お友達に、手作り塩レモン(preserved lemon)を頂きました。
塩レモンというのは、レモンを塩とレモン果汁でしばらく漬け込み、(おそらく)少々発酵させたもの。
単純な、レモン+塩の味とは違う、何ともいえない風味があります。
レモンの香りも、生レモンの時よりも強くなるような気がします。
ものすごく酸っぱくてしょっぱくて(ここまでは梅干しに似てる)、そしてかなり苦く、濃厚なレモンの香り。
最初に塩レモンを知ったのは、5年以上前、ニースのアラブ系食材店に行った時だったかな。
どう見てもレモンなんだけれど、甘いコンポートではなさそう。
オリーブと同じコーナーに並べられているのです。
確か勇気を出して少量買って、食べてみてあまりの刺激の強さに、「うげげ、何これ!?」と思った記憶があります。
(そして冷凍庫で長期の冬眠に入ったような・・・)
すっかり化石化する直前、たまたま料理の本を読んでいたら、朧気に見覚えのある塩漬けレモンを使ったレシピが。
クスクスにかける鶏肉の煮込み料理に使うことが多いようです。
食べたことがないものを作るのは戸惑いますが、化石救出もかねて見よう見まねで作ってみると、すごく美味しい!
塩レモン単体で食べたときの強すぎる味が、煮込み料理にすると、ほどよい風味になります。
さっぱりして、暑いときにも美味しく食べられるような感じ。
トマト煮込みに少量、隠し味的に加えるのもグーです。
こんなに美味しいのだったら自分で作ろう!と思いつつ、冬場は甘いピールやママレードばかり作ってしまうため、塩レモンは作りそびれていました。
そんな時お友達から、塩レモンを作ってみたものの、全然減らない、という耳寄りな情報が。
(親戚のお庭で穫れたレモン(勿論無農薬)を使った完全オーガニック品です)
それは勿体ないので是非とも使わせて☆とおねだりしてしまいました。
(在庫を全部、かっさらってしまいました。marinoさんありがとうございます!)
たっぷりあるので、色々なお料理に使ってみよう!
まずは定番の、鶏肉の煮込み料理。
モロッコ風チキン煮込み(moroccan chickin tagine)というようです。
あちこちちら見して、適当にアレンジして作ってみました。
トマトは入らない黄色っぽい煮込みで、鶏肉・タマネギ・グリーンオリーブが基本のようです。
他にも色々と具(ズッキーニとか)を入れたくなるところ、ひとまずぐっと我慢しました。
黄色っぽさを出すためにターメリックを使うこともあるようですが、今回はサフランを奮発しちゃいましたよ!
■■モロッコ風チキン煮込み(moroccan chickin tagine)
■材料
鶏肉 骨付きの大きめぶつ切りがよいと思うが、今回はモモ肉1枚、胸肉1枚
マリネ用:塩漬けレモンの汁部分(および果肉部分をペースト状にする)
マリネ用:おろしニンニクのオイル漬け 少々
マリネ用:レモンの皮すりおろしのオイル漬け 少々
マリネ用:トルコ風ミックススパイス(クミン、タイム、唐辛子など)
オリーブオイル
ニンニク
人参
タマネギ 結構沢山 細めのくし形切り
塩・コショウ
サフラン(粉)
グリーンオリーブ (手持ちがなかったため、黒っぽいオリーブ)
塩漬けレモン 小さめの薄切り
■作り方
(1)鶏肉をぶつ切りにし、塩漬けレモンの汁等でマリネして、一晩程度おく。
(2)フライパンでニンニクを軽く炒め、取り出しておく。この油で、鶏肉の表面をこんがり焼き、お皿によけておく。
(3)同じフライパンで、人参、タマネギ、トルコ風スパイス、塩コショウ少々を軽く炒め、鍋に入れる。
先程のニンニク、表面を焼いた鶏肉も鍋に入れ、水を6~7分目程度入れ、ぴったりフタをして、160度のオーブンで10分位加熱する。
(ガスコンロでも勿論OK。今回は忘れそうだったためオーブンにしました)
(4)10分後フタをあけてみると、タマネギから水が出て、水分がひたひたになっているはず。
ここに、サフラン、塩レモン、オリーブを入れ、更に15分くらい加熱する。
(5)塩漬けレモンからだいぶ塩辛さが出ているはずなので、最後に味見し、レモン風味(ほろ苦さ)が足りなければ塩レモン少々を、塩気が足りなければ塩を足す。
(塩漬けレモンで塩分を足そうとすると、苦味が強くなりすぎることがあります)
(酸味が欲しい場合は食べる際にレモンを絞る)
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こちらがお友達手作りの塩レモン。 お友達のおうちで長期熟成されており、飴色になっています。 (フタを開けた写真を後日アップします)
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『プリザービング』に、塩レモンの作り方及び調理例が載っていました。
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(だいぶ食べた後の鍋) 出来上がりは、割とサラサラした汁っぽい煮込みになりました。 (気持水を多めに入れたからかも) でもこのサラッとしたスープが、クスクスと馴染んで丁度よいです。
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盛りつけてみました。 別途茹でたジャガイモも添えて。 食べるとき、フレッシュなレモンを絞るとまた美味です。
ツブツブしたものは、クスクスではなく、挽き割りファッロ麦です。 バスマティライスに添えても美味しいと思います。
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挽き割りファッロ麦というのはこちら。 ブルガー(蒸したセモリナ小麦を挽き割りにし乾燥させたもの)のファッロ麦版ではないかと思います。
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■参考情報
(1)Google画像検索の citron confit
フランス語系サイトの画像がヒットします。
甘いコンフィと、塩レモンどちらも含まれるようです。
(2)Google画像検索の preserved lemon
英語系サイトの画像がヒットします。
英語だと、preserved lemonは(甘い方ではなく)塩レモンを指すことが多いようです。
(3)Google画像検索の moroccan chicken
(4)塩レモンの作り方とそれを使った料理(salahiさんブログ)
(5)モロッコ風チキン煮込みのレシピ (英文 写真多数)
他にも多数ありますが、こちらのは写真が綺麗です。