野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

秋の七草の一つ「キキョウ」(箱根の花 21-48)

2021年09月02日 06時23分19秒 | 

秋の七草の一つ「キキョウ」。日差しに透けた紫の花がきれいだ。万葉時代から日本人に愛されてきた花の一つである。「紫のふつとふくらむ桔梗哉 正岡子規 桔梗」。

(2021年夏 箱根)

■箱根の花

「ミツバツチグリ」(箱根の花 21-01)
「キジムシロ」(箱根の花 21-02)
「ミツガシワ」(箱根の花 21-03)
「バイカイカリソウ」(箱根の花 21-04)
「オオバキスミレ」(箱根の花 21-05)
「イワウチワ」(箱根の花 21-06)
「ミズバショウ」(箱根の花 21-07)
「トサミズキ」(箱根の花 21-08)
「バイカイカリソウ」(箱根の花 21-09)
「ウグイスカグラ」(箱根の花 21-10)
「ユキワリコザクラ」(箱根の花 21-11)
「エゾノツガザクラ」(箱根の花 21-12)
「アズマシロカネソウ」(箱根の花 21-13)
「ヒメシャクナゲ」(箱根の花 21-14)
「キバナイチゲ」(箱根の花 21-15)
「キバナノクリンザクラ」(箱根の花 21-16)
「ザゼンソウ」(箱根の花 21-17)
「サマニユキワリ」(箱根の花 21-18)
「エゾエンゴサク」(箱根の花 21-19)
「チングルマ」(箱根の花 21-20)
「オオカメノキ」(箱根の花 21-21)
「コシノコバイモ」(箱根の花 21-22)
「センボンヤリ」(箱根の花 21-23)
「エチゴルリソウ」(箱根の花 21-24)
「フリチラリア・メレアグリス」(箱根の花 21-25)
「シコクカッコソウ」(箱根の花 21-26)
「チシマゼキショウ」(箱根の花 21-27)
「ハルオコシ」(箱根の花 21-28)
「サキシフラガ・ルズナイス」(箱根の花 21-29)
「サギソウ」(箱根の花 21-30)
「フシグロセンノウ」(箱根の花 21-31)
「コオニユリ」(箱根の花 21-32)
「ミソハギ」(箱根の花 21-33)
「タチギボウシ」(箱根の花 21-34)
「ナガボノシロワレモコウ」(箱根の花 21-35)
「キレンゲショウマ」(箱根の花 21-36)
「キンミズヒキ」(箱根の花 21-37)
「ナツエビネ」(箱根の花 21-38)
「ヤマホトトギス」(箱根の花 21-39)
「ジャコウソウ」(箱根の花 21-40)
「レンゲショウマ」(箱根の花 21-41)
「ネムロコウホネ」(箱根の花 21-42)
「ホツツジ」(箱根の花 21-43)
「オミナエシ」(箱根の花 21-44)
「つゆくさ」(箱根の花 21-45)
「ヤマハハコ」(箱根の花 21-46)
「センジュガンピ」(箱根の花 21-47)

キキョウの基本情報
学名:Platycodon grandiflorus
和名:キキョウ(桔梗)  その他の名前:アリノヒフキ、ボンバナ、ヨメトリバナ
科名 / 属名:キキョウ科 / キキョウ属

特徴
キキョウは東アジアに広く分布する多年草です。日当たりのよい草原に見られますが、国内ではそのような場所が激減したため絶滅危惧種になっています。茎はまっすぐに伸びて高さ10~120cm、先端近くに直径5~7cmの花を1~10数輪咲かせます。根は太くまっすぐに伸びて、ニンジンを小ぶりにしたような形です。この太い根は漢方薬にも利用されます。
古来より美しい花が人々に愛され、万葉の時代から観賞されていました。かなり早くから園芸品種が成立していたらしく、貝原益軒の『花譜』(1694年)に「紫白二色あり。(中略)八重もあり」と紹介されています。また、1年後に刊行された『花壇地錦抄』(1695年)には絞り咲きや各種の八重咲き、「扇子桔梗(おうぎききょう)」と名づけられた帯化茎(たいかけい)のものなどがあげられています。
前田利保の命で編纂され、1853年(嘉永6年)に序文が書かれた植物図譜『本草通串証図(ほんぞうつうかんしょうず)』には、現在は見ることのできない緑色の八重咲きや濃い黄色、花弁が基部深くまで切れ込んでそれぞれが外側に丸まってウサギの耳のような形になる「兎耳桔梗」、花弁が平皿のような形になる「紋桔梗」などのほか、現在も見られる桃色やウズキキョウ、早咲きのものが彩色図で収録されています。
残念ながら、これらの多様なキキョウの園芸品種は、その多くが明治の中ごろまでに絶えてしまいました。現在はアポイギキョウ、ウズキキョウ、早生の「五月雨」、‘小町’のほか、八重咲きや二重咲き、またいくつかの色変わりがあるにすぎません。

基本データ
園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 日本を含む東アジア
草丈/樹高 15~150cm 開花期 6月~10月
花色 白,ピンク,紫 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 強い 耐暑性 強い
特性・用途 落葉性,開花期間が長い,耐寒性が強い,初心者でも育てやすい

 

桔梗 の例句(←ここをクリック)
http://fudemaka57.exblog.jp/23216688/


桔梗 補遺

《無歓び》てふこと桔梗捻り花 永田耕衣
おもかげをさだかにしたり白桔梗(西垣脩氏の忌) 細見綾子
かぼそくて地に伏す桔梗あきらかに 飯田蛇笏 春蘭
けふの暑ささめ行く門に桔梗花 右城暮石 句集外 昭和八年
こち向いてぽかりぽかりと桔梗かな 山口青邨
これといふことなくて咲く白桔梗 桂信子「草影」以後
しばらくは露の桔梗に座をまかす 中村汀女
せわしなや桔梗に來り菊に去る 正岡子規 菊
つゆけしや桔梗の八重は母の紋 山田みづえ 木語
はげまし言尽き枕辺の白桔梗 能村登四郎
まだ四囲の山の名知らず萩桔梗 中村汀女
まなこより鱗落ちたる桔梗かな 橋閒石 卯
みちのくの桔梗は濃ゆし妻つれて 山口青邨
むつかしくつぼむ桔梗の力哉 正岡子規 桔梗
もう桔梗咲く山國の田植かな 及川貞 夕焼
トルコ桔梗の拗ねて優しい紫色 楠本憲吉 方壺集
ホースの水桔梗の鉢覆へす 桂信子 草影
一度死ぬ再び桔梗となるために 中村苑子
一束の盆花桔梗なでしこと 細見綾子
一籠のこき紫や桔梗賣 正岡子規 桔梗
一輪の桔梗とおく教案簿 木村蕪城 一位
二度生の低き桔梗や花多き 正岡子規 桔梗
亡き友が遺せしひとや桔梗提げ 石田波郷
今年又養ひ得たり萩桔梗 正岡子規 萩
八ケ岳雲にうかべる野の桔梗 水原秋櫻子 残鐘
六月の桔梗湖の朝の音 岡井省二 前後
前生(さきしやう)の桔梗の朝に立ち昏らむ 中村苑子
十哲の像と桔梗と薄かな 河東碧梧桐
厨通りて桔梗の浸けてある 森澄雄
古井戸や露に伏したる萩桔梗 尾崎放哉 中学時代
可も不可もなき白桔梗青桔梗 斎藤玄 雁道
君が居は鳥居をくぐり桔梗濃く 山口青邨
嘆くまじ欺むかれても桔梗は紺 楠本憲吉 方壺集
土冷えてゐたる桔梗を剪りにけり 草間時彦 櫻山
夏帽に桔梗さしたる生徒哉 正岡子規 夏帽子
夏草にまじりて早き桔梗哉 正岡子規 夏草
夕焼の一瞬さめし桔梗かな 深見けん二
夕風の萩や桔梗や心細ソ 草間時彦 櫻山
夜が来て桔梗の丈となりにけり 岡井省二 前後
大江山降り出す雨に桔梗濃し 山口青邨
女らの花のデッサン桔梗より 亭午 星野麥丘人
姥神に手向けむ山の白桔梗 雨滴集 星野麥丘人
婿は見えたり見えなかつたり桔梗畑 飯島晴子
子等貧し桔梗ばかりを沢山に採り 木村蕪城 寒泉
密封の桔梗の薄次々と 阿波野青畝
寝苦しき鬼が踏みしか折れ桔梗 中村苑子
小さき小さき心字池あり桔梗伏し 山口青邨
山荘の露の桔梗や主病む 松本たかし
岩壁の亀裂千島桔梗もて埋め 福田蓼汀 秋風挽歌
峯々に桔梗高きもののうち 古舘曹人 樹下石上
嶺青し桔梗の中の放ち駒 橋閒石 雪
弱小の桔梗城いま花見城 平畑静塔
我よりも我と思へり山桔梗 中村苑子
手触れなば裂けむ桔梗の蕾かな 阿波野青畝
指の間のきらめきを過ぎ桔梗売 斎藤玄 狩眼
挿されたる壺に桔梗の一雫 桂信子 草影
断念の力つくして桔梗枯る 平井照敏 天上大風
旅の子の第一信や花桔梗 中村汀女
旅硯庭の桔梗は咲きにけり 正岡子規 桔梗
明日よりは桔梗折るべき人もなし 正岡子規 桔梗
普羅住みし北方に咲く桔梗かな 松崎鉄之介
朝敵といふ言葉あり白桔梗 山口青邨
来年さけよと桔梗のそのいろの空がきよう 荻原井泉水
東西南北いづこも濡れる濡れ桔梗 三橋鷹女
枝ふりの折るにたやすき桔梗哉 正岡子規 桔梗
枝ぶりの手折るに安き桔梗哉 正岡子規 桔梗
桔梗いけてこころよきいちにちなれや 大野林火 海門 昭和八年
桔梗いまするどき露となりゐたり 加藤秋邨
桔梗いろ剣ヶ峯まで花野富士 百合山羽公 樂土
桔梗が咲く彼等がトロの砕けよ 中川一碧樓
桔梗さき鴬の声且つ正し 川端茅舎
桔梗と挿して長しや青芒 富安風生
桔梗にけふのひかげの来て触れぬ 日野草城
桔梗にさしそめにけり大暑の日 清崎敏郎
桔梗にわれは一期の影おとす 飴山實 句集外
桔梗に日の落ちてゆく空ありき 飴山實 少長集
桔梗に朝の山気のみなぎりぬ 稲畑汀子
桔梗に稲妻うすきほむらかな 川端茅舎
桔梗のふくれきつたる宵の雨 鷲谷七菜子 一盞
桔梗のむらさききみはいづくにや  桂信子 草影
桔梗の一茎抜きて束ゆるぶ 石田勝彦 百千
桔梗の七宝の露欠けにけり 川端茅舎
桔梗の丈に風吹く山の昼 桂信子 草樹
桔梗の咲きすがれたる墓前かな 飯田蛇笏 山廬集
桔梗の実数へし今日と記憶せん(巨口先生長逝さる) 細見綾子
桔梗の庭に浅間の近さかな 上村占魚 球磨
桔梗の朝の紫さえ~と 日野草城
桔梗の花の中よりくもの糸 高野素十
桔梗の花の折目の紺正し 野見山朱鳥 愁絶
桔梗の花の紫花氷 高野素十
桔梗の花溺れしめ水切りす 能村登四郎
桔梗の莟の蒼き忌日かな 安住敦
桔梗の露きび~とありにけり 川端茅舎
桔梗の露につまづく山の音 角川源義
桔梗は画巻の縦に画きけり 河東碧梧桐
桔梗ぱつちり子なきもろ手は何抱かむ 鷲谷七菜子 銃身
桔梗ほか剪り来し花に遠き蝉 中村汀女
桔梗も痩せて喇嘛僧影の如し 臼田亜郎 定本亜浪句集
桔梗やおのれ惜しめといふことぞ 森澄雄
桔梗やしなのの露の置きどころ 上田五千石『風景』補遺
桔梗やすこし登れば氷室みち 百合山羽公 春園
桔梗やまた雨かへす峠口 飯田蛇笏 霊芝
桔梗やむかし碪の僧が妻 岡井省二 鹿野
桔梗や一群過ぎし手長蝦 前田普羅 普羅句集
桔梗や夕づきてきし浅間山 森澄雄
桔梗や将門の地と河へだつ 角川源義
桔梗や山の方には雲の隙 上田五千石 琥珀
桔梗や日日吉日のきツちきち 永田耕衣
桔梗や昼を濡らせる山の雨 森澄雄
桔梗や水を打つたる能稽古 森澄雄
桔梗や湖上に雨は降りいでぬ 及川貞 夕焼
桔梗や男もすなり首かざり 森澄雄
桔梗や男も汚れてはならず 石田波郷
桔梗や紀の川に対く古墳の門 角川源義
桔梗や藁うかびゐる朝の水 桂信子 花影
桔梗や隠れてこそのマリア観音 平畑静塔
桔梗をこのめるわれの一生かな 飴山實 句集外
桔梗をひたしあさかげあふれたる 日野草城
桔梗を咲かしむるまで溶岩老いぬ 富安風生
桔梗を土に横たへ新帰元 富安風生
桔梗を引き寄せて体空しけれ 永田耕衣
桔梗を打つて大粒山の雨 森澄雄
桔梗を焚きけぶらしぬ九谷窯 加藤秋邨
桔梗一本ここでひきまはされしかと 飯島晴子
桔梗一輪死なばゆく手の道通る 飯田龍太
桔梗刈て菊の下葉の枯し見ゆ 正岡子規 桔梗
桔梗向ひあひ向ひあひ滅ぶ弟 飯島晴子
桔梗咲くのみにて草のみだれける 水原秋櫻子 蓬壺
桔梗咲けば牛のからだに触るゝ 中川一碧樓
桔梗山下りくるひとの手もとかな 飯島晴子
桔梗折つて婆のつれ立つ彼岸哉 正岡子規 桔梗
桔梗折りゆくに墓参の人とあふ 木村蕪城 一位
桔梗折る妹が手もとのたゆげ也 正岡子規 桔梗
桔梗折れば撫子恨む女心 正岡子規 桔梗
桔梗活けてしばらく假の書齋哉 正岡子規 桔梗
桔梗活けて屏風は狩野の繋馬 正岡子規 桔梗
桔梗活けられしか依然不安にて 下村槐太 天涯
桔梗淋し陽を受け風を得てもなお 楠本憲吉 孤客
桔梗濃しいささかは去年語らせよ 中村汀女
桔梗眼前にそのいろの故郷かな 飯田龍太
桔梗笠勘十郎の好み哉 正岡子規 桔梗
桔梗見る眼を遺さんや素晩年 永田耕衣
桶に咲きし桔梗は秋や冷奴 渡邊水巴 富士
梅干すや桔梗の花の傍に 正岡子規 桔梗
武家屋敷いまに残れり白桔梗 山口青邨
母の裾桔梗こぼす露明し 小林康治 玄霜
母の骨土耳古桔梗の中に置く 石田勝彦 雙杵
水平線撓めり桔梗つぼむと記す 橋閒石 荒栲
温泉の道や通ひなれたる萩桔梗 正岡子規 萩
湯の山や時なし酒の萩桔梗 石川桂郎 高蘆
濃りんどう桔梗花市夜更けても 及川貞 夕焼
火の山の桔梗師とゐて露けしや 角川源義
烈日の美しかりし桔梗かな 中村汀女
熱下りて桔梗まこと鮮らしき 日野草城
物の芽の中に桔梗の芽出し哉 正岡子規 芽立
甕満つるまで桔梗買ふ病廊に 石田波郷
異境かな瑠璃遍照の桔梗咲く 小林康治 四季貧窮
登山靴千島桔梗に来てとまる 飴山實 句集外
白桔梗たましひぬけといひつべし 阿波野青畝
白桔梗の根も売りゐたり泉辺に 細見綾子
白桔梗一輪凛とひらきけり 日野草城
白桔梗白木槿みな海蔵寺 森澄雄
白桔梗眼にあり炎暑極まりぬ 日野草城
白桔梗砥部焼の壺すこし濡れ 桂信子 花影
白桔梗稲妻の尾のみだれざる 川端茅舎
白桔梗誰をとがむることもなく 星野麥丘人 2001年
百本の桔梗束ねしゆめうつつ 藤田湘子
盆灯籠すすき桔梗の絵の世が透き 古沢太穂 捲かるる鴎
盆花にして真白なる桔梗かな 清崎敏郎
盆花の白き桔梗を貰ひたる 細見綾子
盜人の塚の横から桔梗かな 正岡子規 桔梗
秋もはや桔梗の名殘花一つ 正岡子規 桔梗
秋近く桔梗は咲てしまひけり 正岡子規 秋近し
秋近し桔梗を契る別れ哉 正岡子規 秋近し
秋風に撫子白き桔梗哉 正岡子規 秋風
秋風や被りてみたき桔梗笠 亭午 星野麥丘人
秋風や造花の桔梗濃むらさき 山口青邨
種に刈る桔梗長く花一つ 正岡子規 桔梗
笠にさす那須野の桔梗花小し 正岡子規 桔梗
簾の垂りてはないろ淡き桔梗さく 飯田蛇笏 雪峡
紫のふつとふくらむ桔梗哉 正岡子規 桔梗
紫を秘めに秘めつつ白桔梗 相生垣瓜人 負暄
絵短冊桔梗なりけり西鶴忌 山口青邨
色変へてわが骨の過ぐ桔梗畑 飯島晴子
芝青き中に咲き立つ桔梗かな 河東碧梧桐
花籠に莟ばかりの桔梗哉 正岡子規 桔梗
茎長き菊桔梗など父に挿す 山口誓子
草桔梗牧師の名刺貼りて住む 阿波野青畝
草負ひの桔梗を過ぐ徒はだし 森澄雄
莟より花の桔梗はさびしけれ 三橋鷹女
萩桔梗されど花野の女郎花 細見綾子
萩桔梗またまぼろしの行方かな 赤尾兜子 稚年記
萩桔梗撫子なんど萌えにけり 正岡子規 草萌
萩桔梗草山赤き陽をよべば 三橋鷹女
藤袴笠は何笠桔梗笠 正岡子規 藤袴
西瓜わらん桔梗の花のつほむ頃 正岡子規 西瓜
訪ねしが女郎花はや桔梗はや 高野素十
貞操や咲く日の近き萩桔梗 三橋鷹女
赤富士の日が照りいだす岩桔梗 百合山羽公 寒雁
身を離れ影が佇ずむ白桔梗 中村苑子
辰雄偲ぶ何に彼にすべて白桔梗 林翔 和紙
送行の雨となりたる桔梗かな 森澄雄
鉛筆の線ひきのばし桔梗描く 阿波野青畝
銀屏の前桔梗の挿されけり 河東碧梧桐
銅瓶に白き桔梗をさゝれたり 正岡子規 桔梗
陶房の細筆ばかり白桔梗 石田勝彦 百千
雨はれて荒野の桔梗夕日照る 正岡子規 桔梗
雨風の桔梗ゆかねば悔のこる 三橋鷹女
雪野の桔梗とり来たばねる荒むしろ 松崎鉄之介
霧の香に桔梗すがるる山路かな 飯田蛇笏 山廬集
露晒し日晒しの石桔梗咲く 橋本多佳子
領布振りし昔の浜の草桔梗 阿波野青畝
風吹て桔梗あぶなき細り哉 正岡子規 桔梗
馬に敷く褥草にも萩桔梗 富安風生
麺麭を焼く妻の挿頭の白桔梗 日野草城



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