蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

高橋邦弘さんの記事を読んで(1)

2007-11-20 | '07 SOBA

朝日新聞11月15日付夕刊に、高橋邦弘さんの紹介記事が掲載された。こうした記事から、高橋さんが蕎麦界においてどれほど大きな地位を占めているかが伺える。私の周りでも、友人、知人達が、「あの店の蕎麦は高橋さんの蕎麦には及ばない。」とか「この店の蕎麦は高橋さんの蕎麦を超えている。」とか発言するのを耳にする。こうした発言は高橋さんの蕎麦の質の高さを認めての言い回しである。私も高橋さんの偉大さを認める。それでも、高橋さんを超えなければ蕎麦の未来はないと考えている。

幾つかの流れが並立する伝統的蕎麦店に蕎麦の未来を託すことはできない。多面的性格を持っていた片倉康雄さんを継承した、「蕎麦料理店」的行方にも、蕎麦道具への特段の関心も蕎麦の将来に何ら新たなものをもたらすようには考えられない。さらに、現在、東京を中心に花開いているいわば「小料理屋」的蕎麦店にも、一方、何時間もかける手引きの臼による蕎麦にも首をかしげてしまう。色彩選別機の広がりも生産者をバカにしているといえるだろう。それゆえ、生産者は真面目にソバを作ろうとしなくなるのではないか。また、ソバの脱皮をせず「丸ヌキ」を買い求め石臼製粉をすることをもって「自家製粉」という蕎麦店が広がりつつあるのが、蕎麦界の前進であるといえるだろうか。
美味い蕎麦が食べられることがますます難しくなっている。


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