臓器移植法改正案:衆院可決 一歩前進、時期尚早 一人でも多くの子救って
◇提供側の苦悩知って
臓器移植法改正案A案が18日衆院で可決され、現行では禁止されている15歳未満からの臓器提供へ向けて進み始めた。移植を待つ子を抱える家族や支援グループは「参院でも可決して」と期待を寄せるが「時期尚早」との声も出ており、A案可決は複雑な波紋を広げている。【内藤陽、金子淳、田中裕之】
「長かったね」。NPO法人「日本移植支援協会」北海道支部長の斉野亮介さん(35)=札幌市豊平区在住=と妻の真由美さん(39)は長女朱里(あかり)ちゃんの遺影がある仏壇に手を合わせた。朱里ちゃんは生まれつき重度の心臓病などを抱えていた。国内で心肺同時移植ができないため渡米したものの「移植適応外」で移植できずに、00年2月に1歳で他界した。
その後、道内で臓器移植のため、海外渡航した子どもは少なくともほかに2人いるといい、斉野さんは「海外渡航は本当の最後の手段。わが子を救うため、わらにもすがる気持ちです。(A案可決は)一歩前進。一人でも多くの子どもの命を助けてほしい」と期待する。
十勝管内豊頃町出身の自衛官、山保幸己(さんぽこうき)さん(32)=横浜市在住=の長男一己(いっき)ちゃん(1)は5月23日、米カリフォルニア州の病院で心臓移植手術をした。手術費用の不足分は募金で集め、4月15日に渡米したが、手術までに時間がかかり、体力が低下したことなどから、術後の状態は安定していないという。
豊頃町在住の祖父の登さん(57)は「国内で早く移植できれば、一己にも周りにもこんなに負担が増えることはなかった。いろいろな議論があると思うが、A案が通れば喜ばしい」と話す。
一方「北海道交通事故被害者の会」代表の前田敏章さん(60)は「臓器の提供を受ける側の立場ばかりクローズアップされ、提供する側の苦しみが見逃されている」と批判する。
A案では、本人が生前に拒否していない限り年齢にかかわらず家族の同意で臓器提供が可能とされるが、前田さんは「家族は、臓器提供に同意しても断っても『これで良かったのか』と悔やむ。臓器提供するか聞くこと自体が非情。もっと議論する必要がある。参院は良識の府として廃案にしてほしい」と訴えた.。
急な事故等で死亡してしまった家族を悼む間もないうちに、
「臓器提供して欲しい。」と、家族の死を待っていたかのような事を言われたら、悲しみの底にある事故被害者の家族は、どんなにつらい事だろう!
そして、その頼みを断ったために、誰かが死を迎えざるを得ないと聞かされたりしたら、どんなにパニクル事だろう!
「送り人」という日本映画が世界の話題になり、
古来よりの日本人の家族を送る時の、細やかな情緒が話題になったところだけれど、、
死んだばかりの家族の臓器を、見ず知らずの人に提供する為に、
切り取って良いかどうかを、一刻を争って決めねばならないというのが、
普通の人間の普通の家族の送り方になるかもしれないなんて、
ちょっと残酷過ぎるのではないだろうか!
脳死の段階では心臓はまだ動いているという。
その段階で、家族の体に麻酔もなしで、メスという刃物が入れられるのを、
可哀そうな人を助けると思って、容認してくださいと泣きつかれたら、
どちらを選んでも、選んだ家族は煩悶する事になるに違いない。
只でさえショックな家族に更なるストレスを与えて、
その家族が病気にならないという補償が、何処にあるというのだろう。
例え社会的不正義、不法行為(誘拐とか借金のかたに取られる)とかは、
警察がきっちり取り締まって、起こさずに済ます事が出来たとしても、
脳死した家族に臓器提供を迫る事を許す法改正は、やっぱりするべきではないと思う。
病人やその家族が、自分達の事しか見えなくなってしまうのは、仕方ない事かもしれないけれど、
此れを法律で許す事は、絶対にするべきでないのではないだろうか?
この問題に関してお玉さんの所のコメント欄で、ある人が『脳死というのは、考える事も出来ず、機械が無ければ呼吸すらも出来ない状態です。
私がそんな状況になれば、とっとと殺して臓器移植して欲しいですよ。』
自分は、脳が死んで自我が何もない状態で身体だけ生きている上体が耐えられない、という意見ですね。
これって案外健康で若い人なら大概の人が多かれ少なかれ考えている事ですよ。
例えばスポーツ選手なら競技で大怪我をして半身不随に成れば生きて居たいとは思わない。
しかし生まれつき半身不随ならどうするのですか。?
これは強者の傲慢ですよ。
生と死。人間とそれ以外。簡単に別けれる様で考えて見ると難しい。
脳幹だけが機能していて自分で考える事が出来無い植物状態や最初から大脳小脳が無い無脳症児はコメント氏の考えでは『とっとと殺せ』に成りかねない。
脳が機能していれば生きている事になるのか。?
屁理屈を言えば、脳が無くても生きている生命体の方が地球上に多くいますよ。
物事、今回の移植法のように厳格に別けれない。
人と人以外だって考え方は色々です。アメリカのキリスト教原理主義者たちは『受精卵は人』と定義して、妊娠中絶を行った産婦人科医を殺しています。
仰るとおりだと私も思います。
出来れば臓器移植など止めてもらいたいところなのですが・・・・・
昔海音寺潮五郎だったかと思いますが、子供の頃の鹿児島での話、
死罪になった者の体から、夜中にこっそり肝臓を取ってきて、滋養になると言って食べるという習慣があり気持ち悪かったという事を書いておられたのを思い出します。
死体から取った臓器で生きながらえるということが平気であるということにも、
此れと一脈通じるものが有るような気がし
どうも違和感を感じるのです。
それに臓器シンジケートなどという物騒な噂話も色々聞かされていますし・・・・
自分の生まれつき与えられた体を大事にして、その臓器では生きられなくなった時を、
死なざるを得ない時と諦めるという此れまでの死生観で生きる方が、
結局みんなの為になるのではないかと思います。
全部使っていただければ良い」という立場です。
ただし今回の法律で問題になる部分は、本人の意思が
カードで確認できない場合は、「家族の同意」があれば
それでいい、という部分です。
日本では既に、世帯数の6割が「独居世帯」です。
大都市では、この割合はずっと高くなります。
老老介護で80代の親は要介護、50歳代の子供は
若年性認知症 - などといった悲惨な家族があります。
DVの恐れから、シェルターで暮らす母子家庭があります。
サザエさんのような「絵に描いたみたいな幸福な大家族」などは
アニメの世界にしか存在しないようなのです。
万一の時に、誰が「家族」として私のために
判断をしてくれるか、それが問題です。
仰る通り近親者が無い場合も想定せねばなりませんねね。
そういう時は、従兄妹、はとこ、甥姪に判断させるということなのでしょうか?
これも又大変ですね。
今までもアメリカでの手術費用数億円をみんなでカンパする美談とかが描かれている。
移植には実はトンデモナイ事実が隠されているのですよ。
報道の手術後の『移植したら元気に』は大嘘で元の元気な身体にはならない。
移植が成功しても生存年数は12年程度で天寿を真っ当出来る訳ではない。
(臓器が足りないので移植患者の待機期間が日本では15年との説もあるが計算が合わない。)
それ以上は今の技術では無理がある。(免疫抑制剤の投与はエイズ発症と同じようなリスクがある)
40~50歳の人にとっての12年の寿命の延長は有難い話でしょうが、幼児にとっての12年後とは『思春期に自分が死なねばならない』と言う残酷極まりない話ですよ。
元々儲からない救急医療や小児医療は医療費の削減で、崩壊状態です。
脳死移植で一人を助ける同じ費用で、数十倍の人が助かる可能性が有る。
臓器移植などの高度医療はトンデモナク金がかかる。(金がかかるとは、損をする人もいるが反対に誰か 儲ける人もいる)
しかも心臓移植では完全に死んだ心臓は移植できないので無理やり生きている人間の心臓を北斗の拳の台詞の様に『もうお前は死んでいる』として取り出しているとする説も有ります。
一律のX検査での癌検査は経費の無駄だけではなく実はメリットより放射線障害などのリスクの方が大きいとの報道も有りましたが、臓器移植したら平均余命が伸びるメリットがあるとの比較調査はないそうです。
手術の有るなしは、殆んど平均余命には関係ないとの報告も有りました
移植を15年も待つ事が出来る人が、、
すぐ移植してもらう事が出来ていたら、
12年しか生きられないとしたら、
かえって命を縮められている事になりますね。
それに思春期に死なねばならないと思いつつ生きるのは、悲劇ですよね。
悲劇を作るために、まだ生きている人の心臓を取り出すというようなことになるとしたら・・・・・
何処から考えても、やっぱり臓器移植は止めておいたほうがよいと思われますね。