蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

栽培 (18)

2006-10-13 | 栽培
⑤  リン酸が、ソバの生育には重要であるが、それは作物には吸収されにくいというのを、比較的早い時期に知った。ある時、『肥料便覧』(「農文協」)で、VA菌根菌という微生物資材があることを読んだ。この微生物は、植物の根に共生し、胞子から菌糸を土壌中にのばし、リン酸を効率よく吸収して作物の生育を助けるのだという。
このことを知ったので、JAのKIさんに相談すると、彼があるメーカーの方と掛け合ってくれた。その結果この微生物資材を提供していただけることになった。ネギには非常に良く共生し効果が確認できているが、ソバでは判らないので試行してほしいということから話が進んだ。
同じ肥料の対照区を作り、一方にこの資材を投入してソバを栽培してみた。残念ながら、ソバ栽培の結果では、収量でも香りにおいても特別な変化はなかった。

EM菌をソバ栽培に用いたのは、1994~97年までの4年間である。①~⑤の試みもほぼこれと同時期であった。とりわけ、それぞれの栽培結果について述べて来なかったが、十分満足のいくソバは収穫できなかった。ただし、EM菌のボカシは、間違いなく収穫量を増加させた。
微生物の扱い、ボカシ肥料の作り方には難しい面があるので、私のソバ栽培への利用が十全なものであったかどうかは確証がないが。

私は、今は、作物栽培において微生物を次のように把握していけばよい考えている。
自然界には無数の微生物がいる。所与の自然条件の中で、いい基質が与えられば、それに見合った微生物が爆発的に増加する。それゆえ、例えば、大量の落葉などの畑への投入が、いい作物をもたらしてくれるのではないかと考えている。これが、現在の私のスタンスである。


最新の画像もっと見る