氷菓 (角川文庫) 価格:¥ 480(税込) 発売日:2001-10-31 |
読了。
かなんさんの提唱した秘技「アニメのペースに合わせて読む」を実行中。面白かった!
んで、これはいわゆる「日常の謎」系の作品と考えて問題ないと思うんですが、コレ系の作品はラノベでも最近わりと見かけるようになりましたよね。僕が読んだ中で代表的なのは『子ひつじは迷わない』とか。
何年も前に加納朋子さんの作品を薦めてくれた友人曰く「このジャンルのはラノベに合う」とのことでしたが、言ったとおりになっているのはスゲー。源氏物語をモチーフにしたラノベが出るってのも予見してましたし、先見の明があるっていいことなのだわ。とはいえ、まだメガヒット作品は生まれてない気がしますが。
と、こんなふうに書くと、「そもそも『氷菓』って10年前の作品だしwwww」とか言われるかもしれませんが、ここで言うラノベってのはラノベレーベルから発売されているものだと思ってください。上のブログジャンルがラノベではなく小説になっているのはそういうワケ。まあ、そうすると今度は前段の発言と矛盾するんですけど、ぶっちゃけ僕の中だとこれくらいもラノベの範疇だったりします。
正直、僕が学生のころはラノベと言ってもこれくらい中身のあるのが当たり前だったのに、ここ数年で本当に〝軽い〟小説が増えたからなあ。べつにそれが悪いとは言いませんが、小説未満を沢山バラまいて『IS』や『ハイスクールD×D』みたいにクラスチェンジを狙う作品ばかりになるとキツいなあと思ったりも。
閑話休題。
内容に関しては、アニメ→小説という順番で見た(読んだ)ので、新鮮味という意味では特筆すべきところは特にナシ。
ただ、小説を読むとアニメがよくできているのがよく分かるってのは間違いないと思います。よくこんな地味な話を、毎回30分近く退屈させずに見せる映作りができるもんだわ。
や、べつに原作をdisってるわけじゃないんですが、ひとつひとつの謎がホントどーでもいいじゃないですかw言うなれば「日常に潜む謎を解き明かす」というより「日常の出来事を無理矢理謎に仕立てあげている」という感じなので。
でも物語の構成はすごく練られていて、例えば1話、2話では〝えるの超感覚〟とでも呼ぶべき五感の鋭さが事件の発端になっている反面、3話では〝えるの超感覚〟が鈍っていたからこそ事件と呼ぶべき謎が生まれた形になっているあたりはとても巧いなと。
あと、登場人物に不快感がないのはいいですね。里志が狂言回しすぎて、少し言動が鼻につくのが気になるといえば気になりますけど(これは先にアニメで阪口さんの好演を見ているのに助けられたかな?)、えるの強引さだったり、奉太郎の煮え切らなさだったり、他の作品であれば引っかかりそうなところでマイナス要素ナシでキャラが立っているのは作家さんの実力を感じました。
しかし、奉太郎をはじめとしたキャラクターたちの性格設定は、1巻を読んだ限りでは過剰なまでに強く味つけ(アピール)されていますが、これは2巻以降で掘り下げられたりする……んだろうなあ。ここまで構成に凝る作家さんが、最後まで考えてキャラクター設定をしていないハズがないので、続きがスゲー楽しみです。
だけどアニメのペースに合わせて読むからまだ2巻を読めないちゃん!
つーわけで、早いうちに前言撤回する可能性大ですということで一つ。
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