回遊草(KAI YU SO)

さすらいの乙男妄想オヤジの妄想ブログ。あらゆるジャンルのカワイイを中心に浮気中?でも、惚れてるのはやっぱり「ミク」かな?

ありがとう・・・

2009-01-29 18:49:50 | 倖田來未(くぅちゃん)
「最高」の歌姫を見たことがないし、「最高」のアルバムがどんな物かも知らない。

だから、僕は“くぅちゃん、最高!”とか“『TRICK』、最高!”とかは言えない。

「アンチ」がいるし、「嫌い」だという人もいる。


ただ、そこに『TRICK』がある。それだけで、充分。それ以上、何を望むのか・・・。

ただ、それに「委ねれば」いい・・・。難しく考えなくてもいいじゃない・・・?

生まれたばかりの赤ちゃんは、何も知らない。何も考えない。ただ、目にするもの、手に触れるものに「興味」を示す。時には口に入れて、その感触を「楽しむ」。

だから、僕らは倖田のくれた「おもちゃ」をただ楽しめばいい・・・。



倖田は、「J-POP」の中でも「異質」だと思う。

「GReeeeN」や「コブクロ」や「絢香」や、「EXILE」でさえも、確かに「J-POP」の香が漂う。

それらは、「日本料理」のような“素材の持ち味を活かした繊細な味付け”。日本人シェフが作れば、フレンチもどこか懐石料理に通じているように・・・。

いつから「アーティスト」と呼ばれるようになったかは知らないが、倖田はそんなシャレたもんじゃない!

「ショーガール」でいいんじゃない? 彼女は、ただ居心地のいいイスに腰掛けさせて音楽を聴かせるのじゃなくて、「ショー」を見せるんだ。立ち上がって、全身で音楽を楽しませるんだ。
アートじゃなくて、「パフォーマンス」なんだよ。
歌うだけの「アーティスト」(もちろん、それはそれで素敵なこと、人たちだけどね)じゃなくて、歌って踊れて芝居も出来る?w「エンターティナー」なんだよ。


倖田の作る「音楽」は、スパイスをたっぷり効かして煮たり焼いたり揚げたり・・・w かなり、クセがある。おまけに、料理好きだから次々に新しい「皿」がテーブルに並ぶ・・・w

ダイエットしないの・・・?w よく飽きないね・・・?www
(「金儲け」だろって、言いたければいいよ。)



「サザンオールスターズ」は、30年間もトップを走り続けた。後にも先も、そんな奴らはいない。事実上の「引退」を決めた年に「1位」を出すなんて、「横綱」が優勝した次の場所に引退するみたいなもの。

そんな彼らもデビュー当時は、“歌詞が聞き取れない”とか“ふざけている”とか散々に言われた時期があった。「時代より先を行っていた」から。
けれど、彼らはそのスタイルを変えなかった。やがて、時代が彼らに追いついた。それから、彼らはずっと時代に愛された・・・。
彼らは、それだけ音楽が「好き」だった。ただ、好きだった。



僕は想う。“倖田も時代の先を走っている”と・・・。

いつか、時代が倖田に追いつく時があるかもしれない。

2006年の「ブレイク」は、たまたま。「エロかっこいい」「エロかわいい」に、「世間」が飛びついただけだったのかもしれない・・・。

たぶん、倖田は「日本」の枠を超えている、少なくとも彼女自身は「超えよう」としているに違いない。

「アジアツアー」も考えられるけど、僕はむしろその「先」が彼女には相応しいとさえ想える。

「ショービジネスの本場」アメリカも行きたいけど、まずは「ヨーロッパ」が今の倖田には似合う。

フランスやスペインには、日本「ヲタク」も多いと聞く。
(『Bling Bling Bling』なんか、大昔に観たライザ・ミネリの映画『キャバレー』の中の『マニーマニー』みたいにも聞こえた。あれは、第二次大戦の「ベルリン」が舞台だった・・・。)

彼女(&ダンサー)のステージ(パフォーマンス)は、既に「世界」のレベルにあると思う。個々の能力・技能では負けているかもしれないが、「チーム」としての「一体感」は日本人の凄いところ・・・。それこそ、日本料理のような「繊細さ」を持ち、誰もを唸らす「仕上げ」の上手さもあるし。


この『TRICK』を聴いて、泣いた曲がある。

『Moon Crying』?






そうじゃない。


最近、「泣ける曲」とか「泣ける話」とかが多い。CM前にそんな「映像」が流れて、“さて、その訳は…”みたいに「引っ張る」とか・・・w
たぶん、時代が「泣くこと」を求めているんだね・・・。



「徳永英明」さんは、本当に素敵な声ですね。僕は、本当に「音痴」で、カラオケは「超」苦手です・・・。

本当に羨ましく思う。けど、それが「悩み」「苦しみ」になることもある。

倖田も、対談で“素敵な声で・・・”と自然に誉めたら、すかさず

  “声だけ? 歌は・・・?”

と、苦しかった時のことを明かした。



倖田は、歌が上手い。歌唱力がある。と言われる。でも、歌が上手い歌手、歌唱力のあるアーティストは、たくさんいる。

  “歌が上手い”

は、歌手(アーティスト)への最上の「誉め言葉」だろうか?

「歌を歌う」ことの一番大切なことは、なんだろうか?

「上手く歌う」こと? 違う気がしない?



僕は、歌い手の一番大切なことは、「想いを伝える」ことだと思う。

喜び、悲しみ、怒り・・・、上手いとか下手だとかじゃなく、いかに「想い」を伝えるかが大切だと思う。“歌が上手いなぁ…”と思わせるうちは、まだ未熟なんじゃない・・・?






このアルバムに隠された「トリック」は、何? シャイな彼女がイタズラっぽく笑うクラウンの「化粧」の下に隠した「トリック」は、何?


当たり前だったことは、「歌手」であること。「歌える」こと。


自らの「過ち」が奪ってしまった当たり前。出口の見えない長く暗い「夜」という暗闇。誰よりも全力で走り続けてきたのは、立ち止まったら死んでしまう「回遊魚」だと思い込んでいたから?


辛く長い「試練」の時を乗り越え、「倖田」は変わったと思う。(「長さ」とは、必ずしも、誰にも同じ時の歩みであるとは限らない)


10曲の新たな歌の全てが、「リアル」な倖田の心を映す鏡のようだ。

「愛」が好きな倖田。「愛」を歌ってきた倖田。でも、愛を求めすぎて見失うことだってある。

今も変わらず倖田は、愛を歌っている。でも、その「愛」の中身が変わってきているように思う。ひとり占めするのではなく、誰にもあまねく行き渡るような慈しみのこもった「愛」に。

四捨五入したら「アラサー」の、シャイな少年のような心を持った歌姫は、悪戯っぽくいくつもの「トリック」に「感謝」や「幸せ」を隠しているよ。

『stay with me』や『Moon Crying』でさえも、このアルバムの中では更に「優しさ」「切なさ」が増して聞こえるのは、どうしてだろうか?

僕が特に好きなのは『Moon Crying』~『愛のことば』の流れだ。

『Joyful』は、タイトルからして「ゴスペル」で、まるで彼の「プロポーズソング」のようにも聞こえる。『愛のことば』は、正に「ウェディングソング」で(この曲で、「キャンドルサービス」をしたら、素敵じゃない?)、なんだか「倖田」が「結婚宣言」をしているみたいだ・・・w

『Joyful』は、また倖田自身の「決意表明」にも聞こえる。と言っても、「悲愴感」とかからじゃなくて、「歌える」ことに対する「感謝」「歓び」の心に満ちた・・・。



僕が泣いた曲は、この『Joyful』だった・・・。


そうだ、この曲だ。そうそう、この「声」なんだよ。

そう気がついたら、涙が溢れてきた。うれしくて・・・。「辞め」ないでくれてよかった・・・。

僕は、倖田のこの声が好きだ。誰が何と言おうと、倖田が好きだ。どんな騒がしいところでも、自分が何をしていようが、僕は「倖田」の「声」を聞き分ける。

それは、迷子の子どもが母親の声を聞き分けるように。

それは、安心感。それは、「幸せ」のよりどころ。

どんなに上手く歌ったって、誰も「倖田來未」にはなれない。それは、誰にも負けない「優しさ」と「温かみ」を持った、誰のでもない、世界中でたったひとりの「倖田來未」だけの「声」なのだから・・・。



このアルバムがいいか悪いとか、上手いとか下手とかじゃない、☆の数なんか分からない。

僕が言える言葉は、ひとつだけ。













                             ・・・ありがとう