うさこさんと映画

映画のノートです。
目標の五百本に到達、少し休憩。
ありがとうございました。
筋や結末を記していることがあります。

0253. Sneakers (1992)

2008年03月21日 | 1990s
スニーカーズ / フィル・アルデン・ロビンソン
126 min USA

Sneakers (1992)
Directed by Phil Alden Robinson. Written by Phil Alden Robinson, Lawrence Lasker and Walter F. Parkes. Cinematography by John Lindley. Performed by Robert Redford (Martin 'Marty' Bishop), River Phoenix (Carl Arbegast), Sidney Poitier (Donald Crease), Mary McDonnell (Liz), Ben Kingsley (Cosmo), and Lee Garlington (Dr. Elena Rhyzkov).


欧州語の世界中の暗号(ロック)が解けるという装置を盗んだり盗み返したりする、そのいきさつが主筋になっている。古典的な「宝箱チェース」なので、これをめぐる設定とリアリティーをどう表現するかが見せどころになる。全体の筋はもうすこし整理してもよかったかもしれないけれど、暗証がつぎつぎに解けていくありさまのえがきかたなど、つくりが素直で好感がもてた。主演は、腹部の贅肉がちょっと目につくロバート・レッドフォード。

脚本はよく詰めた仕上がりで、チームのメンバーの性格を描きわけるところまでいっている。声紋認証をクリアするために、わざわざ担当者を誘惑して必要な単語を口にさせ、録音編集をおこなうといったのどかさはいかにも15年前といえばそうだけれど、コメディーらしい味をつくっていた。目のみえない解析者はとくによくえがきこまれていて、合成音の操作で誘拐現場を特定したり、鋭い推論を展開したりする。最後は車の運転までしていました(笑)。

Phil Alden Robinson's works :
"Band of Brothers" (2001) TV
Field of Dreams (1989)



メモリータグ■誘惑される技術担当者には同情してしまった。「コンピューターデート」(いわゆる出会い系)で会ったことにしてヒロインが近づくのだけれど、担当者の上司(ベン・キングズリー)がこれを見破った瞬間の断言がひどい。こんな男を出会い系で選ぶはずがない、嘘だというのです。おお。アメリカでは爆笑するシーンでしょうけれど、むり。どんな危険なスタントよりも傷つきそうなこの役を、演じた役者に勇敢賞をさしあげます。




0252. The Fugitive (1993)

2008年03月16日 | 1990s
逃亡者 / アンドリュー・デーヴィス
130 min USA

The Fugitive (1993)
Directed by Andrew Davis. Written by Roy Huggins (characters), David Twohy (story), Jeb Stuart (screenplay) and David Twohy (screenplay). Cinematography by Michael Chapman. Film Editing by Don Brochu, David Finfer, Dean Goodhill, Dov Hoenig, Richard Nord and Dennis Virkler. Performed by Harrison Ford (Dr. Richard David Kimble), Tommy Lee Jones (Marshal Samuel Gerard), Sela Ward (Helen Kimble) and Julianne Moore (Dr. Anne Eastman).


編集がうまい。交互にカットをかさねてダブルの流れをつくるときのセンスを感じた。最後のほうはすこし集中力がゆるむものの、シナリオのチームもよくまとまって機能している。キャラクター設定に一人入っているのが効果を挙げたかもしれない。人質にとられた詰めの甘い捜査官と、厳しい上司の対話に味が出ていた。役の機能だけの人物はつまらない。

自分の冤罪をはらそうとするハリソン・フォードを執拗に追跡する捜査官はトミー・リー・ジョーンズ。いまではすっかり Men in Black のひと(または缶コーヒーのコマーシャルのくたびれた上司?)になっているけれど、ここでは申し分のない凄腕のエージェントとして最後まで迫力をみせていた。

フォードも、きちんと体をはっているのは感心する。逃げ回る役柄である以上、かなり体力を消耗する場面が多そうだったのに。途中、いかにも融通のきかなそうな医師がでてくる。演じたのはジュリアンヌ・ムーアで、よくあっていた。このひと、基本的に敵役のほうがむいているのでは。

by Andrew Davis :
Collateral Damage (2002)
Chain Reaction (1996)



メモリータグ■地下の下水管での追跡場面。水が透明にみえるのでほんとうの下水ではないと思うけれど、水だらけ、泡だらけ。何日かけたのか、現場はたいへんだったろう。それからシカゴ・ヒルトンのランドリールーム。洗濯物をいれた大きな布バッグがレールに下がって流れてくる。絵としておもしろいロケーションは、やはりうれしい。




0251. The Untouchables (1987)

2008年03月06日 | 1980s

アンタッチャブル / ブライアン・デ・パルマ
119 min USA

The Untouchables (1987)
Directed by Brian De Palma , written by David Mamet with suggestion through a book by Oscar Fraley and Eliot Ness. Original Music by Ennio Morricone. Cinematography by Stephen H. Burum. Performed by Kevin Costner (Eliot Ness), Sean Connery (Jim Malone), Charles Martin Smith (Agent Oscar Wallace), Andy Garcia (Agent George Stone / Giuseppe Petri) and Robert De Niro (Al Capone).


たしかスクリーンで一度見た。ヴィデオで再見、禁酒時代にカポネと対決する刑事をケヴィン・コスナーが主演している。途中から登場する巡査が、映った瞬間あまりに堂々としていてコスナーがくわれてしまう。変だと思ってよく見たら、ショーン・コネリー。

たんなる知名度をこえて、根本的に主役級でしか使えない俳優というカテゴリーがあると思うけれど、このひとはほんとうにそうなのね、と妙に感心したのをおぼえています。しかも、いっぽうでカポネを演じたロバート・デニーロが、これもまた周囲をくってしまう俳優の筆頭なので、コスナーまけっぱなしの一作だった。もちろん否定しているのではなくて、コスナーのことは尊敬している。役者としても、地味な持ち味をいかした、いい作品がいくつもある。ようするに、この映画は脇の二人がそれぞれのありかたで異例に派手なのです(笑)。さいわいヴィデオのサイズでみると、その「オーラの落差」はそれほど気にならなかった。うまれつきのスターは、大きいスクリーンであればあるほど本領を発揮するものらしい。



メモリータグ■駅の階段を乳母車がすべり落ちていく間に銃撃戦になるシーンは、もちろん古典作品へのオマージュ。もうすこし速めのつなぎかたで編集してもよかったかも? すこしリズムがそこなわれている気がする。でも、やりたいと考えたその発想が好きです。