THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「わが食いしん坊」(獅子文六/角川グルメ文庫)

2006年06月07日 | Weblog
 鋭い風刺と軽妙な筆致でユーモア小説や「父と娘」などのベストセラー作家としてかつて人気を博した著者は、同時に“グウルマン”としても一級の人でした。本書では、著者が幼少時代から親しんできた懐かしい味の思い出、渡仏時代に名店めぐりでつちかった食への執念、酒飲みの作法から四季折々の食材までを独特の視点から語り尽くしています。
 角川グルメ文庫の1周年企画。今ではあまり読めなくなった昭和の文豪の作品が新刊書で読めるとは嬉しいことです。
 今の人たちが忘れつつある古き良き時代の日本の料理から、ヨーロッパの料理まで・・・・・・。また、昔からの伝統料理、旬の魚を生かした季節料理をたくさん紹介。グルメ通の心をくすぐる1冊。
 血糖値がこのごろ高くなった私は現在、ダイエットをかねて食事制限(療法)を行っており、おいしいものや高価な料理などを口にすることができませんが、この本を読んでいると、お腹いっぱいになってきました!