「濃厚なつき合いはしない」「社会的ルールは信用しない」「心を込めないで働く」「ボランティアはしない」「病院には行かない」……。構造主義生物学者による痛快エッセイ。タイトルも奇抜ですが、その内容も過激です。
本書は2部構成で、前半では「他人と深く関わらないための生き方」を提案し、後半では「他人と深く関わらずに生きるための社会システム」の理想論を"毒舌"を交えながら展開しています。
筆者は、息苦しい現代を乗り切る新しい生き方を“完全個人主義”とし、社会の中で「他人とウマくやっていくための新提案」を自由気ままに書いています。しかし、納得できるところは少なく、そのほとんどが非現実的で自分勝手すぎると思うような内容でした。「働く意志のない人は野垂れ死ぬしかない」「福祉とは堕落者を救済するもの」「貧富の格差はあったほうがいい。お金持ちに物をどんどん買わせれば、景気が回復する」「消費税は20~30%に引き上げろ」(要約)など、唖然とするような発言が目立ち、作者の人格を疑ってしまいます。
また、社会経済システムの改革論では論理の矛盾が目立ちます。競争促進策については、あまりにも非現実的で論理が成り立っていないと思いました。筆者は、競争に基づく市場主義の重要性を説く一方で、個人の競争意欲を削ぐ政策導入を提言していることに気づいていないようです。(しかし、筆者もそれらの矛盾については多少は認識しているようですが……)
とはいえ、本書は「他人と深く関わらずに生きたい」人のために書かれたもの。人好きで日ごろから社交的な人(筆者はそういう人が嫌いなようです)は、こういう考えもあるのか…という程度で読むだけでいいでしょう。
本書は2部構成で、前半では「他人と深く関わらないための生き方」を提案し、後半では「他人と深く関わらずに生きるための社会システム」の理想論を"毒舌"を交えながら展開しています。
筆者は、息苦しい現代を乗り切る新しい生き方を“完全個人主義”とし、社会の中で「他人とウマくやっていくための新提案」を自由気ままに書いています。しかし、納得できるところは少なく、そのほとんどが非現実的で自分勝手すぎると思うような内容でした。「働く意志のない人は野垂れ死ぬしかない」「福祉とは堕落者を救済するもの」「貧富の格差はあったほうがいい。お金持ちに物をどんどん買わせれば、景気が回復する」「消費税は20~30%に引き上げろ」(要約)など、唖然とするような発言が目立ち、作者の人格を疑ってしまいます。
また、社会経済システムの改革論では論理の矛盾が目立ちます。競争促進策については、あまりにも非現実的で論理が成り立っていないと思いました。筆者は、競争に基づく市場主義の重要性を説く一方で、個人の競争意欲を削ぐ政策導入を提言していることに気づいていないようです。(しかし、筆者もそれらの矛盾については多少は認識しているようですが……)
とはいえ、本書は「他人と深く関わらずに生きたい」人のために書かれたもの。人好きで日ごろから社交的な人(筆者はそういう人が嫌いなようです)は、こういう考えもあるのか…という程度で読むだけでいいでしょう。