【サッカー】J1リーグ第01節

　vs広島。アウェイで対戦。
　1-1のドロー。→試合データ
　昨シーズン最終節のやりきれない想いを、ひとまず払拭し、アルビが前に進めることを示した試合。


守田＊:5.5 全体を通してまずまずのパフォーマンスを見せたが失点は彼のミス。難しいプレイではあるがあれを克服できなければ壁は越えられない。
矢野＊:5.0 ちゃんとした守備の選手になっていたが対応の淡泊さが散見される。二枚目のイエローの判定は疑問が残るが軽率ではあったので要反省。
富澤＊:6.0 非常にバランスの良い選手という印象を受けた。単純なプレイレベルが高いというより、周囲の選手と連携して動くのが抜群に巧い。
大野＊:6.0 富澤とコンビを組んで非常にやりやすそうだった。ボランチと共にSBのフォローをこなし、チームを引っ張る積極性も見られたのは嬉しい。
酒井＊:6.0 前半はほぼパーフェクトな内容。後半、広島がサイド攻撃を激しくしたことで厳しくなったがなんとか耐えた。セットプレイのキーマン。
小泉＊:7.0 味方と一緒に戦う中で自らの持ち味をいかんなく発揮。特に後半、攻守に渡りレオ不在の不安を全く感じさせないプレイぶりは見事。
原＊＊:6.5 後半に目立ったのが慶だとすれば、前半は彼の独壇場だった。ルーキーとは思えない読みで広島のカウンターの芽を完全に摘んでみせた。
加藤＊:6.5 セットプレイが整備されたことで集中できているのか非常にキック精度が高かった。運動量が効果的に働く時間帯も増え同点弾の立役者に。
成岡＊:6.0 チームから求められた戦術を守備面で完璧にこなしていた。広島がギアを上げたことでサイドで主導権を握られ苦しくなる。
ホニ＊:6.5 圧倒的なスピードを見せ、一試合目にして攻撃を牽引できる能力を示した。球離れもいいため連携が深まってくるのが楽しみ。
山崎＊:5.5 開始早々の逸機はともかく、チームで担っているタスクを考えた場合、自身の能力を発揮しきっているとは言い難い。もっとできる。

田中達:6.5 途中出場ながら同点弾でチームを救う。ホニに出したパスはエメルソンとコンビを組んでいた時代を彷彿とさせた。
チアゴ:6.0 テクニックの高さに加え球際も強そうなので期待大。アルビがもっと攻撃の回数を増やせる試合で長い時間見たい。
本間＊:-.- 勲、おかえり！

監督＊:6.5 綿密な準備に裏付けられた堅実な戦いを見せてくれた。今年一年、よろしくお願いします。

主審＊:5.5 福島氏。貴章への二枚目のカードは最初にコミュニケーションを取ってもよかったのでは。アディショナルタイムも不自然だった。


　2017年開幕━━━ヽ(∀ﾟ )人(ﾟ∀ﾟ)人( ﾟ∀)ﾉ━━━ !!!!

　つーわけで、Jリーグ開幕です。
　ちょうど旅行と重なったのでリアルタイムでは見られませんでしたが、なかなか期待感の膨らむ開幕戦だったんじゃないでしょーか。
　ネットの片隅のブログではありますが、今年もよろしくお願いします。

　この試合、まず最初に感じたのは、セットプレイの変化です。
　結果を見ると、相変わらず失点はセットプレイですし、CK、FKから得点を取っていないので、「なんだ、これまでと変わらないじゃん」となってしまいそうですが、内容は明らかによくなっていました。
　特に攻撃時のセットプレイは目を疑うくらい改善していたように思います。

　皆感じたと思うんですが、今年のアルビは、まず相手GKの傍に宣福を配置するんですよね。
　こうすることでGKの守備範囲を狭めると同時に、キックの直前に動くことで、ゴール前に効果的なスペースを作り出すことに成功していました。
　試合を通じて最初のCKはそれが完全にハマった形で、

1.宣福がボールに近づいていく
2.マサルがニアに早いボールを入れる
3.貴章がキアに走り込み頭で触る
4.ファーにはホニ（タイミングを遅らせてカズ）が飛び込む

　こんな感じに、まるで定められた手順をなぞったように決定機を作れていました。
　貴章のヘッドがやや深く当たったことで、あわやそのままゴールかと思ったんですが、残念ながらポストに嫌われてしまいましたね。

　その後、前半にあった二回目、三回目のCKも、宣福がGKについてから、二回目はファー、三回目は貴章がファーに入る形、といくつかのバリエーションを見せました。
　一つの基本となる形がうまくハマったことで、自然とバリエーションが増やせるという理想的な内容だったと思います。
　欲を言えばどれか一つは決めて欲しいところでしたが、長らくセットプレイがまるでダメだったアルビなので、期待感の持てる形を作れていたというのはプラスに捉えたいです。
　というか、全て偶然ではなくてキチンと練習している形だというのが見ていてわかるので、あれを続けていればいずれセットプレイからの得点も生まれるでしょう。
　宣福が開幕スタメンというのを見て懐疑的だったんですが、こういう形で最強フィジカルを活かすのか！　と目から鱗が落ちる気分でした。

　つーわけで、セットプレイを見ただけでも、三浦監督は組織的に動くことをキッチリ叩き込んでいるんだなーと思ったんですけど、対広島の守備がまた見事でした。
　4-4のブロックを作ったあと、ブロックの外と中にいる選手の動きが実に小気味良く、

・8人で4（マサル、原、慶、成岡）-4（貴章、富澤、カズ、宣福）のブロックを作ったまま、スペースを作り出さないように山崎、ホニが「ブロックの外で」チェイス
・4（マサル、ホニ、山崎、成岡）-4（貴章、富澤、カズ、宣福）の「ブロックの中」にボールが入ったときは、原、慶の二人でボールホルダーを抑える

　こんな感じでGK以外の10人が徹底して選手間の良い距離を保っているおかげで、前半などは広島にほとんどチャンスを作らせませんでしたから。
　守備時の距離感が良い＝約束事をしっかり守れている、ということでもあるので、ボールの奪いどころがハッキリしていて、スムーズにカウンターに繋げられるのも素晴らしかったです。
　そうそう、こういう守備からの攻撃の連動が見たかったんだよ！　とテレビの前で思わず手を叩いてしまいました。

　まあ、後半になって運動量が落ちてくると、さすがに技術や連携で上回る広島に主導権を握られ、なかなか上手くいかなくなりましたけどね。
　ただ前半はほぼ完璧だったと言っていいと思いますし、その中でルーキーの原くんが出色の出来だったというのは、注目したいところでした。
　いや、彼、すごいですね。頭がいいというか、判断力がズバ抜けていて、とても高卒ルーキーとは思えません。
　慶や成岡、カズなどのフォローがあったとはいえ、まさかあそこまで見事にカウンターの芽を摘んでみせるとは思いませんでした。
　原くんが何度か止めたカウンターは、昨年までのアルビであれば失点してもおかしくないような形だっただけに、それを防ぎきってしまうルーキーというのは、末恐ろしくもあります。

　試合の結果に直結したシーンの話をすると、失点に繋がったセットプレイからのヘディングを弾いてしまったのは守田のミスですね(ノ∀`)
　まあ、たしかに処理するのが難しいシュートではあるんですが、プロのGKの判断、技術としては最悪の部類の対応だったと思います、個人的には。
　ましてや工藤（あと寿人とか）はああいうボールに反応するのが抜群にうまい選手で、そういう選手が相手にいるというのはスカウティングで把握しているはずですからね。
　守田にもっとうまくなってもらうためにも、アレは「しょうがない」ではなく、「守田のミスである」と捉えるのがいいんじゃないかなと。

　同点に追いついたシーンは達也も素晴らしかったんですが、試合を通して一度も相手DFにタイミングを計らせなかったホニのアシストと、きっちり走り込んで潰れたマサルの働きが大きかったです。
　ホニはテレビで映像を見ていても、「想定するタイミングより一瞬早く」パスやシュートができるので、アレは目の前で対峙しているDFの選手は相当やりにくいと思いました。
　うちの選手、特にマサルなんかはバカみたいに素直なタイミングでパスやシュートをしてしまい、ほとんど相手にブロックされてしまうだけに、ホニからああいうのを盗んで身につけて欲しいです。

　最後に。
　個人的にすげー嬉しかったのは、やっぱ貴章が普通にプレイできてたことですね！
　ドイツから戻ってきたときは、「えっ……これがあの貴章とか嘘やろ……」って感じだったので、ポジションをSBに移したとはいえ、J1レベルでプレイする姿を再び見られたのはメッチャ嬉しいです。
　ぶっちゃけ退場は余計でしたし、相変わらず淡泊な守備をしてしまうところもあってまだまだだなーって感じではあるんですが、それも期待することができる裏返しですからね。
　本当に駄目なときは期待することすらできなくなるので、また新潟の力になってくれそうな貴章を見て、こっから再スタートを切って欲しいと思いました。

　そんなわけで、今シーズン初のレビューでした。
　監督や富澤が言うように、今年は難しいシーズンになると思いますけど、頑張ってもらいたいです。