ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

デュアン王子とレイラ(7)ウンチク後編

2008-09-01 | デュアン王子とレイラ/ それぞれの休日
聖書を見ると、神様は、まさにいのちがけで、自らのことを犠牲にして、あなたのために全てを投げ出すようにして、あなたのことを愛していることがわかります。

ちょうどデュアン王子がスパイのレイラを愛したように、
「まだ弱かったとき」から、「まだ罪人であったとき」すでに、そして「敵であった」あなたのことを神様は愛してくださっているのです。

デュアン王子がスパイのレイラの身代わりとして牢に入ったように、
あなたを愛している神様は、あなたの負うべき罪の代価を、あなたに代わって負うために、十字架にかかりました。

そして、デュアン王子がレイラと正式に結婚し、公的に愛し合う関係となったように、
神様は、あなたと正式に仲直りして、とがめ無く、後ろめたさ無く、隠し立てすること無く、心から受け入れあい、愛し合う関係を持ちたいと心から願っています。


もし、レイラがデュアン王子の言っていること、やっていることを本気にしなかったら、信じなかったらどうだったでしょうか。デュアン王子が、彼女の代わりに牢に入っているにもかかわらず、レイラは、自分が裁かれることを恐れて生き続けたでしょう。もちろん、デュアン王子を愛するなんてことはしません。デュアン王子がそれほどまでに愛しているにもかかわらず、レイラは、あいかわらず敵として生きているのです。

悲しいことだと思いませんか。


イエス・キリストが、あなたを愛して、あなたのために十字架にかかった事実は、いつまでも変わりません。あとは、あなたが、その愛に、どう応えるかです。


ですから、信仰によって義と認められた私たちは、
私たちの主イエス・キリストによって、
神との平和を持っています。
(ローマ人への手紙 5章1節)

次回からは、新しいストーリーです。アクセスしてくださいね。

デュアン王子とレイラ(6)ウンチク前編

2008-08-31 | デュアン王子とレイラ/ それぞれの休日
デュアンと聞いて、「んーーっ」、そしてレイラときて、「あぁー」と思ったのは、けっこうなロック通の人です。そうでした。エリック・クラプトン若かりし頃の名曲「レイラ」で、ソロを取っていたのがデュアン・オールマンでした。


さて、ストーリーの中で、デュアン王子は、レイラがスパイであることを知りながら、彼女を愛します。彼のレイラへの愛は、薄っぺらな、その時だけハッピーになればいいというようなものではなく、また、適当に流れに身を任せて、相手を利用して自分がいい目をしようなんていうものでもありませんでした。

デュアン王子は、レイラの身代わりとして終身刑を受けることを申し出るのです。それは単なるポーズではなく、王子としてのすべての特権を放棄して、文字通り、自分が牢に入るつもりでした。

レイラは、はじめは、自分の目の前で何が起こっていることが、信じることができませんでした。スパイとして城に潜入した人が赦されるために、その城の王子が身代わりを申し出ているのです。信じろ、と言うほうが無理かもしれません。

でも、それは現実だったのです。真実な愛に触れられたレイラは、その愛に応えます。自分の全てをもってデュアン王子を愛し始めました。

あなたも、だれかから自分の全てを賭けて愛してくれるほどまで愛されてたら、どんなに素敵かと思いませんか。そして、自分の全てをもって愛することができるほど、夢中になれる愛を生きてみたいと思いませんか。

(次回は、解決の糸口をウンチクります。)

デュアン王子とレイラ(5)

2008-08-30 | デュアン王子とレイラ/ それぞれの休日
レイラは、毎日、デュアン王子の手紙を、何度も取り出しては、読み返しました。レイラにとって、それ以上に楽しい時間はありませんでした。レイラは、覚えてしまうほど、何度も何度も読み返しました。

レイラは、毎朝早く、牢屋の門のところまで散歩に行きました。その時間、囚人たちが庭に出て朝の体操をするのです。門の小さな隙間から、ほんのわずか、庭をのぞき見ることができました。デュアン王子の姿が見えるか見えないか、行ってみないとわかりません。それでも、レイラは、一目でもデュアン王子の姿が見えるならと、雨の日も、風の日も、散歩に行きました。そして、わずかでも、デュアン王子の姿が見えたその日は、一日中うれしくてしかたありませんでした。

それが、レイラの毎日でした。

人々は、レイラが心からデュアン王子を愛していることがわかりました。今のレイラは、もうすっかり以前のスパイだったレイラではないことが、だれの目にも明らかでした。


もともとデュアン王子が犯罪を犯したわけではありません。
もう、デュアン王子が牢に入れられている理由は無くなりました。

デュアン王子は釈放され、また王子に戻りました。そして、レイラと結婚しました。その日は、国中で、一番うれしい日でした。

(週末は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります。)

デュアン王子とレイラ(4)

2008-08-29 | デュアン王子とレイラ/ それぞれの休日
デュアン王子は、囚人として牢屋へ引かれて行きました。

そして、レイラの新しい生活も始まりました。与えられた粗末な建物の中には、生きるのに必要なものはすべて備えられていました。その中では、だれに監視されることもなく、自由にすることができました。外出も、他の人と会うことも、自分の意志ですることができましたが、そういう時は必ず兵隊がいっしょでした。


レイラは、週に一度、必ず出かけました。それは、囚人の面会日でした。他にどんなことがあっても、レイラは必ず牢屋に出かけて行きました。そして、面会の制限時間いっぱい、デュアン王子と話をしました。その時間は、レイラにとって、最も貴重な時間でした。

帰りには、レイラは、自分が書いた手紙をデュアン王子に渡しました。レイラは、毎日毎日、デュアン王子に、自分のしたこと、考えたこと、思ったこと、感じたこと、何もかも手紙に書いていました。

またデュアン王子も、毎日レイラに手紙を書いていました。それをレイラは、大事に受け取って帰りました。その手紙は、レイラにとって一番の宝物でした。

(つづく)

デュアン王子とレイラ(3)

2008-08-28 | デュアン王子とレイラ/ それぞれの休日
裁判が進み、レイラは、終身刑となりました。

  判決が下されようというその時、


     デュアン王子が立ち上がりました。



「私にレイラの身代わりとして刑を受けさせてください」


王様も、大臣たちも、お城のみんなも、だれも信じられませんでした。
その言葉を一番信じられなかったのは、レイラでした。


デュアン王子は、だれが何を言おうと、自分の意見を変えようとしませんでした。
王様は、デュアン王子の真剣さを見て取り、身代わりとして刑を受けることを許しました。


レイラは敵のスパイですから、デュアン王子が身代わりに刑を受けるとはいえ、そのまま自由にするわけにはいきません。お城の中の決まった建物の中でのみ、自由を与えられることになりました。外出するときや、他の人と会うときは、必ず兵隊がいっしょです。

デュアン王子は、終身刑ではなく、実刑20年になりました。デュアン王子は、王子としての身分を取り去られ、一人の囚人として、これから20年を牢屋で過ごすのです。

(つづく)