ロミオとジュリエット/フランコ・ゼフィレッリ
Romeo and Juliet (1968)
Directed by Franco Zeffirelli. Cinematography by Pasqualino De Santis and costume design by Danilo Donati. Leonard Whiting as Romeo, Olivia Hussey as Juliet, John McEnery as Mercutio, Milo O'Shea as Friar Laurence, Pat Heywood as The Nurse, Keith Skinner as Balthazar.
数十年ぶりに観た。もとの台詞を活かしながらリアリティーを深めていくのはおそろしくむずかしいことだと思うけれど、地の日常的な台詞のあいだにシェイクスピアの原文を引用のように挿み込んで使うことで、幼いカップルが、習いたての古典を口ずさんで興奮しながらやりとりをしているような感じになっている。子どもたちはそういう遊びをよくする。
成功している大きな要素のひとつは、やはり主役の実年齢だろう。そのみるからに無防備な、幼い顔。おかげで見ている側も、子どもたちがおかれた状況がいかにも不安定であることに引き込まれる。短く簡素な結婚式のシーンではこちらが動揺してしまい、自分で驚いた。ままごとのようなあの行動と、そのあと待ち受けるに決まっている現実との巨大なギャップに対して、おとなだけがみてとれる切なさのようなものがあったからだと思う。つまりこちらのほうが、それがわかる程度に年をとったのね(笑)。子どもの頃に読んだときは、あの筋だてをおよそ間抜けなものとして記憶したのだから。あの「結婚式」は、おたがい相手に触りたくて欲しくてたまらないティーンエージャーの、動物のような性欲を容認するための最低限の儀式だという意味が、ようやく理解できました。
Was ever book containing such vile matter
So fairly bound? O that deceit should dwell
In such a gorgeous palace!
メモリータグ■墓に入るためにゴースをかけられるジュリエット
Romeo and Juliet (1968)
Directed by Franco Zeffirelli. Cinematography by Pasqualino De Santis and costume design by Danilo Donati. Leonard Whiting as Romeo, Olivia Hussey as Juliet, John McEnery as Mercutio, Milo O'Shea as Friar Laurence, Pat Heywood as The Nurse, Keith Skinner as Balthazar.
数十年ぶりに観た。もとの台詞を活かしながらリアリティーを深めていくのはおそろしくむずかしいことだと思うけれど、地の日常的な台詞のあいだにシェイクスピアの原文を引用のように挿み込んで使うことで、幼いカップルが、習いたての古典を口ずさんで興奮しながらやりとりをしているような感じになっている。子どもたちはそういう遊びをよくする。
成功している大きな要素のひとつは、やはり主役の実年齢だろう。そのみるからに無防備な、幼い顔。おかげで見ている側も、子どもたちがおかれた状況がいかにも不安定であることに引き込まれる。短く簡素な結婚式のシーンではこちらが動揺してしまい、自分で驚いた。ままごとのようなあの行動と、そのあと待ち受けるに決まっている現実との巨大なギャップに対して、おとなだけがみてとれる切なさのようなものがあったからだと思う。つまりこちらのほうが、それがわかる程度に年をとったのね(笑)。子どもの頃に読んだときは、あの筋だてをおよそ間抜けなものとして記憶したのだから。あの「結婚式」は、おたがい相手に触りたくて欲しくてたまらないティーンエージャーの、動物のような性欲を容認するための最低限の儀式だという意味が、ようやく理解できました。
Was ever book containing such vile matter
So fairly bound? O that deceit should dwell
In such a gorgeous palace!
メモリータグ■墓に入るためにゴースをかけられるジュリエット