うさこさんと映画

映画のノートです。
目標の五百本に到達、少し休憩。
ありがとうございました。
筋や結末を記していることがあります。

0174. Finding Neverland (2004)

2007年02月09日 | 2000s
ネバーランド / マーク・フォースター
106 min UK / USA

Finding Neverland (2004)
Directed by Marc Forster. Written by Allan Knee (play), David Magee (screenplay). Cinematography by Roberto Schaefer, costume design by Alexandra Byrne. Performed by Johnny Depp (Sir James Matthew Barrie), Kate Winslet (Sylvia Llewelyn Davies), Julie Christie (Mrs. Emma du Maurier), Radha Mitchell (Mary Ansell Barrie), Dustin Hoffman (Charles Frohman), Freddie Highmore (Peter Llewelyn Davies), Ian Hart (Sir Arthur Conan Doyle), Kelly Macdonald (Peter Pan).


劇作家のジェームズ・マシュー・バリーは公園で四人の幼い兄弟と、その母である未亡人と知り合う。子どもたちと接していくなかから、あの『ピーター・パン』の構想が生まれる。時期は1903年。じっさいに劇として大成功したことは知らなかった。興味深い題材と思う。

監督のフォースターは、あたたかい感激屋さんなのだろう。ところどころ、みずからの感激に浸ってしまった面があるかもしれない(いいひとなのです)。でも「子どもの心をもったおとな」と自負するかたには、きっとむきそう。

途中、未亡人の家に親しく出入りするバリーに対して立つ噂には、さすがにヴィクトリア期のイングランド社交界らしい湿ったリアリティーがあった。未亡人との関係が囁かれることは想定内としても、さらに男の子たちとの関係がうたがわれるのがすごい。バリー、キャロル、あるいはルイス……。イギリスのファンタジーの名作群は、この種の抑圧に耐えて生み出されてきたのだろう。

映像は、個人的な好みとしてはやや明るすぎる。もうすこし、ほんのすこし絞ると夏の自然光の微妙な陰影がとらえられた気がするのだけれど、でも夢の国をさがす話ではあるし、おりおりに挿入される空想劇のファンタジックな装置とマッチさせるうえでも、これでいいのかもしれない。

主役はイギリス人という無難な選択肢をとらず、あえて、いまのっているジョニー・デップ。熱演です。ダスティン・ホフマンが渋く投資家を演じている。口やかましい老婦人はジュリー・クリスティーだったと、あとで知って驚いた。『ドクトル・ジバゴ』のヒロインを演じたひとだ。劇中劇でピーター・パンを演じたケリー・マクドナルドは「修練をつんだ役者」のお手本という感じではないかしら。抜群の安定感で記憶にのこる。劇中劇、という二重性をよく理解していた。



メモリータグ■バリーの妻を演じたラダ・ミッチェルは、おなじ2004年の "Man on Fire" (マイ・ボディーガード)ではダコタ・ファニングの母親役をやっている。ずいぶんわかくみえた。



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