今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

お産病棟におけるエスニック事情 その5 ヒスパニック

2009-09-06 20:35:50 | 臨床留学
Hola Amigos! (みなさん、こんにちは)

久々の更新です

独断のエスニック事情

今回はヒスパニックについて書いてみたいと思います

ヒスパニックが全米人口の15%を占めるのに対して

アナーバー周辺のヒスパニック人口は3%弱に過ぎませんが

家庭医療グループが、アナーバー近郊でヒスパニック層を対象としたクリニックと提携していることと

スペイン語を話せるアテンディングが少なからずいることで

スペイン語しか話せない患者さんが1-2割ほどいます

特徴としては
1. 名前が難しい
2. 若い妊婦さんが多い
3. もの静かな妊婦さんが多い
4. 産まれた男児に割礼(circumcision)を希望しない場合が多い


1. 名前が難しい

産まれてきた子供の苗字が母親と一致しないため

カルテ上で検索するのにいつも苦労します


2. 若い妊婦さんが多い

若くして妊娠し、多産の傾向があります


3. もの静かな妊婦さんが多い

言葉が通じないので、言いたい要求ができないこともあると思うのですが

忍耐強い印象もあり

白人や黒人より日本人に近い印象です


4. 産まれた男児に割礼(circumcision)を希望しない場合が多い

白人や黒人はかなりの高率でcircumcisionとなりますが

ヒスパニックではNoの確率が大変高いです


アメリカではスペイン語しか話せないヒスパニックの人口比が年々増加しており

今世紀中盤には、人種別ではドイツ系アメリカ人を抜いて一番多くなると予想されています

アメリカで第二言語を習得するとすれば、スペイン語が断然お勧めで

我が家でも、スペイン語のテレビアニメ番組の影響で

娘が英語の端々に、スペイン語の単語も交えて話すようになり始めています

Chao!   (では、また)



PS. ちなみに娘は人形にシーグァ xīguāと名付けています

  中国語でスイカ
 
  同じく中国語のアニメの影響です

  そして「スイカ」は「シーグァ」が訛ったものらしいですね

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2 コメント

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地域性でしょうか? (Yumi)
2009-09-12 21:24:50
私の働くNYはヒスパニックが多い街ですが、私達ののヒスパニックの印象は先生とは逆で、大げさで痛みには弱い人が多い、です。同僚は医学生の時に産婦人科をローテートした時に、中国人とヒスパニックが多い病院だったらしく、その違い(中国人は忍耐強い、ヒスパニックはとてもにぎやか(笑)なお産)が印象的だったと言っていました。
この違いはどこから来るのでしょうね?ヒスパニックと言っても出身によって違うのかもしれませんね。
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re; 地域性でしょうか? (Yumi) (familymed758)
2009-09-15 00:50:49
Yumiさんコメントありがとうございます。冷静に考えると、確かにYumiさんのおっしゃっていることの方がありがちです。どうして自分が「ヒスパニック=静か、おとなしい」という印象を持っているか不思議ですが、羅列してみると 1.Nが小さいので印象が正確でない 2.本当に地域的なもの 3.言語が通じないのでおとなしい 4. 若い(当院が提携しているヒスパニック対象のクリニックは若い人限定のため)妊婦さんなので、比較的静か 常にこういうことを考えていると、観察も深まりますし、多人種のアメリカでの生活がより楽しくなりますね。
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