十月 / セルゲイ・エイゼンシュテイン
Oktyabr (1928) aka. October
Written and directed by Sergei M. Eisenstein and Grigori Aleksandrov. Cinematography by Vladimir Nilsen, Vladimir Popov and Eduard Tisse.
Second Unit Director or Assistant Director: Mikhail Gomorov, Maksim Shtraukh and Ilya Trauberg. Performed by Vasili Nikandrov (V.I. Lenin).
ふたたびエイゼンシュテイン。1917年の十月革命を「忠実に再現」した作品。レーニンが民衆を主導して暫定政府を倒していくまでが描かれる。動的な絵づくり、群集シーンの壮絶な迫力に驚く。カット割りもこまかい。大作で、セカンドユニットを置いている。当時の機材でやれることは全部やったという感じ。
この作品の音楽はショスタコーヴィッチと明記されている(IMDBの記述では音楽Edmund Meiselと記されているけれど、すくなくともうさこが観た版は、クライマックスのあたりなどいかにもショスタコーヴィッチ)。こうしてみるとエイゼンシュテインとショスタコーヴィッチくらい「運命的にぴったり」な組み合わせはないかもしれない。その気になると二人ともおそろしく騒がしい(笑)。なんというか、タルコフスキーとバッハがぴったりなように、エイゼンシュテインとショスタコーヴィッチはぴったり。
メモリータグ■巨大な跳ね橋が上がっていく。このひとが撮ると、どうしてこう画面がせまってくるのか。アングル、カットのつなぎかた、その執念だろう。あいかわらず「かわいそうな動物」が配されていて、ここでは馬が宙吊りにされる。ご存じのようにドストエフスキーでもトルストイでも、「かわいそうな馬」の描写はあまりにも迫真で、うさこは読み返したくないほどですが、エイゼンシュテインも動物を多用して効果を上げる。この作品ではほとんど出ないけれど『全線』などがそうだった。