映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(三条通から新京極へ)「十字屋楽器店」

2006-02-10 00:08:59 | 雑記帖
  三条河原町近辺を通ると必ず立ち寄る店「十字屋楽器店」があります。結局見るだけ見て何も買わずに出ることがありますが、ここも若い頃からの想い出の場所なんですよ。
 ここで初めてレコードを買ったのは‥いいえ‥私がでなく、ビンボー少年の私は金満(?)少年の友人をケシかけて買わせたのですよ。雪村いずみ「遥かなる山の呼び声」云うまでもなく、映画「シェーン」の主題歌です。
 それにしても高かったですねぇー350円ですよ‥といってもピンと来ませんが、当時の私達の主食‥「きつねうどん」50円ぐらいの頃の350円ですから、割合と高かったようです。何故か仲間内では食事は「きつね」で‥始末して余った分は映画や音楽喫茶に消えました。
 昔は消費税の前身「物品税」があり、当時は私に限らず日本人全体が貧しい時代でしたから、衣食住の生活必需品は税率が割安で、別になくても生活出来るもの‥レコードやプレイヤー、カメラとかフイルムの類は、税率が高かったので価格も当然高くなります。
 あの頃私は趣味で写真もやっていましたが、フイルムは20枚撮りで250円、プリントは一枚50円、勿論、モノクロです。今なら現像やプリントに出せばカラー・フイルムを、ロハで入れてくれるみたいで昔と大違いです‥
 十字屋は昔からレコードや楽器や楽譜等々、とにかく音楽に関するものなら何でも‥という店でした。あの頃買った本で今でも残っているのが、「シャンソン・タンゴ・アルバム』と云う譜面兼歌詞集です。『原語でも歌える‥」ようにフランス語やスペイン語のカタカナのルビつきと云う親切な本です。
 昭和30年前後の出版で190ページの中には、シャンソンが77曲、アルゼンチン・タンゴが15曲、コンチネンタル・タンゴが13曲、合計105曲が収載されてます・
 それで定価120円『きつね』2杯分ですよ!でも私はそれほど高いと思いませんでしたね。外にはポピュラー・ソングの譜面もあったのですが、人に貸したりして無くなり奇跡的にこれだけが私の手元に残ってます。
 以前にブログで取り上げたコンチネンタル・タンゴ『碧空』‥原題は「Blauer Himmel」も、「ブラウェル・ヒムメル」とドイツ語読みのルビもついていて、それに日本語の歌詞と通常の譜面‥それにギター・コードやハーモニカ用の音符もついています。
 「ラ・メール」「枯葉」「エル・チョクロ」 「さらば草原よ」 「エストレリータ」(小さな星)「ジェラシー」ETC‥シャンソン・アルゼンチン・コンチネンタル・タンゴの名曲がぎっしり‥ 
 こんな譜面を眺めていると(勿論読めませんが‥)シャルル・トレネやアルフレッド・ハウゼなどの、手元のCDを聴いているのとはまた別の感覚で、どんなにボロけようと、シワだらけになろうと、私の大事な宝物として、後生大事に手元の残っている訳です。
 これらの不滅の名曲については、また想い出も多くありますが、いずれまた触れる機会がもあるかも‥と思います。  

 私は店外に展示された商品群を見て、思わず立ち止りました。さて、何を発見したのでしょうか‥ 明日も見て下さい。