採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ベトナム風ういろう バンヤーロンコアイモン

2012-04-26 | +お菓子(各国)

 

アジアンスイーツ

しばらく前、こんなレシピ本をブックオフで買いました。
東南アジアスイーツのレシピ本はかなり少数派だと思います。
この本にはタイ、ベトナム、カンボジア等のレシピ多数が綺麗な写真とともに沢山掲載されています。
分量がグラムでなくカップなのがちょっと不便ですが、見たこともないお菓子が多数あって、とってもいい本です。

バンヤーロンコアイモン

その中に、気になるお菓子が。
バンヤーロンコアイモンという名前からして謎な、ベトナムのお菓子です。

タロ芋の千切りを混ぜ込んだ、「ういろう」的なお菓子らしいのですが、味が想像出来ません。


丁度畑を片付けていたら、ホクホク系の里芋(赤芽芋)も発見されました。
これは作ってみるしかありません。

本には18cm丸形の分量が掲載されていましたが、直径18cmのういろうといったら大変な量です。
本当は半量にしたかったのですが、ココナツミルクの量から逆算し、3分の2の量で作ることにしました。
 

■■バンヤーロンコアイモン Bahn da lon khoai mon
(『アジアンスイーツ』沙智著(柴田書店)より)
■材料

  レシピの分量
(18cm丸形) 
今回の分量
(レシピの2/3)
(15cm丸形) 
備考 

レシピの半量
(13cm丸形) 

タロ芋   150g  100g ホクホク系の里芋(赤芽芋)使用   100g+α
水   200cc  130cc    100cc
砂糖   300cc  約150cc 果糖とトレハロース少々使用  110ccくらい
上新粉   100cc  66cc=30g    23g
片栗粉   350cc  230cc=140g 顆粒状のレンコンデンプン使用  106g
ココナツミルク  550cc  370cc ココナツクリームパウダー使用   275cc
バニラエッセンス  少々  少々 パンダンエッセンス使用   少々
    本にはないが、入れた方が東南
アジア風になるような気がします
 少々

■作り方
(1)鍋に水と砂糖を入れて煮溶かし、冷ましておく。
(2)里芋は皮を剥き、細かい千切りにし、ザルなどに入れて蒸気のあがった蒸し器で10分ほど蒸す。
里芋の分量は、多少多めでもよい。
蒸し上がると結構ネバネバしてくっついてしまうので、熱いうちにシロップ少量をとりわけて、
混ぜほぐしておくよいかもしれない。
(3)ボウルに上新粉、片栗粉を入れ、ココナツミルクとシロップを少しずつ加えながらよく混ぜる。
バニラエッセンスも加える。
(4)混ざった液体を1カップ分とりわけ、残りに蒸した里芋を混ぜる。
(5)型に薄く油を塗り、里芋の混ざった方の生地を入れ、蒸気の混ざった蒸し器で表面が固まるまで蒸す。
里芋は軽いので上に浮いてくる。
(6)とりわけておいたプレーン生地を流し込み、固まるまで蒸す。
(オリジナルレシピでは、プレーン生地をまず蒸し、その上に里芋入りを流していたが、
出来上がり写真を見ると逆ではないかと思います)
(7)あら熱がとれたら型から外す。すっかり冷ましてから切り分ける。
(8)出来上がって丁度冷めたものを食べるのがベストだが、そうもいかないので、余ったら冷蔵庫で保存する。
翌日ならまだいいが、2日たつとデンプンが老化してくるので、電子レンジで温め、それを冷ましてから食べるとよい。


手順から何から、洋菓子とは全然違います。
大変もたつきながらも何とか作ってみました。

 

レンコンデンプン

こちらが片栗粉の代わりに使ったレンコンデンプン。台湾で買ったものです。
レンコンデンプンはほのかにレンコンの風味がして、喉によいとか。
本来ならばとても高価なものですが、これは安かったので、100%レンコンデンプンではないかも。

バンヤーロンコアイモン

蒸し上がりの表面です。
里芋部分は、軽いため表面に浮いてきます。
蒸し時間短縮のため、大きめの丸型(19cmくらい)で蒸しました。 

バンヤーロンコアイモン

冷ましてからカットしようとしているところ。ナイフがすぐには食い込まないくらいに、もっちもちです。

バンヤーロンコアイモン

断面。
いま上になっているのは、型の底だった側。
レシピ通り最初に少量の生地を流し込んだ部分が、層になっています。
でも、 里芋はどちらにしろ浮くので、型の底にプレーン生地を流し込む意味はなさそうです。

バンヤーロンコアイモン

左側が、型の上側を上に配置したところ。
雰囲気はだいぶ近いけれど、何だか本のものと様子が違います。 

バンヤーロンコアイモン

もとの写真をよくよく見ると、
里芋のない層
里芋が多い層
里芋が少ない層
という構造になっています。
つまり、この写真では型の底側がお皿に接するように置いてあり、まず里芋入りの生地を流し込み、最後に里芋なしの層を流し込んでいるように見えます。
次に作るときは、この順で流し込んでみよう。

バンヤーロンコアイモン

里芋のある側を中合わせにして2枚貼り付けてからカットしてみました。


肝心の味はどうだったかというと、意外にも、美味しいのです!
とてももちもちしていて、ういろうというか、求肥のような感じ。
和菓子のわらび餅やくずもちが好きな人ならば結構気に入るのではないかしら。

ココナツミルクのほのかな風味がしますが、それほどのエスニック感はないです。
一番特徴的なのが、混ぜ込んだ里芋の食感。
本よりはだいぶ太めの千切りになってしまったせいかもしれませんが、もちもちした生地と対照的な、
つぶつぶ・もくもく、とした食感が目立ちます。

何だかごはん粒のようです。 
おはぎや道明寺を思い起こさせるような、「もちもち」+「つぶつぶ」 の組み合わせ・・・。
ういろう部分だけでは単調になりがちなところ、この里芋のつぶつぶ感が面白いアクセントになっていると思います。


そういえば、京都の初夏の和菓子に、「水無月」というものがあります。 
直角二等辺三角形の形をした二層構造のういろうで、 表面の層には甘く炊いた小豆がびっしり敷き詰められています。
  和菓子水無月 水無月(画像は借り物です)

水無月も、もちもち+ぽくぽく という組み合わせです。
バンヤーロンコアイモンの方がより柔らかいですが、ちょっと似ているかも。



くずもち系は、出来たてが命なので、作るならレシピの半量くらいがお勧めです。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする