映画と音楽そして旅

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(妄想ひとり旅) (12)「乙女峠」

2006-03-29 00:07:25 | 旅 おでかけ
 「乙女峠」‥なんて綺麗な語感なんでしょうか。
 私の近辺にある「XX峠」は日本書紀の時代には、お化けとか山賊などが出没したと云う物騒な峠でした。
 それに対してとても優美で憧れを感じる呼称ですね。どうしても行きたくなった私は、歩くことx時間‥やがて到着した峠から見る富士山はほんとに絶景でした。
 
 茶店がポツンと一軒ありお茶を所望すると、たすきがけの可愛い娘さんが駿河特産の銘茶を入れてくれました。富士山を眺めながらお茶を味わう‥なんて落ち着いた贅沢な憩いのひとときでしょうか。
 しばし瞑想に耽っていた私が我に返りったとき、富士山の方向にやや憂いを含んだ瞳を向けている、うら若き女性の横顔が目に入りました。
   <‥じっと見つめる女が一人 (中略) 
    ああ 恋は終わっても 好きです あなた‥♪>
 こんな演歌がぴったりの風景‥真白の富士を思わせる清楚な姿‥  
 「富士を見つめる憂愁の佳人‥」これは「絵」になる‥と思ったのですが、不思議なことに私のデジカメはいつの間にやら、クラシック・カメラに入れ替わっていたのです。この種のカメラは「シャッター速度」「絞り」「焦点距離」等すべて被写体や、天候や光線の量などを勘案して合わす必要があるのです。
 そんな訳で焦っていると余計に巧くいかず、スタンバイ出来た頃には‥‥彼女の姿は忽然と消えていました。我が願望はこうしてシャボン玉のように、はかなくも哀しくも‥夢か幻にと消えたのであります。
 (天の声あり‥ こらっ!ラヴ・ロマンスの見過ぎだっ!)(反省‥)
 
 昭和初期に「ここは交通の便利が悪いが前方をさえぎるものがないので、富士山を撮るには最高の場所だ」と絶賛されていました。今は立派なドライブウエイが出来て、大変行きやすくなっているようです。

 引用した演歌は 作詞 やしろよう 作曲 伊藤雪彦「木曽路の女」でした。