つむじ風通信

「信州うらの畑」へようこそ!松代町は長芋の産地で歴史の山、妻女山(斎場山)は我が里山です。

信州 上田の「別所温泉」

2006-02-01 14:39:16 | 気まぐれ雑記


この季節温泉に浸かるのが一番の楽しみ、と言う事で一度乗ってみたかった上田市別所線にカタコトゆられ、信州の鎌倉・小京都とも言われる別所温泉に行って来ました。
丁度外出日和の温かい天気になり、上田、塩田地区の田園地帯をのんびりと行くと車窓両側にはマツタケ産地の赤松がはえた里山が見えてきます。
行く手左側には一段と特徴的な山の形をした独鈷山が見えてきて、そのゴツゴツとした竜にも似た山なみが目をひきます。
終点駅別所には、30分ほどで着きます。上田駅から別所駅までは全部で15の駅があります。
写真のレトロな丸窓電車には帰りに乗ったのですが、上田市は名所旧跡が多く古い建築物もあるので市を挙げて映画やTVドラマの誘致に力を入れています。

駅から降りて散歩がてら温泉街方面に歩いて行くと、右手に立派な道祖神の建物があります。
近くで撮ってしまったので全部入りきれませんでしたが、とても高度な技術の宮大工の仕事が感じられるものでした。

15分ほど歩いていよいよ今日の宿に入ります。と言っても入口どこなのよ?
冬季から春先にかけて毎年行われる3地区合同(別所、鹿教湯、浅間温泉)の温泉祭りの企画なので、通常では泊まれない高めの宿も、この企画だとお手ごろな金額で泊まれるのでいつも一番良いランクの宿を選んでいるのですが・・・。
分りました玄関が、ちよっと先に上っていったら左手の別館らしき建物から、自分の肩幅も開けないで出ようとしてしたたかに体を打ちつけていたそそっかしい若い男性従業員に聞いたら、その向かいが本館でした。
なにせ別所温泉は傾斜地の全体的に狭い土地に幾つかの旅館、ホテルが建っているので、どこの宿もそんなに大きい規模ではありません。選んだ宿も建物が点在したこじんまりとした、老舗宿です。


                   

部屋へ案内され、しばらく休んで早速お風呂へと向かいました。時間により男女入れ替え制になっており夕方は本館、岩風呂が女湯になっていました。
行ってみると、私達だけで貸切状態でしたが別所の湯はいままでも何回か入った事があり、湯の花が浮いていて無色透明で硫黄成分が入っているのでかすかに茹で卵臭があり、肌への当たりも柔らかく美肌の湯としても有名です。

夕飯は本館2Fの個室で温泉の楽しみはこれがメインでしょう。いままで行ったことのある所と比較してここなら普段自分達が作れない手の込んだ板前の料理が出てくるだろうと期待していたのですが、アレレどうしたの?ほとんどフツーの主婦でも作れるレベルの料理じゃん!!!
いくら誘客の為の企画でも、ぜんぜん工夫が見られない。初めてこの企画で来たとしたら、こんな程度かと思うかもしれないが、他は同じ設定でももっとメニューや味に工夫を凝らす努力とプロの技が見られたのに、どうしたのと残念と怒りを通りこして逆に笑うしかなく、笑いのつぼに入ってしまいその理由も言う訳にいかず世話をしたベテランの仲居さんに不思議がられる始末でした。お品書きからして、とても老舗に不釣合いな粗末なもので、しかも全部表記されてなく主食がなくてこれで終わり?と客を不安がらせてしまうものでした。それにお運びの間、あいだが長く空いてしまい、どーもペースが良くありません。
しかもその仲居さんが普通は食べ終わりに入れるお茶を、間をつなぐ為にか早々に入れ始め家でも作れるような牡丹鍋とご飯なのに、おかわりしてお腹いっぱい食べていって下さいだって・・。
どう言う意味だぁ~。朝はフツーの感じのメニューでしたが今回は料理に関してはおおはずれでした。

棚の写真は館内に飾ってあった上田市国分寺の蘇民将来と言う木製の置き物(護符)で、ここに置いてあるものは30センチ位あり、5万円以上する値の張るものばかりでした。

朝は離れ別館の檜風呂に入りここに限ってはとても満足出来ました。そうだ!岩風呂のドア取っ手の風呂側が一瞬模様?と思う位カビが生えていて、ギョとしました。それと水道蛇口などの故障は早く直しておくべき。
いつも思うのですが、女将やっている人はたまによその旅館に泊まってみて、自分達の仕事や工夫すべきところに生かす努力が必要ですね。
あと部屋の乾燥や風呂に入るので、とてものどが渇きます。気の利く宿は部屋にミネラルウォーターが置いてあるし、自販機の飲料や売店でアイスなども売っています。それにアンケート用紙を置いてない所は、やる気もないような印象を受けてしまいます。この宿もそうでしたが・・。

今までの中でお薦め宿は、別所なら「七草の湯」ここは数年前にリニューアルしてから若い女将中心にとても館内活気があり気配りも出来ており又お料理も良いです。あと「柏屋別荘」です。ここは事情あって戦後場所を移した老舗宿ですが、その老舗にあぐらをかく事なく大女将中心に特に料理に力をいれ、私達が利用した時には、古代米や地元の食材を中心に工夫をこらした料理が印象に残りました。
鹿教湯では「望山亭 寿」の料理は良かったです。浅間(松本です)では老舗の「おもと」や数年前にリニューアルした「お祭り長者」は料理もお風呂も良かったですね。浅間温泉は何年か前の温泉旅館のTVドラマ「はるちゃん」の舞台にもなった場所です。

でもなかなか宿の雰囲気、従業員の態度、料理、温泉と全部そろって満足出来る旅館と言うのは少ないですね。特にホームページなどの写真と表記内容だけで選ぶと結構はずれを引いてしまいます。実際行った人の感想が良くも悪くも情報となって広まるのです。口コミの力はバカに出来ません。

ちょっとした情報ですが温泉選びの参考にしてください。それから北向き観音のすぐ近くに足湯が出来ました。小さいけれどよく温まります。無料ですよ。

別所のお土産は定番の温泉饅頭、胡桃入り羊羹、生朝鮮人参のパック、あと地酒やその肴にもなるうるかの瓶詰めなどがあります。

北向き観音にて3日の豆まきにはいつも九重親方、大山のぶ代、佐川啓介など毎年ほぼ同じメンバーが来ます。3時からのようです。

2月に入って今日は雨振りから雪へ変わりました。しばらくまだ春はきそうもありません。    


(川柳) 老舗宿 主婦にも作れる 夕御膳        
     
     美肌湯に 首まで浸かり 脱皮する            FUKI