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【ラノベ】ロウきゅーぶ! 7

2011-08-13 | ライトノベル
ロウきゅーぶ!〈7〉 (電撃文庫) ロウきゅーぶ!〈7〉 (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2011-02-10

 読了。

 今回は物語のスポットライトが、慧心女バスよりも昴(高校生)側にシフトした一冊。

 いやー、面白かった! いつもよりスポ根分多めだったような気がするけど、この作品はそれも大きな売りですからね。善哉善哉。
 今回は愛莉が表紙を飾ったってこともあってか、愛莉がまたひとつ壁を越えるエピソードとなりましたが、まさかこのタイミングで愛莉の兄が登場するとはなあ。しかもそれが昴と同じ高校に通っていてバスケでセンターを務めるキャラだったとは驚き。
 や、なんかライバルキャラっぽい立ち位置にいる竜一なんてのも出てきて、このへんでバスケットプレイヤーとしての昴の掘り下げが行われるのは理想的のように思えます。あくまでも慧心女バスが中心の作品でしょうし、今後は今回ほど高校生組のエピソードに尺を割くことはなさそうですけど、ロリコンコーチではなくプレイヤーとして描かれる昴を見ているのは楽しかったわー。
 以下雑感。

・万里の扱いを見ているだけで、相変わらず蒼山さんがキャラクター描写に気を遣っているということが伝わってきた。昴が愛莉のコーチをしている張本人と知り、最初こそ問答無用で張り手をかましてしまったが、そのあとキチンと謝罪させるのは、読者としても好感が持てる筋の通し方だと思う。あんなこと(自分の所属してたバスケ部がロリコン問題で休部)があっただけに、万里の反応は決して過敏すぎるとも思わなかったし、こういう押し引きのバランスはホントに絶妙で舌を巻いてしまう。

・ちゅうか万里は今後の物語への関わり方がすごく楽しみ。ようやく愛莉と話せるようになったはいいけど、家で愛莉が「長谷川さんが長谷川さんが」って話をするたびに、ぐぬぬってなるんだろうなあ。そのへんは短編で描かれるのを期待しておこう。

・そして竜一も良ツンデレというか、非常によくできた造型のライバルキャラだと思った。よくできた造型というか、プレイスタイルもバスケへの取り組みも完全に昴の対極として描かれているので、カッチリはまる感じ。そりゃまあ、作者がそういうふうに考えて作ってるんだから、そういうふうになるのは必然なんだけど、「強すぎて主人公補正がないと勝てない」でもなく、「弱すぎて噛ませ犬にしかならない」でもないさじ加減というのは、やはり絶妙なものがある。

・唯一、竜一の親戚ことヤラレ役の奈那はよくわからないところがあったなあ。なんだかこいつだけ使い捨てキャラっぽい匂いがぷんぷん漂っていて、改心(というのもおかしいのかもしれないけど)する描写もなかったし、徹頭徹尾ワガママなだけのキャラとして描かれていたように感じるのは、僕の読み込み不足なんだろうか。バスケの腕前もそれほどでもないようだし、智花たちのライバルになるには力不足だよなあ。

・相変わらず智花さんぱねえ。順調に昴との距離を縮めていて、ひなたに後れを取っていた長谷川家宿泊どころか、同衾まで一気に済ませてしまったのだぜ……。小学生でアレとは、将来有望すぎるから困る。

・で、今回の見所でもある試合描写はとても盛り上がったなと。愛莉と万里のやり取りにはグッときたし、「俺よりも怖い相手か?」みたいに訊ねられて愛莉が覚醒するってのは熱い展開だよなあ。練習の成果が試合で出る、みたいなの大好きなんすよ。僕。

 気づけば最新巻まで残り一冊になっていましたよということで一つ。
 7巻まできても面白くて続きが気になるラノベって、もんのすげえ久しぶりに出逢ったかもしれません。ハイ。


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