これぞプロです。大谷選手の二刀流は半端ない。「お店は予約していただかなくて大丈夫ですよ。僕はフジテレビの社食に行きたいです。社食に行きましょう!」と高級料理を断り社員と一緒に牛丼です。やはり超一流は時間の使い方、回りへの配慮が違います。プロ野球はメジャーと差がないほどレベルが上がり、ドラフト・FAでも人格や自己管理能力が重要視される時代になりました。
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「翔平のプライベートな時間は、二刀流を続けるためにある」「自由時間はすべて、自らを高めるために使っている」
こう語るのは、日本ハム時代に大谷翔平と同じ5年間を投手コーチとして過ごした黒木知宏氏。栗山英樹監督を含め、周囲の人が大谷翔平というアスリートを語るとき、決まって「時間」という言葉が使われるのが特徴的です。
投手と打者。大谷選手は前代未聞の二刀流をプロの世界で、しかも、信じられないような高い次元で実現させてきました。
24時間365日という、すべての選手に平等である「時間」。この「時間」と向き合い、「投手だけに時間を使う」「打者だけに時間を使う」のではなく「両方に時間を費やす」という至難の業をやってのけてきました
そして、アメリカに渡っても、大谷選手こだわりの二刀流はさらに進化を遂げ、大リーグの舞台でも認められるスタイルになりました。
黒木氏の口から大谷選手の時間の使い方の話題が出たとき、こんなエピソードを思い出しました。それは今から3年前の生放送終わりのこと。
「社食に行きましょう」
この年の2015年、オールスターの初戦に先発登板したその日の夜、番組に生出演してくれました。番組終了後、出演してくれた御礼に軽く食事に行きましょうと、番組スタッフがお店を予約しようとしたところ、彼はこう答えました。
「お店は予約していただかなくて大丈夫ですよ。僕はフジテレビの社食に行きたいです。社食に行きましょう!」
その10分後、大谷選手は夜深い時間のお台場フジテレビの社食で、社員に混じりながら美味しそうに牛丼を頬張っていました。
食事が終わり、社屋を出る時に「大谷君、社食で大丈夫でしたか?」と聞くと、彼は、「田中さん、大丈夫ですよ。会社の社食に興味がありましたし、お店へ向かう移動時間のことを考えると社食で十分ですよ。時間がもったいないので」と笑顔で答えました。
彼が何気なく話した「時間がもったいない」というフレーズが、今でも僕の脳裏に焼き付いています。
二刀流を実現できた裏側には、彼の時間に対するこだわりがあったのです。「ナイターで18時にマウンドに上がる時にはすでに、翌日のタイムスケジュールがすべて頭の中に入っている」と言われているのもよくわかる気がしました。 冒頭の黒木氏の表現を聞いた時、大谷選手は緻密で妥協のないタイムマネジメント能力によって「大谷翔平」を作り上げていると確信しました。
日本に帰国し、会見で「肘の手術をして良かった」と答えた大谷選手。この言葉を聞いて、自らを作り上げてきた巧みなタイムマネジメント能力によって、すでに投手復帰のタイムスケジュールはできていると感じました。
大谷選手を語る時、「時間」という言葉が常に頭を巡ります。来季以降、どのタイミングで二刀流が完全復活するのか、楽しみで仕方ありません。