『NC:ニュースキャスター』に出演したゲストコメンテイターの「下嶋龍一」氏が、「オバマ新大統領」を評して
神が地上につかわした人
という言葉を使いました。実は、私も同じような印象を持っていました。
大統領選を通して、共和党の大統領候補「マケイン」氏は、彼に対して、時には“ぽっと出”と呼び、自らの経験の豊富さ・実績を強くアピールする戦術をとっていました。
確かに、「オバマ」候補は僅かに任期途中の上院議員1期(約3年)の経験しかなく、実績は「ゼロ」と言ってもよかったでしょう。
それでも、彼が各地の集会の中心で演説を重ねてゆく度に、まるで「与えられた」使命の如く気高く振舞う彼の姿を見た誰もが、心の中で
彼こそが、44代大統領になるだろう・・・
という想い(予感)を強くしていったのではないでしょうか?
「マケイン」氏がが過去の話をする度に、彼の輝きが薄れてゆくのを感じていた人々は少なくなかったのではないでしょうか?
前回お話したBSの特番では、「オバマ」候補の演説テクニックのポイントを「3つ」挙げています。
☆「主語」が「わたし」でなく、【みなさん(あなたたち)】
☆「キーワード」
☆「繰り返し」
①民主党アイオワ州党員集会 2008年1月3日
この大会は、「民主党」の予備選挙の【初戦】です。「ヒラリー」候補優勢の予想をくつがえしての勝利で、大きな弾みをつけることになりました。
勝利の立役者を「みなさん(あなたたち)」と言っています。(You have done!)
ありがとう、アイオワ。
彼らは言った“この日は、絶対に来ない”と。彼らは言った“我々の目標は高すぎる”と。
しかし、この1月の夜、この歴史的な瞬間に、みなさんは、成し遂げた!皮肉屋が“できない”と言ったことを。
みなさんは、成し遂げた!ニューハンプシャー州が5日後に成し遂げるであろうことを。
みなさんは、成し遂げた!アメリカがこの新しい年、2008年に成し遂げることを。
・・・・・
今、この瞬間に、 ありえないと思われていたことがワシントンの現状を打ち破った。
今、この瞬間に、 わたしたちは全ての党や年齢の人々を、共通の目的のもとに呼び集め、政治に参加しなかった人々に立ち上がる理由を与えたのだ。
今、この瞬間に、 恐怖と疑いと皮肉の政治を打ち負かしたのだ。この国を向上させる代わりに、わたしたちを引き裂いた政治を。
今、この瞬間に・・・。
・・・・・・
「希望」とは、シーダーラビッズで出会った若い女性の目の中に見たもの。彼女は、昼間は大学で学び、夜は働いている。病気の妹の医療費を払えないが、それでも、彼女は今も信じている。この国は、自分の夢をかなえるチャンスを与えてくれることを。
「希望」とは、ニューハンプシャーの女性の声に聞いたもの。「甥(おい)」がイラクに行って以来、不安でたまらないと話してくれた。彼女は、今も毎晩ベッドで彼の生還を祈っている。
「希望」…「希望」は、今日わたしをここに導いたもの。ケニア出身の父、カンザス出身の母と共に、そしてアメリカ合衆国でしか起こりえないわたしの物語と共に。
「希望」とは、この国の基盤だ。
まず「みなさん(あなたたち)」と呼びかける手法は、番組でアメリカ人にアンケートした“演説の上手い大統領は?”のベスト3の一人である「ロナルド・レーガン」の得意とするものです。彼は、ハリウッド出身という異色な経歴の持ち主で、「分かりやすく」語りかける演説で人気でした。また、自分の身の回りで起きた出来事を具体的に話に取り入れることも得意でした。それは、あの「キング牧師」とも共通しています。
②民主党ニューハンプシャー州予備選 2008年1月8日
もし、ここでも「オバマ」が連勝していたら、案外早くに「決着」がついていたかもしれません。実際に、直前の調査では「10ポイント」近く「オバマ」がリードしていました。それをひっくり返したのは、「ヒラリー」のあの【涙】でした・・・。
しかし、そんな予想外の敗北にも、「オバマ」はやがて彼の選挙戦の象徴となるひとつの有名な「キーワード」を発して、より高みを見据える演説をしたのでした・・。
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、この国の運命を宣言した建国の文書に書かれた宣言だ
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、奴隷や、奴隷廃止を目指す人々がささやいた言葉だ。自由を切り開くために、闇夜をくぐり抜けた時の言葉。
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、移民たちが口ずさんだ歌、遠い岸辺を出発した時に。
開拓者たちが、厳しい未開の土地を西へ進みながら口ずさんだ歌。
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、組合を作った労働者たちの合言葉。
選挙権を求めた女性たちの…
新しい開拓地に月を選んだ大統領の…
山頂へと導き、約束の地を示してくれた王の、言葉だ。
我々にはできる(YES WE CAN)、正義と平等を!
「敗れた日」の彼の目には、既に11月の「勝利」が見えていたかのような、落ち着き払ったその姿は、彼こそが“山頂へと導き、約束の地を示してくれた王”ではないのかという想いを抱かせたようにも思いました。
やがて、「ヒラリー」候補も撤退を受け入れざるを得ない日が訪れました。それは、、「オバマ」が正式に民主党の「大統領候補」に決まった日でもありました。
③民主党 全国大会 2008年8月28日
民主党の大統領候補としての「指名受諾演説」です。彼は、言います。“わたしは、けっして「独り」ではここまで辿り着けなかった(We can not walk alone.)”
夜勤の前に3時間しか眠れない若き学生の顔に、わたしは母を思う。
母は、大学に通いながら、ひとりで私と妹を育ててくれた。
食料配給券に頼ったこともあったが、学生ローンや奨学金を利用して、最高峰の学校に行かせてくれた。
女性が起業の難しさについて話す時、祖母を思い出す。
秘書として仕事を始め、女性ゆえに何年も昇進できなかったが、くじけず中間管理職まで上り詰めた。
勤勉に働くことの大切さを教えてくれたのは、祖母だった。
新しい車や洋服を買うのも後回しにして、わたしを優先してくれた。
自分の全てを、私に注ぎ込んでくれた。
もう長旅はできないが、今夜は見てくれているはずだ。今夜は、祖母の夜でもあるのだ。
マケインの考える「セレブの生活」とはどんなものかは、分からない。
だが、わたしの生活は説明したとおりだ。わたしの「ヒーロー」は、これらの人たちだ。わたしの人生を築いてくれたのだ。そして、この人たちのために選挙に勝ち、合衆国大統領として、この「約束」を守り続けていくつもりだ。
・・・・・・
アメリカの「約束」とは、何なのか? 我々は、それぞれ思いどおりに人生を生きる自由を持ち、一方でお互いを尊重する義務がある。それが、アメリカの「約束」だ。
政府は、我々に敵対するのではなく、我々のために働くべきだ。我々を傷つけるのではなく、助けるべきだ。
富と影響力を持つ者だけでなく、働く意欲のある全てのアメリカ人に機会を与えるべきだ。
それが、アメリカの「約束」だ。
責任は自分で引き受ける一方、ひとつの国として栄えたり衰退したりするのだという考え、兄弟を守る、姉妹を守るという、基本的な信念のことだ。
それが、我々が守らなくてはならない「約束」だ。
それが、今、我々が必要としている「変化」だ。
・・・・・・
この国は、他のどの国よりも裕福だが、「豊かさ」とはそういうことではない。
地上最強の軍隊を持っているが、「強さ」とはそういうことではない。
この国の大学や文化は、世界中の「あこがれ」だ。
しかし、世界がアメリカを目指すのは、それが理由ではない。
アメリカの「精神」、アメリカの「約束」ゆえなのだ。
道が不確かでも前進し続ける、
違いを乗り越え団結する、
見えるものでなく見えないものを見据え、その先のよりよい世界を追い求める、
その「約束」こそが、我々の最大の「財産」である。
娘たちを寝かしつける時、毎晩くり返す「約束」だ。
その「約束」ゆえ、移民は海を渡り、開拓者は西へ向かったのだ。
その「約束」ゆえ、労働者はストを行い、女性は投票権を求めたのだ。
アメリカよ、我々は後戻りできない。やりべきことがたくさんある。
多くの子どもたちを教育し、多くの帰還兵を助けなければならない。
経済を立て直し、都市を再建し、農村を救わなければならない。
多くの家庭を守り、生活を改善しなくてはならない。
アメリカよ、我々は後戻りできない。我々は、ひとりでは歩いていけない。
今、この選挙で未来に向かい行進すると「誓約」しなければならない。
その「約束」を守っていこう。アメリカの「約束」を。
そして、聖書のとおり、揺らぐことなく守っていこう、告白した【希望】を。
ありがとう、神の祝福を。アメリカ合衆国に、神の祝福を。
・・・・・・
神が地上につかわした人
という言葉を使いました。実は、私も同じような印象を持っていました。
大統領選を通して、共和党の大統領候補「マケイン」氏は、彼に対して、時には“ぽっと出”と呼び、自らの経験の豊富さ・実績を強くアピールする戦術をとっていました。
確かに、「オバマ」候補は僅かに任期途中の上院議員1期(約3年)の経験しかなく、実績は「ゼロ」と言ってもよかったでしょう。
それでも、彼が各地の集会の中心で演説を重ねてゆく度に、まるで「与えられた」使命の如く気高く振舞う彼の姿を見た誰もが、心の中で
彼こそが、44代大統領になるだろう・・・
という想い(予感)を強くしていったのではないでしょうか?
「マケイン」氏がが過去の話をする度に、彼の輝きが薄れてゆくのを感じていた人々は少なくなかったのではないでしょうか?
前回お話したBSの特番では、「オバマ」候補の演説テクニックのポイントを「3つ」挙げています。
☆「主語」が「わたし」でなく、【みなさん(あなたたち)】
☆「キーワード」
☆「繰り返し」
①民主党アイオワ州党員集会 2008年1月3日
この大会は、「民主党」の予備選挙の【初戦】です。「ヒラリー」候補優勢の予想をくつがえしての勝利で、大きな弾みをつけることになりました。
勝利の立役者を「みなさん(あなたたち)」と言っています。(You have done!)
ありがとう、アイオワ。
彼らは言った“この日は、絶対に来ない”と。彼らは言った“我々の目標は高すぎる”と。
しかし、この1月の夜、この歴史的な瞬間に、みなさんは、成し遂げた!皮肉屋が“できない”と言ったことを。
みなさんは、成し遂げた!ニューハンプシャー州が5日後に成し遂げるであろうことを。
みなさんは、成し遂げた!アメリカがこの新しい年、2008年に成し遂げることを。
・・・・・
今、この瞬間に、 ありえないと思われていたことがワシントンの現状を打ち破った。
今、この瞬間に、 わたしたちは全ての党や年齢の人々を、共通の目的のもとに呼び集め、政治に参加しなかった人々に立ち上がる理由を与えたのだ。
今、この瞬間に、 恐怖と疑いと皮肉の政治を打ち負かしたのだ。この国を向上させる代わりに、わたしたちを引き裂いた政治を。
今、この瞬間に・・・。
・・・・・・
「希望」とは、シーダーラビッズで出会った若い女性の目の中に見たもの。彼女は、昼間は大学で学び、夜は働いている。病気の妹の医療費を払えないが、それでも、彼女は今も信じている。この国は、自分の夢をかなえるチャンスを与えてくれることを。
「希望」とは、ニューハンプシャーの女性の声に聞いたもの。「甥(おい)」がイラクに行って以来、不安でたまらないと話してくれた。彼女は、今も毎晩ベッドで彼の生還を祈っている。
「希望」…「希望」は、今日わたしをここに導いたもの。ケニア出身の父、カンザス出身の母と共に、そしてアメリカ合衆国でしか起こりえないわたしの物語と共に。
「希望」とは、この国の基盤だ。
まず「みなさん(あなたたち)」と呼びかける手法は、番組でアメリカ人にアンケートした“演説の上手い大統領は?”のベスト3の一人である「ロナルド・レーガン」の得意とするものです。彼は、ハリウッド出身という異色な経歴の持ち主で、「分かりやすく」語りかける演説で人気でした。また、自分の身の回りで起きた出来事を具体的に話に取り入れることも得意でした。それは、あの「キング牧師」とも共通しています。
②民主党ニューハンプシャー州予備選 2008年1月8日
もし、ここでも「オバマ」が連勝していたら、案外早くに「決着」がついていたかもしれません。実際に、直前の調査では「10ポイント」近く「オバマ」がリードしていました。それをひっくり返したのは、「ヒラリー」のあの【涙】でした・・・。
しかし、そんな予想外の敗北にも、「オバマ」はやがて彼の選挙戦の象徴となるひとつの有名な「キーワード」を発して、より高みを見据える演説をしたのでした・・。
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、この国の運命を宣言した建国の文書に書かれた宣言だ
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、奴隷や、奴隷廃止を目指す人々がささやいた言葉だ。自由を切り開くために、闇夜をくぐり抜けた時の言葉。
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、移民たちが口ずさんだ歌、遠い岸辺を出発した時に。
開拓者たちが、厳しい未開の土地を西へ進みながら口ずさんだ歌。
我々にはできる(YES WE CAN)、それは、組合を作った労働者たちの合言葉。
選挙権を求めた女性たちの…
新しい開拓地に月を選んだ大統領の…
山頂へと導き、約束の地を示してくれた王の、言葉だ。
我々にはできる(YES WE CAN)、正義と平等を!
「敗れた日」の彼の目には、既に11月の「勝利」が見えていたかのような、落ち着き払ったその姿は、彼こそが“山頂へと導き、約束の地を示してくれた王”ではないのかという想いを抱かせたようにも思いました。
やがて、「ヒラリー」候補も撤退を受け入れざるを得ない日が訪れました。それは、、「オバマ」が正式に民主党の「大統領候補」に決まった日でもありました。
③民主党 全国大会 2008年8月28日
民主党の大統領候補としての「指名受諾演説」です。彼は、言います。“わたしは、けっして「独り」ではここまで辿り着けなかった(We can not walk alone.)”
夜勤の前に3時間しか眠れない若き学生の顔に、わたしは母を思う。
母は、大学に通いながら、ひとりで私と妹を育ててくれた。
食料配給券に頼ったこともあったが、学生ローンや奨学金を利用して、最高峰の学校に行かせてくれた。
女性が起業の難しさについて話す時、祖母を思い出す。
秘書として仕事を始め、女性ゆえに何年も昇進できなかったが、くじけず中間管理職まで上り詰めた。
勤勉に働くことの大切さを教えてくれたのは、祖母だった。
新しい車や洋服を買うのも後回しにして、わたしを優先してくれた。
自分の全てを、私に注ぎ込んでくれた。
もう長旅はできないが、今夜は見てくれているはずだ。今夜は、祖母の夜でもあるのだ。
マケインの考える「セレブの生活」とはどんなものかは、分からない。
だが、わたしの生活は説明したとおりだ。わたしの「ヒーロー」は、これらの人たちだ。わたしの人生を築いてくれたのだ。そして、この人たちのために選挙に勝ち、合衆国大統領として、この「約束」を守り続けていくつもりだ。
・・・・・・
アメリカの「約束」とは、何なのか? 我々は、それぞれ思いどおりに人生を生きる自由を持ち、一方でお互いを尊重する義務がある。それが、アメリカの「約束」だ。
政府は、我々に敵対するのではなく、我々のために働くべきだ。我々を傷つけるのではなく、助けるべきだ。
富と影響力を持つ者だけでなく、働く意欲のある全てのアメリカ人に機会を与えるべきだ。
それが、アメリカの「約束」だ。
責任は自分で引き受ける一方、ひとつの国として栄えたり衰退したりするのだという考え、兄弟を守る、姉妹を守るという、基本的な信念のことだ。
それが、我々が守らなくてはならない「約束」だ。
それが、今、我々が必要としている「変化」だ。
・・・・・・
この国は、他のどの国よりも裕福だが、「豊かさ」とはそういうことではない。
地上最強の軍隊を持っているが、「強さ」とはそういうことではない。
この国の大学や文化は、世界中の「あこがれ」だ。
しかし、世界がアメリカを目指すのは、それが理由ではない。
アメリカの「精神」、アメリカの「約束」ゆえなのだ。
道が不確かでも前進し続ける、
違いを乗り越え団結する、
見えるものでなく見えないものを見据え、その先のよりよい世界を追い求める、
その「約束」こそが、我々の最大の「財産」である。
娘たちを寝かしつける時、毎晩くり返す「約束」だ。
その「約束」ゆえ、移民は海を渡り、開拓者は西へ向かったのだ。
その「約束」ゆえ、労働者はストを行い、女性は投票権を求めたのだ。
アメリカよ、我々は後戻りできない。やりべきことがたくさんある。
多くの子どもたちを教育し、多くの帰還兵を助けなければならない。
経済を立て直し、都市を再建し、農村を救わなければならない。
多くの家庭を守り、生活を改善しなくてはならない。
アメリカよ、我々は後戻りできない。我々は、ひとりでは歩いていけない。
今、この選挙で未来に向かい行進すると「誓約」しなければならない。
その「約束」を守っていこう。アメリカの「約束」を。
そして、聖書のとおり、揺らぐことなく守っていこう、告白した【希望】を。
ありがとう、神の祝福を。アメリカ合衆国に、神の祝福を。
・・・・・・
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