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採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ニンニク2011:茎のこぶ

2011-06-20 | +ニンニク

しばしご無沙汰しておりました。
先週は、予約投稿をするようにしてあったのですが、私本人は、旅行に出かけておりました。
行き先は・・・。

んーと。

モードの街。かな?
私自身はモードっぽいことは全くしてこなかったのですが。

旅行をブログ記事にまとめるのはとても苦手なのですが、写真を整理したら、いくつかご紹介するかもしれません。
(カメラがね、いつも地味なものを間近で撮ってばかりで、たまに風景を撮ろうとしたせいか、旅行中なんだか不調で。うまく撮れているかどうか)


==============


しばらくぶりに畑に行ってみると、随分と青々しています。

雑草が。

いや、予想はしてましたけど。

そして、出かける前、気になりつつ放置してきたニンニクが、かなり黄色くなって収穫期を迎えたようです。
とりあえず、全部引っこ抜いてきました。

抜きつつ少々気になるものが。
茎の中程に、こぶのようなものがあるのです。

破れ目から見てみると、そのコブはなんだか小さなニンニクのような感じ。

あらここにもニンニクが☆ と喜んでいい訳がないわよね、と調べてみました。

ニンニクの止葉(最終葉)より出た花茎の先端部分にあるこぶのようなものは、ニンニクの総包(そうほう)といわれ、その中には種の代わりに珠芽といわれるものと、ニンニクの花が混生しています。
ニンニクの抽台(とう立ち)によってできるものです。このまま残しておくと、(土中の)収穫するニンニクに十分な栄養が行き届かず、ニンニクの肥大を妨げる結果となります。
必ずはさみで切り取りましょう。


あらま。やっぱり。
取り除くのだろうなー、と思いつつ、もはや収穫期なんですけど。


珠芽はムカゴのことで、ヤマイモのムカゴがやはりヤマイモの味がするように、ニンニクの珠芽もニンニクとして食べられるのだそうです。
すっかり成熟しちゃった珠芽なので、食べることにしましょう。

2011/06/08ファッジ 品種によるのでしょうか、今年のニンニクは、トウ立ちはごく希で、ほとんどに珠芽がつきました。
コブの位置(高さ)は色々。

2011/06/08ファッジ 珠芽は、ニンニクにそっくりです。一株につき、5~6個ほどついています。

 

「ニンニク 珠芽」で調べてみると、更に面白いことが分かりました。

ニンニクは、一玉(鱗茎)を一片(側球/鱗片)ずつにばらして植え付けるのが普通なので、食用として利用される部分と次の年の種球として利用される部分は同じ。
ニンニクの鱗茎を構成する側球の数は、通常5~10片、ということは、側球1粒がたったの5~10粒にしかならないということです。
つまり毎年同じ量を栽培するとしたら、収穫量の1~2割もの鱗茎を種用に確保しておく(もしくは購入する)必要があります。

同属の玉葱は、数千の種を付けるので、これを植え付けて数千の球根を収穫できことに比べると、ニンニクは他の作物に比較して栽培効率が悪いといえます。
当然ながら種(種用の鱗茎)の値段は他の野菜に比べると格段に高価です。

という訳で、珠芽(ムカゴ)は、側球(鱗片)より多数とれるため(品種によっては300個程度も)、こちらを使った栽培方法が検討されているようです。

参考資料(3)、(4)によると、珠芽を使って次のような栽培方法があるそうです。
(3)は北海道深川市での実施例、(4)の実施場所は不明、使用品種はグレートヘッドガーリックとのことです。

要約すると、通常植える鱗片よりだいぶ小さな珠芽を、各種工夫をすることで、
・通常より長く畑において、通常程度のニンニクを収穫
・一球タイプにしてしまうことで、サイズは小さくても使い易いニンニクとして収穫
という方法があるようです。

時期 普通の栽培方法 珠芽使用の栽培
(3)-a

(3)-b

(3)-c (4)
 夏 (初夏頃)収穫   (成熟した珠芽ごと)鱗茎を収穫  同左  - (成熟した珠芽ごと)鱗茎を収穫
7-10月頃 鱗茎を乾燥させて保存 珠芽と鱗茎を乾燥させて保存。
珠芽のみ採集。
 同左  - 珠芽を30℃で10日間置き、休眠を打破させる
 秋 (10月頃)鱗片を植え付け   珠芽を17~20°で保存  珠芽を4°で11~3月の間保存。
この低温で珠芽内に貯蔵葉の形成が誘導される
 - 固い外皮を除去し、10~11月に定植。
一球タイプにするためには低温遭遇前の株元の茎径が1.5cm以下とする。
これより生育が促進すると、通常の分球タイプのニンニクとなる
 冬 葉が出た状態で越冬。
低温に触れることで、貯蔵葉の形成が誘導される。
(貯蔵葉とは最も中心に近い数枚の葉で、将来鱗茎になる組織のこと) 
引き続き、珠芽を17~20°で保存
(低温に触れないことで、珠芽の中には貯蔵葉が形成されず、鱗茎を形成しないことになる)
3~4月に、微加温処理を行う(30~35℃で、10~30日間保存。実施例では約1.5ヶ月間)。
この加温で、貯蔵葉形成状態を消失させることが出来る。
(南半球では夏となり、ニンニク及び珠芽が収穫される) 定植後の栽培管理条件は、一般のニンニク栽培と同様。
 春 貯蔵葉の内側に沿って数個の突起が形成され、それが生長・肥大して鱗片(側球)となる 5月、ポットに珠芽を播種。
ハウス内で10-20cm程度まで育成。
同左 珠芽を3月に南半球から輸入し、17~20°で4月まで保存。
低温を経験していないため、貯蔵葉が形成されていないことになる。
その後は手法(1)と同様。
冬期に花芽を分化しない株は、長日条件になると分球しないまま鱗葉の肥大を開始する
 夏 収穫 育苗しておいた苗を圃場に移植。 同左 同左 6~7月に収穫。
直径4~6cm、重さ40~50gの大型一球玉となる
 秋   栄養成長を続ける 同左 同左  -
 冬   ここで低温にあうことで、貯蔵葉の形成が誘導される。 同左 同左  -
 春   鱗片が形成され肥大 同左 同左  -
 夏   収穫 同左 同左  -


なるほどー。


どちらも素人が挑戦するには難しそうですが、知識として知るだけでも面白い!
いずれ、どれかの方法で栽培されたニンニクが(少しずつ)出回るようになるのでは・・・。

なにしろニンニクの種球はほんと、高いのですもの。


■参考サイト
(1)JAいなば質問コーナー
(2)ニンニクの鱗茎の構造
(3)ニンニクの栽培法(特許申請書類)
(4)珠芽を利用したニンニクの生産方法(特許申請書類)
(5)にんにく珠芽の活用方法の研究(PDF)

 

コメント (6)
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