ぐるぐる自転車どこまでも

茨城県を自転車で散歩しながら,水戸藩の歴史について考え,たまにロングライドの大会に出場,旅する中年男の覚書

竜飛岬

2013-08-13 23:49:18 | 自転車
竜飛岬を訪れた。
前夜は、青森のねぶた祭りに跳人として参加し、年甲斐もなく踊りまくった。
青森といえば、本州の最北の地である。
頭には、「津軽海峡冬景色」のメロディが流れてくる。
ならば、竜飛岬の先端に立ち、津軽海峡を見るしかあるまい。

竜飛岬へは輪行することにした。
津軽線の時刻表を見ると、終点の三厩駅まで行く電車の本数は少ない。
青森駅発の始発に乗り込み、途中で乗り換えて、三厩駅に到着した。
最後まで電車に乗っていたのは、観光客ばかりで、鉄道ファンらしき人が多かった。

駅で自転車を組み立て、のんびりと竜飛岬を目指した。

竜飛岬は、本州の北のはずれである。
竜飛岬には小さな漁港がある。そこに太宰治が泊まった宿があった。
太宰治には、「津軽」という作品があり、その中で竜飛が描かれている。
私が訪問したのは夏で、太宰治が訪れた冬ではないが、雰囲気から十分に自然の厳しさを感じた。
「津軽」には、竜飛岬の崖下にある集落について次のような文章がある。

「兇暴の風雨に対して、小さい家々が、ひしとひとかたまりになって互いに庇護し合って立っているのである。ここは、本州の極地である。このを過ぎて路は無い。あとは海にころげ落ちるばかりだ。路が全く絶えているのである。・・・ 露路をとおって私たちは旅館に着いた。」

この旅館は現在は廃業し、観光案内所となっている。
開館と同時に太宰が宿泊した部屋へ行き、太宰が使ったといわれる食事のお盆などを前に座布団に座り、物思いに耽った。
竜飛岬は、竜が飛び去るほどに風が強い場所である。真冬ともなれば強風が海から吹き付けてくるだろう。心が凍てつく寒さである。小さな旅館は、海からの強風でガタガタと揺れたに違いない。
しばらく、旅館の中に展示されたこの地域の昔の暮らしぶりを示す写真などを見学し、その後、小さな漁港を自転車で散策し、有名な階段国道を上り、灯台へ行った。
灯台はものすごく見晴らしがよかった。
300度が海という素晴らしい光景が広がっていた。
あいにく、少し曇っていたため北海道側は見えなかったが、海峡を横切る船が見えた。
空には、鳶らしき鳥がゆったりと舞っていた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿