うさこさんと映画

映画のノートです。
目標の五百本に到達、少し休憩。
ありがとうございました。
筋や結末を記していることがあります。

0176. The Libertine (2004)

2007年02月18日 | 2000s
リバティーン / ローレンス・ダンモア
114 min UK

The Libertine (2004)
Directed by Laurence Dunmore. Written by Stephen Jeffreys. Cinematography by Alexander Melman. Performed by Johnny Depp (Rochester), John Malkovich (Charles II), Rosamund Pike (Elizabeth Malet) and Samantha Morton (Elizabeth Barry).


設定は17世紀後半のイングランド、チャールズ二世時代。サマンサ・モートン、ジョニー・デップ、ジョン・マルコヴィッチと "演技派" を三人くみあわせた配役が売り物らしい。さて。

モートンは『マイノリティーリポート』で予知能力者の女性を演じて出色だった、あのひとです。ここではまだ未熟な舞台役者として登場する。序盤はやや印象が薄い。未来の大女優としてのインパクトがほしい役なので、見た目にはっきり強さが伝わる役者でもよかったかなあ。とはいえ、進むにつれてそれなりに雰囲気が出てくる。いわゆる性格俳優というのか、持ち味はティルダ・スウィントンなどにちかいかもしれない。

主役の伯爵を演じたデップは、残念ながらつくりすぎていて、冒頭からしばらくはちょっとくどい。カザノヴァ風の破滅的な放蕩作家という役柄に気負ったかもしれない。このひとはどちらかといえば軽めのタッチが本領だろうし、むりに重量を出そうともがかなくても、と思いながらみていた。それでも終盤、梅毒で壮絶な状態になるあたりからは全身で役に入っていて、捨て身の力がでてくる。えらかった。

チャールズ二世を演じたマルコヴィッチはプロデュースにも加わっている。こちらはさすがに悠然とこなしていた。じたばた役をいじりまわす必要はないのだろう。考えてみると、このひとが大失敗したのはみたことがない気がする。どれかあるかしら(笑)。

ほかに印象にのこったのはロザムンド・パイク。主人公の妻にあたる伯爵夫人役を演じている。理性的な演技だけでなく、狂気のがわにも踏み出せそう。脇で、またみてみたい。

監督は経歴がわからない。これが第一作とすれば、おそらくテレビの出身では。時間の経過を音声の重なりで表現したり、経験は十分に思えた。



メモリータグ■舞台げいこの場面で、ろうそくをともしたシャンデリアを背景に、にじんだような露出を得ている。炎はいつも不思議。

大きなスクリーンで、息をのむくらい深い映像をみたいなあ。タルコフスキー級の。




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