽がさえぎられていて、ちょっとヒンヤリです。でも、寂しさはなく、どこかオチャメです。そのへんが、アジアン・テイストと言えば、言えなくもありません。

木の上には、いろんな種類のサルがいます。そのいろんな種類のサルたちは、いろんなことをして遊んでします。おいかけっこ、逆立ち、鉄棒、ブランコ・・・。サルたちにかかれば、なんだって遊び道具になってしまうのです。

ワルオは、木の上のサルたちを眺めながら、しばらく歩いたので、首が痛くなりました。視線を真っ直ぐに戻したところ、看板が目に入りました。

危険!
椰子の木に近づかない。


「ンッ、まさか・・、ハチの巣があるとか・・」

ワルオは、ちょっとトラウマ入ってました。

ハチに用心しながら、ワルオは、椰子の木の下に近づいて行きました。


「ハチの巣はなさそうやし・・危険!って、なにが?」

ワルオは、しばらく、椰子の木の下に立っていましたが、これといって、別に何もありません。


ワルオは、回れ右をして、そこから立ち去ろうとしたところまでは、記憶があるのですが、その後、どうなったか、まったく覚えていません。気がついたら、救護室のベッドでした。

看護婦さんの話によると、サルがワルオ目掛けて落とした大きな椰子の実が、ワルオの頭を直撃したらしいのです。

(つづく)

危険がいっぱい!?(3)

2008-05-28 | 危険がいっぱい!?/ 開けてビックリ
ワルオは、今度は、フレッシュ花畑パークに入りました。人工のテーマパークですから、ありとあらゆる花が咲き乱れています。といっても、めちゃくちゃに並んでいるわけではなく、きれいにガーデニングされていて、歩き進むだけで、自然にいろいろな雰囲気を楽しむことができます。

そこには、きれいな蝶がたくさん飛び回っていました。珍しい形をしたのや、鮮やかな色をしたの、大きいのから小さいのまで、ありとあらゆる蝶がいる感じです。

しかも、花の香りが漂っているため、ワルオは、すっかり、ウットリしてしまいました。


しばらくウロウロして、ベンチに腰掛けたところ、看板があるのに、気がつきました。

危険!
レンゲ畑に入らない。


「他のところは、どこでも入って行けたのに。なんで、あかんねやろ。まさか、落とし穴があるとか。そやったら、看板なんか、立てへんわな・・」

ワルオは、ふらふらっと、レンゲ畑に入って行きました。何の変哲もない、ただの、ありきたりの、その辺にあるような、ごく普通のレンゲ畑です。

「・・・ん。単なるレンゲ畑?・・危険?・・」

どんどん進んで行って、レンゲ畑のちょうど真ん中あたりまで来たところで、ワルオはしゃがみこみました。そして、視線をレンゲに合わせて、遠くを見ました。レンゲの王子様になった気分です。

なんか、ちょっと、耳鳴りがしたような、そんな感じがしたと思ったら、


あっという間に、ワルオは、ミツバチに囲まれ、身体中、刺されてしまいました。

(つづく)