人気漫画ドラゴン桜を描いた三田紀房氏などは中学受験の弊害を指摘していますが、欧米先進国では高校受験はあまり行われないようです。中学高学年は反抗期ともぶつかり、友達との繋がりが重要になる時期で、受験勉強より大切な一生の友達を獲得する時期でもあります。只、中学受験は偏差値では測れない、子供の脳力を覚醒させる学校を選ぶべきでしょう。ハリー・ポッターが通ったホグワーツ魔法学校が理想ですね。2020年から大学受験が変更され教育に大変革の波が押し寄せます。画一的な教育しか出来ない学校は淘汰され、個性的な学校が伸びますが、教育にはお金がかかる。結局は裕福で教育熱心な親に育てられた子供が有利なのです。
以下抜粋コピー
2020年、日本の教育が激変する。この事実に対して、「受験のプロ」はどう捉えているのか? 東大受験マンガ『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』で数々の斬新な教育方法を打ち出し、実践する主人公・桜木建二にインタビューした。
子どもの能力を伸ばすために注力すべきは、「根拠のある自信づくり」「具体と抽象を行き来する会話」と力説する。「小学校・中学校受験は子どもの将来を不幸にする」。衝撃発言の理由は。大前提として、12歳頃までの子どもの能力と将来の能力は、まったく関係がない。子どもの発達スピードは個体差がとても激しく、12歳までの能力は何1つ将来を保証するものではないんだ。
基本的に中学入試問題は、子どもらしく試行錯誤する力を試しているのであって、形式的操作期を先取りした思考力を試しているのではない。桜木さんはその点を誤解しているのではないだろうか。
そもそもピアジェの理論は教育関係者には常識で、小学校の学習指導要領はもちろん、塾の教材もそれを意識してつくられている。一般的には、具体的操作期から形式的操作期への移行は「11歳ごろ」と解釈されており、小学校高学年で割合や確率の概念を扱うのもそれに符合する。
たしかに形式的操作期に移行している子供のほうが有利な面は多いので、ゆっくり発達する子は無理して中学受験勉強をしなくていいと私も思う。だが、11歳ですでに形式的操作期に移行している多くの子どもたちが中学受験で十分に力を発揮するのは、不自然なことではない。
桜木さんの記事の中には「受験に失敗」という表現も何気なく使われているが、何をもって「失敗」としているのだろうか。
「第一志望に合格できなければ中学受験は失敗だ」とか「偏差値60以上の学校に受からなければ中学受験をする意味がない」などと考える親はときどきいる。桜木さんもそう考えているのだとすれば、中学受験生の親には“向いていない”。
そのような親が子どもに中学受験をさせると、合格というゴールばかりに目が向いてしまい、ありのままの子どもが見えなくなる。子どもに過度な負荷を与え、子どもを潰してしまいかねない。私に言わせれば、それこそが「中学受験の失敗」であり、第一志望に不合格になることは、失敗でも何でもない。
逆に、世間体にとらわれず、わが子の頑張りを100%認めて誇らしく思える親なら、発達がゆっくりな子どもでも、中学受験をさせてもいいと私は思う。
現在、私立中学の募集定員総数は中学受験生総数とほぼイコールで、“どこかには入れる”。そこで得られる中高一貫という環境そのものに、学校の “偏差値的レベル”にかかわらず、思春期の子どもにとっての大きな意味がある。それが、中学受験をすることで得られるものであり、高校受験が子どもから奪うものである。
この時期には、たくさんの冒険をして、たくさんのひとに出会い、たくさんの失敗をして、たくさんぼーっとすることが大切だ。それらの経験を通して、世の中を知り、自己洞察を深め、子どもは大人になっていく。紙と鉛筆だけで受験勉強ばかりしている場合ではない。
欧米先進国のほとんどでは高校受験がない
つまり、反抗期と高校受験の両立は難しい。多くの子どもはなんとかその状況を乗り切るが、中には両立がうまくいかない子もいる。潜在能力は高いのに反抗期ゆえに力が発揮できなかったり、逆に受験勉強に追われてこの時期に学ぶべき人生の基本をおろそかにしてしまったり。
欧米先進国のほとんどでは、高校受験がない。ハリー・ポッターは、日本でいうところの中高一貫校に相当する学校に通っている。まさに少年が大人になっていくための冒険の舞台である。その代わりイギリスのエリート層は、小学校高学年で猛勉強する。
ちなみに2017年に漫画化されベストセラーとなった『君たちはどう生きるか』の主人公で14歳のコペル君も、戦前に中学受験をして、いまでいうところの中高一貫校に相当する環境で、高校受験にわずらわされることもなく、ときには不登校になったりしながら、じっくりと「哲学」することができたのだ。
この大切な時期の大半を高校受験勉強に費やしてしまうことのリスクを、桜木さんは、中学受験のリスクと対比していない。これが「ピアジェ理論を前提に、中学受験の是非について述べよ」という小論文課題なら、大幅減点だろう。