映画と音楽そして旅

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(シネマ雑記帳) 「総括 オードリー・ヘップバーン」

2006-03-17 00:13:59 | 映画
 ここしばらくオードリー・ヘップバーンにこだわって、いろんなことを書いていたら私と同様の思いの方から、コメントなどを戴いて彼女の良き理解者が、私一人でない事に気付いて大変嬉しく大いに心強く思いました。
 敗戦後間もなくでNHKラジオか映画の外、何の娯楽もなかった時代に生きた私たちの年代は勿論ですが、更に若い年代の方たちなどの広範囲の何世代かにわたり、愛され親しまれているのは、ただ単に美人女優であるだけでなく、何か人を惹きつける未知の魅力を秘めているからと思います。
 私が新しい彼女の魅力に気付いたのは「パリの恋人」でした。この映画は彼女と云うよりもフレッド・アステアが見たくて観たのですが、アステアと踊る彼女にすっかり魅せられて仕舞いました。元来バレエを習っていたので、驚く方が可笑しいのですが私にとってもパリは憧れの街‥素晴らしい映画でした。
 「ティフアニーで朝食を」の「ムーン・リヴァー」は、つい先日うだうだと執拗に書きまくったばかりでした。
 でも考えてみれば美人で歌えて踊れて演技が出来て‥と云うスターはそう沢山いなかったように思います。「カラミティ・ジェーン」のドリス・ディは歌手が本職だから当然だし、「紳士は金髪がお好き」のマリリン・モンローぐらいかな?
 この映画のジェー・ラッセルが「腰抜け二挺拳銃」で、「ボタンとリボン」を歌っていたっけ‥‥デビー・レイノルズは自前の歌‥と思っていたのに、「ザッツ・エンターティメント」で「吹き替えなんです」と白状しました。(黙っていれば判らないのに‥でも正直で良い子です。益々好きになりました)
 「マイ・フエア・レディ」でもヘップバーンは歌うつもりで、レッスンに励んでいたのに、映画は吹き替えだったため、演技は良かったのに彼女はアカデミー賞を逃しました。
 そしてオスカーのプレデンテーターとして登場したヘップバーンは、「メリー・ポピンズ」で主演女優賞を射止めたジュリー・アンドリュースに、暖かい祝福のメッセージを贈ったそうです。この心温まるエピソードは広くて深い彼女の性格を示すものと思います。
 アフリカの恵まれない子供達のためにユニセフ国際親善大使として福祉に努めること4年間、1993年に63歳という若さで他界したことは残念なことでした。
 短い生涯を閉じた彼女が残した足跡は、とても大きく偉大なものだったことを、今更ながらしみじみと感じるのです。