化学系エンジニアの独り言

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一般教書演説

2006-02-03 | エネルギー
日本の新聞にもブッシュ大統領の一般教書演説に関する記事がいくつか載っています。エネルギーについても言及しているということなので、HPから原文を読んでみました。

テキスト印刷して6ページになりましたが、その半分のほぼ3ページ分をテロとの戦争のことで費やしています。文中にはやたらとfreedomとdemocraticという単語が出てきます。いまさらながら、9.11の影響というのはすごいものだと思わずに入られません。後世からブッシュは9.11大統領と呼ばれるかも。

次の2ページで具体的政策に言及しています。Keeping America competitiveという書き出しのパラグラフが6つあります。内容は、市場開放、移民、社会保険・医療保険、エネルギー、教育に関するものです。教育に関しては具体的に数学と理科の能力を引き上げて、ナノテク、スーパーコンピューター、代替エネルギー源などの技術開発を進めようといっています。3万人の数学と科学のプロフェッショナルが高校の授業で数学と科学を教えるようにするといっています。教育を大事にすることは洋の東西を問わず重要です。しかるに昨今の日本の大学は、。。。これについては後日に。

最後の1ページはA hopeful societyという書き出しで社会正義や倫理的な事項となっています。

さて、本題のエネルギー問題に関してですがAdavanced Energy Initiativeと称して、DOEを通じてclean-energy研究の予算を22%増額するといいます。具体的には、zero-emission石炭火力発電所、革新的太陽光・風力技術、クリーンで安全な核利用をあげています。

一方、自動車関連研究にも言及し、ハイブリッドや電気自動車用のバッテリー、水素自動車(燃料電池自動車に限らない)やバイオエタノール(コーンからのみでなく、木質チップ・枝、草からも)を具体的にあげています。バイオエタノールは6年以内に実用性も経済性も達成するとしています。

自動車だけを具体的に上げているのは「もうGMやFordには任せておけない。日本の会社に勝つには国家PJとして遂行する」という意味と思われます。

これらを通じで中東からの原油の輸入の75%を削減するという壮大な計画となっています。中東依存から脱却し、石油依存から脱却して環境を改善するとしています。

これに対してIPAA(Independent Petroleum Association of America)とNPRA(National Petrochemical & Refiners Association)の会長がそれぞれ声明を出しています。代替エネルギーの研究には是非力を入れて欲しいが、現在全エネルギーの65%を石油に依存しているのだから、国内の石油・ガス資源開発にも力を入れて欲しいといっています。また、石油・ガス製品の価格統制や管理体制を敷いたり、懲罰的手段を講じることのないようにして欲しいと要望も忘れていません。懲罰的手段とは、議会の一部から「石油会社は今年は棚ボタ的に儲けているのだから、特別に税金を沢山取れ」という声をけん制してのことです。

原文を読むことで日本の新聞で書いてある内容は同じでもそのニュアンスの違いが少し分かったような気がします。

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