本当に、「衝撃」でした・・・
私自身も含めて「日本人」が、こんなにも大切な「事実」を“知らない”ということが・・・!
「少子高齢化」とか、もうホントに「耳タコ」なくらいに聞きます。
“女性が生涯に産む子供の数(「未婚」も含む)”を「特殊合計出生率」と言うそうで人口を維持するためには「2・07」くらいが必要なのに、日本はずっと以前から「下回って」います。
最新(2011年)の数値は
「1.39」なのだそうです。
「少子化」というのは
“結婚しても、子どもは作らない(産まない)”
という「スタイル(生き方)」が増えたからなのかとか思っていました・・・。
ところが、
“産みたいのに、産めない”
つまり、【不妊】によるものも少なくないようです。
この「NHKスペシャル」を最初に観たのは6/23(土)でしたが、始めの方は見落としたのでずっと「再放送」を待っていました。
やっと、忘れた頃の7/3(火)の未明(3:00)に再放送されました・・・。
日本人の「夫婦」で【不妊】に悩んでいるのは“何組に1組”だと思いますか・・・?
「街角の声」では、「1000組(に1組)」とか「200組」「50組」などが出ました。
正解は・・・
「6組に1組」 【不妊】の「治療」や「検査」を受けたことがある夫婦
悩んでいても、実際に「行動」しない」夫婦もいるから、きっとその割合はもっと増えることなんでしょう!
実は、日本は「不妊クリニック軒数」「体外受精件数(年間21万件)」ともに【世界一】の、
“不妊大国”だそうです。
「体外受精件数」は“5年間で「倍増」”しているそうですが、こうした「不妊の急増」の原因が【卵子の老化】にあるそうなのです。
☆卵子の老化☆
「卵子」は歳を重ねると「質が低下する」のです。
その「衝撃の事実」に直面しているのが、30代後半~40代の女性たちです。
しかも、治療を始めるまで
“卵子が老化する”という事実を知らなかったのです。
不妊治療をしている女性の声:
☆30代で「老化」と言われるとは、思ってもみなかったですね・・・
★もっと若いうちに正しい知識があったら、今は隣に子どもがいたんじゃないかなって・・・
最新の治療を用いてもなかなか妊娠できないケースが相次いでいるそうです。
不妊専門クリニックの医師の声:
☆(治療に来るのが)何年か前だったら、自然に赤ちゃんに恵まれていたかもしれない。
そういった方が非常に増えてきていることを危惧していますね・・・
「背景」に何があるのか? 『NHK』では、
“不妊治療をした「8,000人」”と
“全国の医療機関”にアンケートを行なったそうです。
浮かび上がってきたのは、“女性の社会進出が進む”一方で“妊娠・出産を考慮してこなかった社会”の姿だったのだそうです。
41歳 女性:
キャリアが落ち着いてから子どもを持つことを検討しましたが、既に妊娠しにくい年齢になっていました。
仕事を持つ女性にとって、厳しい社会だと思います。
43歳 女性:
思うように治療を受けられない現実。仕事か、治療か、そんな選択を迫られる社会。
出口のないトンネルです。
更に、
「夫の無関心」が女性を苦しめていることも見えてきたようです。
41歳 女性
夫に、治療についての理解を得られず苦労しました。不妊治療は「体力的」「精神的」にも「金銭面」でも負担が大きく、パートナーの理解が不可欠だと思います。
今、
“卵子の「老化」による【不妊】”は、「先進国」共通の課題だそうです。
とりわけ、「日本」では対策が遅れ、深刻な事態に陥っていると指摘する専門家もいるそうです。
海外の専門家の声:
日本は、「不妊」についての正しい知識が不足している上に、「不妊」について話すことすら避けてきました。そのことが、「不妊」を次々と生んでいるのです。
このままでは、日本は「次の世紀」を生き延びることは、できないでしょう・・・。
鳥取県米子市に全国から患者が集まってくる「不妊治療専門」のクリニックがあります。日本の不妊治療の先駆けで、20年以上の「実績」があります。
院長は、「体外受精」によって「3,000組」以上の夫婦の妊娠・出産を成功させてきました。
「卵子の老化」に、日々直面していると言います。
35歳以上の患者が年々増え、今では「7割」を占めるようになっています。
取材の日に訪れていたのは、「41歳」の女性でした。
自然に妊娠することが難しいため、「体外受精」を行うことになりました。
「卵巣」の中の「卵胞」と呼ばれるものを専用の「針」を使って吸い出し、素早く中に「卵子」が入っているかを調べます。
「卵子」のない「空」の「卵胞」ばかりが続きます・・・。
「15分間」かけて「卵子」を採取しました。夫の「精子」と「受精」させました。
この後が、
“卵子の老化”の影響が顕著に現れるのだそうです。
20代の女性の「受精卵」です。活発に「細胞分裂」を繰り返し、やがて「胎児」へと成長します。
次は、「40歳の女性」の受精卵です。(3個とも)
ところが、受精から「4日」、3個のうち「2つ」の成長が「止まって」しまいました。
“卵子の老化”によるものです。「30代後半」から、こうした卵子の割合が増えていくのです。
体外受精の成功率は、“35歳で「16・8%」”ですが、“40歳で半減し、「8・1%」”に・・・
“45歳では、わずか「0.5%」”にまで、下がります。
男の「精子」は“日々造られる”のですが、女性の卵子は全く違います。
「卵子」は、“生まれた時から、体の中にある”のです。
“卵子は、新しく作られない”
女性が年齢を重ねるほど、
“数は減り、質は低下する”のです。
医師の声:
受精卵が持っている「生命力」が若い方の「卵」に比べれば、弱い。
なかなか思うように妊娠していただけない、治療効率が悪くなるということが、日々現実に突きつけられている訳で、そういうものに対して必死に闘っている。
“自分の卵子が「老化」している”
という事実を、多くの女性が
“診察室で初めて知らされる”のです。
“卵子の老化による不妊”
がどれくらい広がっているか、『NHK』が全国の「医療機関」にアンケートを行いました。(初診患者の平均年齢を聞きました。)
「10年前」には、「35歳以上」だったと答えた医療機関は全体の「20%」でした。
それが、「去年」の平均年齢が「35歳以上」と答えた医療機関は、なんと「77%」にも上りました。
こうした「患者」(女性)たちに
“体外受精をすれば、「何歳」まで妊娠できると思うか?”
と訪ねたところ・・・
“「45歳」まで出来る(と思っている)”
と答えたのは、半数以上の「53%」でした。
“「50歳」まで出来る(と思っている)”
と答えた人も「17%」(6人に一人)も、いました・・・!
もう一度、グラフを見てください。
“「45歳」の体外受精の「成功率」は、わずか「0.5%」”
なんです。
“「卵子の老化」を知らないまま、「不妊」に陥ってしまう”
という人たちが急増しているという実態が浮かび上がってきたのです。
“卵子の老化による「不妊」”は、患者を「肉体的」にも「精神的」にも追い詰めます。
クリニックに通う「40歳」の女性です。
「2年前」ここに来て、初めて「卵子の老化」を知りました。
体外受精を前に、「毎日」“卵子を採取しやすくする”ための「注射」を打たなくてはなりません。
彼女が、あるものを取り出しました。
それは、この2年間に体内に戻した「受精卵」の写真です。
これまでに、「子宮」に戻したのは「6個」です。
いずれも、うまくいきませんでした・・・。
女性の声:
受精卵、受精卵、「卵」って呼んでますけど、やっぱり既に「命」があるって思っているので・・・
余計、ダメだった時に、ショックと言うのですかね・・・この子たちに「申し訳ない」と・・・
「10年前」に建てた家には、“誰も使ってない”部屋があります。
やっぱり、早く使える日が来ないなかなぁとは思ってますね。ちょっと、空回りしていますけど今は・・・。
はい、早く使える日がくるといいなと思っています。
「卵子の老化”による「不妊治療」は、「保険」の対象にはなりません。
彼女が、これまでの「6回」の治療に掛けた費用は、およそ「180万円」です。一部「助成金」が出ますが、大半は「自己負担」です。
“40歳で体外受精がうまくいくのは、「1割に満たない」”と医師から説明されています。
それでも、彼女は「7回目」に臨もうとしています。
卵子も老化してくるし、卵巣もだんだん弱ってくるので、できるだけ早く「結果」を出したいという気持ちがあるので・・・、焦ってると言われればそれまでなんでしょうけど、「休んでなんかいられない」って感じですね・・・
“子どもが欲しい”という患者の「切実な想い」を受け止めてきた「医師」にも、どうすることもできない“卵子の老化”という現実を前に、苦悩を深めています・・・
多くの方が「結果」が出なかった時に涙を流されて、ガッカリされて失意の表情をされるわけですよね。ですから、我々としては「ご夫婦」になんとしても喜んでいただきたい、「夢」を叶えてさしあげたいという思いでやってますけど、そういう(結果が出ないという)「現実」にぶつかりましてね・・・、申し訳ない気持ちも生じますし、自分たちの「無力さ」ということもすごく感じますよね・・・
☆ ☆ ☆ ☆
なぜ、“卵子の老化”による「不妊」がここまで広がったのか?
今回、行なったアンケートから
“女性を取り巻く「社会」や「環境」の変化”が、その背景にあることが見えてきました。
44歳 女性:
私の世代は、「女性総合職」として期待され始めた世代で、出産どころか「結婚」自体はばかられた時代でした。
37歳 女性:
私は、いわゆる「ロストジェネレーション」の世代、「就職氷河期」だった。それでも、なんとか得た「正社員」の職。努力し続けていたら、いつの間にか「30代」になっていた・・・。
41歳 女性:
キャリアが落ち着いてから、子どもを持つことを検討しましたが、既に妊娠しにくい年齢です。
仕事を持つ女性にとって、厳しい社会だと痛感しています・・・。
つづく・・・