落武者の行方

09.02.02>>>迷走中?(since 04.09.13)

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「ロン・ミュエック」

2008-08-29 | art
21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa | "Ron Mueck"

金沢21世紀美術館で8月31日まで開催中の、「ロン・ミュエック」展です。

もうじき終わってしまいます。
相変わらずの驚くべき集客力、という感じでした。
最近物凄い注目をあびて、普段アートに興味の無い人までも惹きつけているロン・ミュエック。
近作の「ガール」よりもその他の作品が面白かった。

「マスク」の超気合の表とは裏腹の、ピラピラすかすかな裏とか「野性的な男」の醜悪な雰囲気とか・・・。

そして、制作過程の映像。当然のように興味深い。




同時開催のサイトウ・マコト展も観ましたが、正直、個人的にはあまり・・・。
失礼ですが初めは「誰これ」という感じで、後でミュージアムショップで過去に手がけた広告の数々を作品集で観て誰なのか判明しました。
一連の広告作品は独創的で、力強く印象に残るものだと思うんですが、今回絵画の世界へ参戦してきたということで、正直「あぁ、本当にセンスが凄く良いんだなぁ・・・」という感想しか出てきません。

色彩とイメージの解体、再構築の仕方は本当にセンスが良く真似出来ないものだと思いますが、それ以上でもそれ以下でも無い、というか。ハイテクを用いてそれをカッコ良くいっぱい出力しました、という感じで、僕にはあの場所であの規模であの値段をとってみせる意義は残念ながらあまり感じられませんでした。




日比野×野田、はもっとじっくり眺めていたら色々面白かったかもしれない。
スヌーピーは見ていません・・・。
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塩田千春「精神の呼吸」

2008-08-28 | art
The National Museum of Art, Osaka | Chiharu Shiota"Breath of the Spirit"

国立国際美術館で9月15日まで開催中の、塩田千春「精神の呼吸」です。

とりあえず、観られて良かった。
元々、その病的な狂気、悪夢のような世界観に魅力を感じていたけれど、なんだかそれだけでは無いような気がした。
それはもしかしたら塩田さんがここ数年で癌に侵されたり、流産を経ての出産をされたりと生命に関する多くの出来事を潜り抜けてきたことが作品に反映されつつある、ということもあるかもしれない(勿論そういった予備知識を僕が持って観ていた、ということも大きいと思いますが)。
「大陸を越えて」は陰と陽を湛える。

そしてとりあえず、まず造形物のセンスが凄いということも再認識。
「During Sleep」も、まず第一にカッコイイと思ってしまう自分がいる。
建築をやっているということもあるのでしょうが。

かなり安い値段で入れるので、お時間ある方はいかがですか。
コレクション展も「石内都/宮本隆司」で、結果的にB2フロアはうまく雰囲気が統一されてしまった感じです。




それから。
館内は、モディリアーニ展同時開催もあってか様々な年齢層の方々で賑わいをみせていてそれは喜ばしいことで、普段はほとんど触れないであろう塩田さんのような現代美術にも興味を持って観ている感じもあり、それも良いことなのだが、

気軽に観ることと気軽に触ること

は決して同じことではない。
僕が見ていただけでも小学生くらいの少女グループや複数の中年女性のグループがあまりに無神経に、あまりに乱暴な手つきで張り巡らされた糸に触れ引っ張っていた。
それによって糸の緊張感は崩壊し、その度にスタッフが駆け寄って注意を促すとばつの悪そうな顔して早足で去っていく。

一呼吸おいて考えろ。

作品の意味も世界観も、価値も、理解なんて出来なくて良いと思う。
でも何かを感じ取ろうとすることは出来るはずだ。少なくとも自分の足でああいった場に来たのなら。
それをしようとしない人間は嫌いだ。

その無神経な手が気安く触れることで、作品との間にある高い閾が消えるように感じているのならそれは大きな間違いだろう。
その高い閾の原因はきっとそんな次元ではなく、もっと根本的な部分で、その人間の本質的なレベルで生じているのだから。
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のだめに黛

2008-08-16 | book
のだめカンタービレ最新刊の21巻で、コンサートのシーンで黛敏郎の「舞楽」が採りあげられていた。
「千秋=ジャポ~ン」というシーンでだが、武満さんではなく黛さんをセレクトしたことに少し喜び。(決して優劣の話ではない)

この漫画の読者には、きっとクラシックに初めて興味をもって、出てくる曲をチェックしたりしている人もいると思う(というか多分採りあげた曲のCDとかでてる)ので、多くの人が黛ワールドに触れてくれれば少し嬉しい。

のだめカンタービレ #21 (21) (講談社コミックスキス)
二ノ宮 知子
講談社

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ちなみに3年以上前にかいた黛さんに関するしょぼい記事はこちら
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川内倫子「Cui Cui」

2008-08-15 | art
VANGI MUSEO | Rinko Kawauchi"Cui Cui"

ヴァンジ彫刻庭園美術館で9月9日まで開催中の、川内倫子「Cui Cui」です。
発表されてからだいぶ経ちましたが、写真展という形態では始めての発表ということです(知りませんでした)。

ただのプライベート写真と、私写真とよばれてこうやって多くの人に何かを訴える写真にはやはり決定的な違いがあるな、と当然のことを今更ながらに感じる。

目の前で、日常の中で廻る生と死。
日々を、日々をおくる全てに眼差しをそそぐ川内さん。
この世界はきっと小さな秘密で溢れているに違いない。

Cui Cui
川内 倫子
フォイル

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次回は2008年9月21日~12月25日の期間で、棚田康司「十一の少年、一の少女」とのこと。
これもまた楽しみ。
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「Gallery Koyanagi group show」

2008-08-05 | art
ざざっと行ったのをいくつかチョロッと記事にしてみる④



Gallery Koyanagi | "Jungju An, Kengo Kito, Kae Masuda, Hiroharu Mori, Robert Platt, Ataru Sato, Kouichi Tabata"

ギャラリー小柳で8月9日まで開催されている、グループショウです。

今回のお目当ては、何といっても佐藤允さん。

凄い。
また画面が濃密になった気がする。ここまでくると麻薬みたいなものかもしれない。
カオスの中を蠢くものを見ていると、生命体の始まりとか終わりのようなものも感じたりしてしまう。
それは凄く官能的なようであったり、そう見せておいて実は凄く冷たい無機質であったり…。

これまで通り、また画面にかじりついてウォーリーを探すようにモチーフを片っ端から見たわけですが、今回はA4のテキストを発見。
あれが、作品を補完することを意図して置いてあるものなのかはわからないし、内容がどこまで真実なのか、フィクションなのかも本人に確認したわけではないからわからない。だから意味の無い深読みや見当違いはあまりしたくないのですが、それでも、何か「少しわかったような」気がしました。そして同時に独りシンミリと感動。

最初に小柳で展示された時に少しお話してくれた「自分でもなんでこういうものが出てくるのかわからない」という言葉は、(もうあれから2年以上経っているし状況もご本人も勿論変化しているでしょうが)、確かにその通りで、でもやっぱり出るべくして彼から出てきているんだな、と思ったんです。

思い出したくても思いだせない初恋の記憶は、自らに照射されてその若さ故の情熱や狂気のイメージを纏い生れ落ちる。
でも、その後どうなってしまうんだろう。

オープニングにお邪魔出来ていれば、ご本人から少しお話聞いて違った見方も出来るでしょうが、まあ勝手な妄想は鑑賞者の醍醐味でもありますので(笑)


他、アン・ジュンジュの映像は格段新しいことをやっているわけではないのに、やはり独特の雰囲気で見てしまい、ロバート・プラットは以前からセンスのある人だなぁと思っていたけど、やっぱり、ある。毒入りジェリービーンズのような画面。田端浩一はコンセプトと実物のバランスというかなんというか、そういうものが凄いような気がしてます。
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