月曜に出かけたついでに図書館によって『河社(かわやしろ)』を確認してきました。
契沖が『竹取物語』について書いているのは3頁位だけなのですが、参照した書籍は仏典・漢籍・記紀など多岐に亘っています。
現在は出典などを調べる時には、パソコンを使って豊富に提供されているデータベースを利用して比較的楽に引用箇所の確認ができる、ということもありますが、自分の知識だけに頼っていた昔は大変なことだったと思います。
契沖が『竹取物語』の材料になっていると挙げているものは、『寶樓閣経』『後漢書西南夷伝』『史記・趙世家』「智度論」『西域記』「呉録」『捜神記』『史記・三代世表』で、『古事記』『日本書紀・神代紀』にも触れています。
『河社』を見た時点で、「ふ~~~ん そうだったんだ!」で終わっておけばいいものを、やはりここまで行ったらこれらの引書についても原本の確認をしなくては!と。
それで頑張っているのですが、なかなか思うように作業が進みません。
『寶樓閣経』というのは、先日書いた『廣大寶樓閣善住祕密陀羅尼經』の序品のことだと思います。
『史記・三代世表』は、とりあえず新釈漢文大系で確認しました。
『後漢書』『史記』『西域記』『捜神記』などは確認しやすいと思うのですが、問題は「呉録」です。
ちょうど今のテキストで「呉録」が取り上げられていたので、昨日原本について先生に伺ったところ、京大の漢籍目録にでていますとのことだったので、帰宅後早速京大の漢籍データベースで調べてみました。
先生は出版物をご覧になっているとのこと、誠に申し訳ないですが私は手抜きしてネットで!
『説郛』(一百二十きゅう)なるものに収まっていることを知りそれにあたったのですが、「呉録」には契沖が引用している文章が見当たりません。これは参った!
探し方が悪かったのか?
「呉録」に異本があるのか?
それとも契沖の勘違いで、別の本のことなのか?
これは契沖に関する研究書を読んだ方が早いかな?
と考えて、今ググってみたところ、やはり有りました。
笠間書院から、大井田晴彦『竹取物語 現代語訳対照・索引付』が11月上旬に出版されるようです。
来月では有りませんか!
なんというタイミングでしょうか!
笠間書院の出版案内の記事に、付録(仏典・漢籍・伝承・物語など参考資料)と有りますので、知りたい情報が載っている可能性があります。
これは出版が待ち遠しいです!
それまでの間に自力で確認できる範囲で確認しておこう!
むむ~~~~???
笠間書院からは出版案内が届いているはず。
もしかして此の本の出版を読み落としていたか?