さあ、また出かける暇がないのでお茶濁しの始まりです・・・。
黛敏郎「曼荼羅交響曲」「舞楽」
日本の現代音楽界の最重要作曲家の一人である(あった)黛敏郎氏の"曼荼羅交響曲"、"舞楽"です。
以前も述べたように、僕はとにかく自分でジャンルを絞ることが嫌いなので音楽についても様々なものを聴きます。
一般的にはクラシックとひとまとめにされますが、現代音楽というまた異なるものだと考えるべきだとは常々思っています(ただし、クラシックがなければ現代音楽も今のようなかたちでは存在し得なかったとは思いますが)。
今回この2曲をとりあげたのは、廉価版の黛作品集でこの2曲が同時に入っているものを自分が持っているからということもありますが、純粋にこの2曲に衝撃を受けたということの方が理由としては大きいでしょう。
購入したのはだいぶ前になりますが、その時は"舞楽"が目的で購入しました。
「舞楽」は1962年に作曲され、第1部と第2部からなります。第2部はモーリス=ベジャールの手によってバレエの振り付けがなされていることでも有名です。
僕は音楽については、器楽演奏を習っていたことはありますが楽理などにふれていたわけではないので余計なことを書くと間違いだらけになりそうなのですが、"舞楽"は二部通して共通のモチーフが使用されています。圧巻はやはり第2部のフィナーレです。
恍惚の境地、エクスタシーさえ感じさせる音世界は必聴です。
"舞楽"が目的、と書きましたが読んで字のごとく当時は"曼荼羅交響曲"はどうでもよく、実際聴いてもあまりの難解さに理解が出来ずに終わっていました(確か中学生くらいだったような・・・)。
しかし時は人を変えるもので、その後数年して急に魅力を感じるようになり、今では世紀の傑作とまで思っています。
黛氏は、梵鐘の音を研究、コンピューターにより解析しそれをオーケストラで再現しようと試みました。それが"カンパノロジー"(1957、カンパノロジーとは鐘学の意味)であり、この曲を第一楽章とした"涅槃交響曲"(1958)は彼の最高傑作といわれています。
"曼荼羅交響曲"は1962年に発表されましたが、涅槃の流れを引継ぎ、その響きは驚愕に値します。勝手に「四次元の響き」と呼ばせてもらっていますが、金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅の二曲である種の宇宙が完璧に表現されていると思います。
「こんな音世界を構築することが出来るんだ・・・・・・。曼荼羅の世界も本当にこんな感じなのかもな。。」と今でも聴くたびに鳥肌がたちます。
ハイスペックのオーディオでいずれ再生したいものです。
現代音楽などには縁が無い、と思っている方こそ聴いて頂きたいです。
ちなみに皮肉なことですが、黛氏はカンパノロジーに触れたことで「鐘の音より深い音を創るのは無理だ。」と感じ作曲への意欲をなくしてしまったという話を以前目にしたことがあります。
そういった経緯もあってか、黛氏の現代作曲家としての一般的位置付けは明らかに武満徹氏より下だと思います。これは断言して良いでしょう。
しかし、実際にそうだとは思いません。武満氏が20世紀の世界の現代音楽界を代表する作曲家であったことは変えがたい事実ですが、黛氏もそれに劣らぬ耀く作曲家であったと僕は思っています。
ちなみにこのCD、現在行方不明です。
他にも本とかが行方不明になっていたりして・・・そんな汚い部屋じゃないのにどこへ行ったんでしょうか。。
怖いです。。
黛敏郎「曼荼羅交響曲」「舞楽」
日本の現代音楽界の最重要作曲家の一人である(あった)黛敏郎氏の"曼荼羅交響曲"、"舞楽"です。
以前も述べたように、僕はとにかく自分でジャンルを絞ることが嫌いなので音楽についても様々なものを聴きます。
一般的にはクラシックとひとまとめにされますが、現代音楽というまた異なるものだと考えるべきだとは常々思っています(ただし、クラシックがなければ現代音楽も今のようなかたちでは存在し得なかったとは思いますが)。
今回この2曲をとりあげたのは、廉価版の黛作品集でこの2曲が同時に入っているものを自分が持っているからということもありますが、純粋にこの2曲に衝撃を受けたということの方が理由としては大きいでしょう。
購入したのはだいぶ前になりますが、その時は"舞楽"が目的で購入しました。
「舞楽」は1962年に作曲され、第1部と第2部からなります。第2部はモーリス=ベジャールの手によってバレエの振り付けがなされていることでも有名です。
僕は音楽については、器楽演奏を習っていたことはありますが楽理などにふれていたわけではないので余計なことを書くと間違いだらけになりそうなのですが、"舞楽"は二部通して共通のモチーフが使用されています。圧巻はやはり第2部のフィナーレです。
恍惚の境地、エクスタシーさえ感じさせる音世界は必聴です。
"舞楽"が目的、と書きましたが読んで字のごとく当時は"曼荼羅交響曲"はどうでもよく、実際聴いてもあまりの難解さに理解が出来ずに終わっていました(確か中学生くらいだったような・・・)。
しかし時は人を変えるもので、その後数年して急に魅力を感じるようになり、今では世紀の傑作とまで思っています。
黛氏は、梵鐘の音を研究、コンピューターにより解析しそれをオーケストラで再現しようと試みました。それが"カンパノロジー"(1957、カンパノロジーとは鐘学の意味)であり、この曲を第一楽章とした"涅槃交響曲"(1958)は彼の最高傑作といわれています。
"曼荼羅交響曲"は1962年に発表されましたが、涅槃の流れを引継ぎ、その響きは驚愕に値します。勝手に「四次元の響き」と呼ばせてもらっていますが、金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅の二曲である種の宇宙が完璧に表現されていると思います。
「こんな音世界を構築することが出来るんだ・・・・・・。曼荼羅の世界も本当にこんな感じなのかもな。。」と今でも聴くたびに鳥肌がたちます。
ハイスペックのオーディオでいずれ再生したいものです。
現代音楽などには縁が無い、と思っている方こそ聴いて頂きたいです。
ちなみに皮肉なことですが、黛氏はカンパノロジーに触れたことで「鐘の音より深い音を創るのは無理だ。」と感じ作曲への意欲をなくしてしまったという話を以前目にしたことがあります。
そういった経緯もあってか、黛氏の現代作曲家としての一般的位置付けは明らかに武満徹氏より下だと思います。これは断言して良いでしょう。
しかし、実際にそうだとは思いません。武満氏が20世紀の世界の現代音楽界を代表する作曲家であったことは変えがたい事実ですが、黛氏もそれに劣らぬ耀く作曲家であったと僕は思っています。
ちなみにこのCD、現在行方不明です。
他にも本とかが行方不明になっていたりして・・・そんな汚い部屋じゃないのにどこへ行ったんでしょうか。。
怖いです。。