サツマイモが入った段ボールが何箱もあり、これを見ると、ちょっとげんなりしますが、見ているだけでは事態は前進しません。
千里の道も一歩から。
100キロのサツマイモも4キロずつ加工すればそのうちなくなるはず。
(あ、100キロというのは修辞的な表現で、本当は何キロか不明です)
という訳で、干し芋、コツコツ制作中です。
最初は小さなお芋から作業します。最後の方は大きい芋。大きいほど皮むきが簡単なので、加速度的に楽になるはず。
ガンバレFujika~。
サツマイモは、両端を切り落とした後、まずは50度洗い(50度のお湯にしばらく漬けておく)。 |
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漬けておいたお湯は、サツマイモのヤニ(ヤラピン)が溶け出して、白濁します。 |
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これは以前の記事の写真の再録なのですが、左が50度洗いなし、右がありのお芋。 |
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蒸かしあがったら、表皮をまず剥いて捨て、次に赤い点線で示したスジの層まで、剥がすようにぶあつく剥きます。 50度洗いの後、焼き芋を作ってから干し芋にすることもあります。 |
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皮を剥いたら天日干し。 |
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佐渡の八珍柿、普段はもう少し早い時期に冷凍してしまうのですが、今年はしまいそびれてまだありました。 |
■■とってもやわらか「吟・干し芋」(50度洗いもオススメ!)
■作り方
(1)寒いところで保管
サツマイモは収穫後、洗ってから1個ずつ新聞紙に包んで、11~12月初旬頃まで、家の中の比較的寒い場所に置いておく。寒さにあたることで、澱粉の糖化が進む。
(この温度管理(糖化させ具合)がとても重要な気がしますが、まだ試行錯誤中です。)
(2)12月に入ったら、試しに蒸かしてチェックしてみる。
芯まで水っぽく、透明感がある位に蒸かし上がるようになったら、干し芋の作り頃。
ホクホク感があるうちは、干し芋にはいまひとつ。
(3)50度洗い
小さいお芋の方が熟成しやすいので、こちらから加工を始める。
50度ちょいのお湯をたっぷり(大鍋2杯分くらい)用意しておく。
サツマイモの両端を気持ち大胆にカットし、これを片方の鍋にどんどん放り込んでいく。
サツマイモの冷たさでお湯が冷めるので、もう一つの鍋のお湯をつぎ足して(流しの中であふれさせるようにして)50度を保つようにする。
しばらくお湯に漬けておく。
漬けておいたお湯は白く濁り、サツマイモのヤニ(ヤラピンでしたっけ)でネトネトねばつく感じになっています。
最後、さっとゆすいで蒸し器の上段に並べていく。
(4)水からじっくり蒸かす
蓋が少し浮くくらい蒸し器にぎっしり入れ(蒸かすとお芋がへしゃげるので後できちんと閉まってきます)、お湯をとてもたっぷり用意して蒸し始める。
普通は蒸気があがってから、といいますが、お芋の場合は水のときからもう蒸籠を載せてしまっています。
(5)途中火を弱めたり、大きいお芋の場合は上下を返したりなどする(下になっている方が柔らかくなりすぎたりするため)。
ごはんの準備をしたりなど、忘れる位充分蒸し続け、触って柔らかくなるまで蒸し上がったら火を止め、そのまましばらくおく。
(6)あら熱がとれたら、左手に軍手+使い捨てビニール手袋を嵌めて温かいうちに皮むき。
まず表面の薄い皮を剥き、そのあとスジの層まで剥いてしまう。
ツルとつながっていた側から剥がすようにすると、ぺろーっと綺麗に剥けてきます。
スジらしいスジがない場合でも、表皮のすぐ下に1ミリほどある、ぷわぷわと剥がれやすくなっている層までは必ず剥く。
これが綺麗な色で柔らかな干し芋にするコツではないかと思います。
剥いた表層部分は勿体ないのでどんぶりなどに貯めておき、あとで裏漉しする(電子レンジにかけて温めると漉しやすい)。
(7)スジの層まで剥いたお芋は、とても崩れやすいため、まずは竹ザルに丸ごと干す。
小さいお芋はこのまま丸干しにするが、大きいものの場合は、全体的に少し縮み、表面が乾いてしっかりしてきたら、よく切れるナイフでスライス。
タテ半割か、3枚にスライス。スティック状の切り方もいいかも。
(8)夜お芋を蒸かした場合は、夜の間は室内において翌朝出す(オイルヒーターの上だとよく乾く感じ)。
干している間は、洗濯物と同様、夕暮れ時には室内にとりこみ、朝、また外に出す、というのがよいが、結構忘れて干しっぱなしです。
夜露が降りるような気候の場合、お芋表面が結露して竹ザルに密着してしまい易いです。
(夜露の心配がないようなカラカラ天気の場合は出しっぱなしにしてます)
(9)表面だけカチカチに固くなってきたら、缶に入れて北側の日の当たらないベランダにしばらく保管。
水分が均一になって、また表面がベトベトしてくるので、再度日に当てて干す。
好きな固さに干しあがったら出来上がり。
食べるときは、オーブントースターでヘリがちょっとコンガリするまで焼くと甘さが増します。
保存は冷凍庫。
(10)鳥(ヒヨドリ・メジロ)などに注意。一度覚えられてしまうと、何度も通ってきます。
ネットを張るなど対策が必要。
■参考情報
(1)干し芋2012年度
●12月中旬に干し芋製作開始 蒸かし芋の他、焼き芋も干しました。
●皮が綺麗に剥ける焼き芋づくりのコツ ごく薄く油をまぶし、天板に新聞紙を敷いて低温で焼くと、ツルンと皮が剥けます。
(焼き芋の場合は、スジの層まで上手に剥くのは結構難しいです)
●50度洗いの実験 50度洗いをすると、蒸かしている間の匂いも違います。
(2)干し芋2011年度
吟・干し芋の作り方もこちらに。
(3)干し芋2010年度
●どこまで厚く剥くか
分厚く剥くやり方について、写真入りで解説してあります。
●干し芋の副産物
厚く取り除いた部分は、結構な量になります。
これを捨ててしまうのは勿体ないため、裏漉ししてサツマイモペーストにし、スイートポテトを作ったりします。
(4)干し芋2009年度
●剥き方の試行錯誤
この年から自分で育てたサツマイモで干し芋を作り始めました。
自家製お芋はややスジっぽい傾向があり、厚く剥くとよさそうだ、と思いつきました。
●カラフルなお芋
初めてのMy菜園なので気合いを入れて、色とりどりのサツマイモを育て、カラフルな干し芋を作りました。
ポメマルさんにも生のお芋を差し上げたら干し芋を作ってみて下さいました。記事はこちら。
(5)干し芋2008年度
この頃は畑をやっていなかったため、サツマイモは買っていました。
安納芋の小粒芋10キロ買いましたが、干すとザル一枚におさまります。
(6)干し芋2006年度
作り方について詳しく書いてあります。