THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「食品のカラクリ そうだったのか その食べ物!」(郡司和夫/別冊宝島)

2007年09月17日 | Weblog
 これを読むと、きょうからあなたは何も食べられなくなる……?
 先日、風邪を引いて近くの個人病院で診察を受けましたが、そこのロビーのマガジンラックで見つけたのが本書です。
 著者は、食品汚染や環境問題などに関する本を多く執筆しているフリージャーリストの郡司和夫氏で、AF2(合成殺菌料・トフロン)の裁判の当事者であった有害食品問題の先駆者でジャーナリストの故・郡司篤孝氏の次男である。本書では、これまで一般消費者が知らなかった、お馴染みの外食メニューの舞台裏から、知ってビックリの食品加工技術、食卓の影の主役・食品添加物、人気の健康食品の素顔が分かりやすく解説されており、食品業界の「秘密」が暴露されています。各章末の「コラム」も読みごたえがあります。
 今まで何気なく食べていたものや、最近なぜか食ざわりが悪くなったと思う食べ物が、実は代用のまがい品や有害添加物に汚染されたものだったという「事実」を知れば知るほど、恐ろしくて、思わず身震いしてしまいますよ!

「城山三郎が娘に語った戦争」(井上紀子/朝日新聞社)

2007年09月17日 | Weblog
 家庭での父の姿や教育方針、作家活動、国家権力や戦争への憎悪、動物と乗り物好きという一面……。本書は、今年3月に亡くなった作家・城山三郎の次女へのインタビューをまとめたものです。
 日本の文壇に「経済小説」というジャンルを確立した城山氏が娘に戦争を語り出したのは母の死後、『指揮官たちの特攻』を書き終える頃だった。大の軍歌嫌いだったのに、家族旅行先のカラオケルームで軍歌を歌い続けたというエピソードは印象的。もの静かだが硬骨の作家の肉声がひたひたと伝わってくる。
 「残された者のつらさが、痛いほどわかった」。城山三郎が娘に言い残した、生きていく上で大事なこと、「少年志願兵」から「個人情報保護法」まで、父の思いを娘が受け継ぐ……。愛されて育った娘の父に対する愛もあふれた1冊です!