Evidence Based Practice & Information Masteryという6回シリーズのセッションをしています
とりあえず最初の2日が終わりました
どんな話をするかと思えば、Critical Appraisalなどのベーシックなことはほとんど話しません
Validityの、特にbiasの話がメイン
さらにいえば製薬会社などの影響による意図的なpublication, report biasなどが大きくハイライトされていました
一つの論文をじっくり読むこともトレーニングとして大事ですが、現実として一つのRCTで診療が変わることは滅多にありません
やっぱりガイドラインなど2次媒体を使うこと
しかもその二次媒体をcriticalに評価することが求められます
JAMAのUser's Guideも新しいバージョンが出て、EBMの教育も批判的吟味やJournal Club一辺倒から次のphaseへ転換する必要があると感じました。
Lee Green先生というJNC7などにも名を連ねている家庭医の先生が中心にセッションをやってくれるのですが、いかに製薬会社の影響が深刻であるかが話題の中心でした
製薬会社の影響というのは、別に彼らに不当な金銭を受け取ることが問題(これは論外として)なのではなく、「彼らと挨拶を交わす程度」の仲になるだけでも充分に影響があるというのです
Green先生自身も数えきれないほどの誘いを受けたり(全て断っているそうですが)、各種のガイドライン制作委員会で製薬会社の強烈なまでの影響力を実感しているそうです
こういった話題は、日本でも同僚とよくしていましたが
その同僚が携わったリサーチを引用します
--------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------
「自分は製薬会社の説明会と称する接待に出て、彼らのペンももらっているが自分が納得できない薬は使わないから大丈夫」
こう言っている医師は多いのではないでしょうか?
でも製薬会社の戦略からすれば、それで充分なのです
「ただ医師と仲良くなって、廊下で挨拶を交わす」それだけで彼らの投資に見合った影響が出ているというGreen先生の言葉は一度考えてみる必要があります
ところでアメリカではAAMCが製薬企業から医師への(個人的な)ギフトをいっさい禁止するという報告を最近出しました
ボールペン、カレンダーや軽食も禁止の対象になります
ただCME(生涯教育)へのサポートは直接的なものは禁止というちょっと規制を強めただけです
ちなみにミシガン大学医学部では、製薬会社がらみの勉強会はいっさいありませんし、彼らを院内で見かけたことも、薬の名前付きの小物を見かけたことも一度もありません
いっさい出入り禁止だそうです
とりあえず最初の2日が終わりました
どんな話をするかと思えば、Critical Appraisalなどのベーシックなことはほとんど話しません
Validityの、特にbiasの話がメイン
さらにいえば製薬会社などの影響による意図的なpublication, report biasなどが大きくハイライトされていました
一つの論文をじっくり読むこともトレーニングとして大事ですが、現実として一つのRCTで診療が変わることは滅多にありません
やっぱりガイドラインなど2次媒体を使うこと
しかもその二次媒体をcriticalに評価することが求められます
JAMAのUser's Guideも新しいバージョンが出て、EBMの教育も批判的吟味やJournal Club一辺倒から次のphaseへ転換する必要があると感じました。
Lee Green先生というJNC7などにも名を連ねている家庭医の先生が中心にセッションをやってくれるのですが、いかに製薬会社の影響が深刻であるかが話題の中心でした
製薬会社の影響というのは、別に彼らに不当な金銭を受け取ることが問題(これは論外として)なのではなく、「彼らと挨拶を交わす程度」の仲になるだけでも充分に影響があるというのです
Green先生自身も数えきれないほどの誘いを受けたり(全て断っているそうですが)、各種のガイドライン制作委員会で製薬会社の強烈なまでの影響力を実感しているそうです
こういった話題は、日本でも同僚とよくしていましたが
その同僚が携わったリサーチを引用します
--------------------------------------------------------
医師:半数が製薬会社担当者から接待
医師の半数が、製薬会社の医薬情報担当者(MR)から職場外で食事の接待を受けていることが、文部科学省研究班(主任研究者・尾藤誠司・国立病院 機構東京医療センター臨床疫学研究室長)の医師アンケートで分かった。医師とMRとの関係についての実態調査は初めてといい、尾藤室長は「患者の利益に反 しない適切な関係作りが必要だ」と指摘している。
調査は今年1~3月に実施。全国の病院・診療所で働く医師のうち内科、外科など医師数が多い7診療科の計2624人(病院管理職を除く)が対象で、1411人から回答を得た(回答率54%)。
医師の73%はMRを「医師の生涯教育にとって必要」と考えており、週1回以上話をする医師も70%いた。
一方で、職場外で食事を提供されたことがある医師が49.4%いた。ほとんどは月1回以下だったが、週1回以上も0.4%いた。
ボールペンなど文具の提供を受けている医師は96%に達した。
製薬会社がスポンサーの勉強会に参加する際、交通費などを受け取ったことのある医師も49.4%いた。
また、医師の1割は「MRからの贈り物は(その会社の薬を優先的に使うなど)自分の薬の処方の仕方に悪影響がある」と答えた。
製薬業者の営業社員はかつてプロパーと呼ばれ、薬剤価格を医師らと決めていたが、値引き競争や接待など医師との不透明な関係が問題化。91年、価 格決定は医薬品卸業者に任せ、プロパーは薬品に関する学術情報などを医師に伝えることが中心のMRとして職務内容が見直されていた。
尾藤室長は「10数年前に比べると物品や食事提供は減っていると思う。医師と製薬会社の適切な協力関係は必要だが、医師が贈り物などに影響されるようなことがあってはならない」と話している。 毎日新聞 2008年5月22日-------------------------------------------------------
「自分は製薬会社の説明会と称する接待に出て、彼らのペンももらっているが自分が納得できない薬は使わないから大丈夫」
こう言っている医師は多いのではないでしょうか?
でも製薬会社の戦略からすれば、それで充分なのです
「ただ医師と仲良くなって、廊下で挨拶を交わす」それだけで彼らの投資に見合った影響が出ているというGreen先生の言葉は一度考えてみる必要があります
ところでアメリカではAAMCが製薬企業から医師への(個人的な)ギフトをいっさい禁止するという報告を最近出しました
ボールペン、カレンダーや軽食も禁止の対象になります
ただCME(生涯教育)へのサポートは直接的なものは禁止というちょっと規制を強めただけです
ちなみにミシガン大学医学部では、製薬会社がらみの勉強会はいっさいありませんし、彼らを院内で見かけたことも、薬の名前付きの小物を見かけたことも一度もありません
いっさい出入り禁止だそうです